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ぽかぽか春庭「ロダン素描展アルバム・フナイユ in 西洋美術館」

2017-10-24 00:00:01 | エッセイ、コラム


ロダン「アルバム・フナイユ」より

20171024
ぽかぽか春庭@アート散歩>2017秋のアート(4)ロダン素描展 in 西洋美術館

 西洋美術館は地階で開催される特別展のほか、常設展の一室でさまざまな企画展があり、土曜日はだれでも無料の常設展だけでも、十分に楽しめます。(65歳以上は常設展いつでも無料)

 10月21日土曜日、西洋美術館版画素描展示室での「《地獄の門》への道―ロダン素描集『アルバム・フナイユ』」も、なかなか見応えのある展示でした。
 (会期:2017年10月21日(土)~2018年1月28日)

 ロダン(1840-1917)の作品、西洋美術館の前庭に「地獄の門」「考える人」「カレーの市民」が展示されているので、東京都美術館や東京国立博物館に行く途中、前庭を通過するだけでも、ロダンの彫刻に親しむことができます。(ブールデル「弓を引くヘラクレス」も前庭に展示されています)

西洋美術館前庭東側にある「地獄の門」


 ロダンは、1880年にパリの装飾芸術美術館の門扉を飾る大型彫刻の注文を受けました。ロダンはダンテの『神曲』「地獄篇」を題材として、《地獄の門》の制作に取り組み始め、デッサンを続けました。しかし、ダンテの詩をもとにしたデッサンは1年間後に破棄され、新たな構想による「ロダンの地獄」が展開されました。
 
 今回の企画展は、ロダンが構想した地獄図をまとめたデッサン集です。ロダン自身が140点のデッサンを選び出し、タイトルを付けた「地獄篇」で、ロダンを支援した美術愛好家モーリス・フナイユの名から『アルバム・フナイユ』として知られています。
 「アルバム・フナイユ」は、1897年にグーピル商会の後継会社ブソ&マンツィ&ジョワイヤン社から125部限定で出版されました。オリジナルの125部、さぞかしお高いんでしょうねぇ、と、お値段気になる俗的鑑賞法。

 今回の展示はオリジナルではなく、フォトグラヴュール技法という写真製版による複製です。(説明読んだけど、よくわからなかったフォトグラヴュール)
 複製といっても、版画にオリジナルが複数あるのと同じく、十分に鑑賞にたえる画質だったし、第一、私のようなシロートには、オリジナルデッサンと複製の区別はつかない。

二人の女をさらうケンタウロス


異端者の圏谷のマホメット


 マホメットが異端者として地獄に落とされているというロダンの解釈、キリスト教世界だけが正しくて、あとは邪教と信じられていた時代だからしかたないとはいえ、あまりいい気分ではない。きっとロダンがお釈迦様を知っていたら、釈迦も地獄巡りしているんだろうな。

 「平安な極楽には行きとうない、刺激のありそうな地獄を見たい」と言った作家もいたみたいだけれど、私は現世の地獄だけで十分なり。地獄に行く気はさらさらないけれど、我が行いを振り返るに、、、、おお、こわっ!
 地獄も極楽も人の想像創作だと思っているからいいんだけどね。日本じゃ悪人正機だし。ナンマンダブナンマンダブ。

 次回は、ありがたい仏の世界を巡ります。「運慶展」

<つづく>
コメント (2)
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