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ぽかぽか春庭「平成最後の六義園夜桜」

2019-04-04 00:00:01 | エッセイ、コラム

六義園3月28日

20190404
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2019十九文屋日記4月(2)平成最後の六義園夜桜

 3月27日、東京のソメイヨシノは満開になりました。朝は、最寄り駅へ行く前に、自転車でご近所一周しました。
 区の桜名所に選ばれていた桜田通りの並木道、マンション建てる際にだいぶ刈り込んでしまったので、どうかなと案じていました。案の定、枝を刈り込みすぎてスカスカの桜になっていました。毎年道路の上までトンネルのように張り出す桜を楽しみにしていたのですが、ことしはスカ桜。

 おととしは、娘息子と見た六義園の夜桜。
 去年は見そびれたので、今年は行こうと娘息子を誘いました。しかし「体調のいいときなら見たいけれど、具合が悪いのを我慢してまで見たいとは思わない」というので、私ひとり見ました。

 仕事帰りに駒込で降りて徒歩2分、染井門へ。
 おととしと同じく入園チケットを買う行列が伸びていましたが、思ったよりサクサクと進み、シルバー券150円で入園。(一般券は300円)並び時間は15分くらい。

 警備員さんが誘導する園内順路、ハンドマイクで「この時間、カップルが多くなっています。足元にご注意ください」と言っています。あれま、カップルは互いの存在に心奪われるあまり、足元への注意がおろそかになるのかしら。愛する人の顔に見とれていて木の根っこなんかにつまずいたとして、互いに支え合えば大丈夫。まだ手をつなぎ始めたばかりのカップルも、ころびそうになった相手をそっと抱きかかえれば、ふたりの中はいっそう進展。

 そんなデートを私もしてみたかった。(私のナイロビデートといえば、タカ氏とふたりで英語の映画を見て、ふたりともぜんぜんわからなかった、という共倒れの思い出)
 なんてことはどうでもいいから、それより、おひとり様散歩の私のような姥桜こそ足元に注意せねば。支えてくれる相手もいない老婆、よろけがちです。

 染井門から、江戸時代には馬場があった道を正門に向かいます。正門前のしだれ桜は樹齢70年ほどのエドヒガン。毎年ソメイヨシノよりも早めに満開になります。
 桜の寿命は50~60年だそうですが、長生きしてほしいです。



 正門から池を巡って順路をたどっていくと、六義園の西側にもう一本のライトアップされたしだれ桜があります。通常の桜と比べると、とても背の高いのっぽさん。こちらのライトは、白、ピンクなど、色変わり。ピンクになると、見ている人たち「おお!」と声を上げる。





 みな立ち止まって写真を撮ると次のスポットへ移動するので、ベンチでゆっくりする人はそれほど多くなく、ベンチはすぐに座れました。しばらくぼうっとしていました。いろいろな外国語が耳に入ってきます。
 最近テレビでも六義園のしだれ桜が紹介されたというので、見物客も平日の夜にしては人が多い気がしましたが、シートを広げて場所取りはできない六義園なので、比較的静かな桜の周囲。




 公園管理者の説明では、正門前の大きい枝垂れ桜は「大きい桜」、吟花亭址わきの背の高い桜は「背が高い桜」ですと。
 柳沢吉保が将軍綱吉を歓待するために利用した大名庭園ですから、正門の桜を「大名桜」と呼びましょうか。吟花亭は、綱吉の娘鶴姫や養女の八重姫が花見を楽しんだお茶屋だそうですから、通称通り「鶴姫桜」はどうでしょう。鶴姫は紀州の徳川綱教正室。八重姫は水戸藩徳川吉孚正室(吉孚の父綱條は、水戸光圀の甥で養子)

 「背の高い桜」と紹介するよりも「鶴姫の桜」というほうが、たおやかな感じ。
 名づけは大事。白金植物園の松も「おろちの松」「物語の松」という名づけてあることでだたの松より親しみがわいてきます。

 8時半に入園ストップになるので、もう一度正門側に行ってみました。かなり人数も少なくなっていたのですが、警備員さんが「9時閉門になると、出口が混みあいます。お早目の退園をお願いします」と叫んでいたので、少し早めに出口へ。


 だいぶ人が減った枝垂れ桜の前。白いポチポチが見えるのは、汚れです。レンズを拭いていなかったらこうなった。

<つづく>
コメント (6)
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