20190411
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>令和(1)平成最後のさくら歌2019
今年、梅見は娘と楽しみましたし、ひとりで桜も楽しみました。
大きな公園で見る桜も特別な雰囲気でいいですが、ご近所の桜を仕事の行き帰りにながめるのも、「ふだんづかいの桜」で気軽に花を楽しめます。
3月28日の勤務先ご近所の桜はまだ8分咲き。都心より少し遅い

爛漫の枝もありましたが。

3月30日、31日には満開に。




春庭の桜うた しだれて腰折れ。
六義園夜桜
・ライトアップの桜はピンクにオレンジに色変わりつつ枝垂れて揺るる
・思ひ人の歩幅小さき夜道なればわが手を袖にそえて進みぬ
・元禄の金糸銀糸の縫い取りをつまどり歩む鶴姫八重姫
昭和記念公園
・ドッグランを走るチワワとゴールデン大きくてもいい小さくてもいい
・公園の夜桜昭和は遠き日々 花びら一枚いちまい拾う
・夕暮れの中ゆく昭和の乳母車淡くかなしき花びらの降る
「淡くかなしきものの降るなり」は、三好達治本歌取り
新元号「令和」と聞いて
・千余年の時へて令和よみがえり旅人は梅の宴に酔ふらし(2019)
カズレーザーの本名金子和令(かずのり)と知り
・令和とは「文選」由来の漢語だと知るも知らぬもカズレーザー賛(2019)
2014年に天皇傘寿を記念して初めて行われ、以後、「乾通り」一般公開が桜と紅葉の時期に実施されています。今年の「桜の乾通り」を人々が楽しむ様子を両陛下はご覧になり、お喜びだったとか。
4月10日に結婚60年を迎えられるを祝して
・六十(むそ)とせの歩み寿ぎ平成の御代のおわりに咲く花を愛づ
・昭和の妃平成の代の御国母 智く美わし60年かな
・「違いますよ」と原稿順序をただす声 やさしき支えを持ちたる夫
たまたまつけていたテレビ中継。天皇御在位三十年記念式典で天皇陛下が読み上げている原稿の順序がちがって、最初の部分に戻ってしまいました。すかさず皇后さまは「ちがいますよ」と指摘。「どうして?あ、そっか…」「違いますね」「あ、これだ、、、、」と、すぐに原稿順番を正して、最後までつつがなく読み終わりました。この間10秒ほど。
見事なサポートでした。
おそらく、日常のさまざまな面で、60年の間に何度もお互いを支え合うご夫婦であったのだろう、と拝察しました。誕生日会見の「おことば」を述べられたおり、「皇后の支え」に言及したときは、何度か声をつまらせていらした。
平成から令和の時代になって、結婚以来60年間にできなかったゆったりとした時間をお二人ですごしてほしいです。美智子様には「続きが読みたくなってしまうので封印してきた推理小説」をゆっくり楽しんでほしいし、来月は上皇となられる陛下には、ハゼ図鑑のまとめなど。
万葉集東歌にならい、庶民のうたへる
過去の桜うた再録2013、2005
ノートに書いておいたら、ノートが行方不明に。サイトに保管しておけばいいかと思ったのだけれど、自分のサイトの中がわからない。もっとあるはずだけれど。
近代美術館前(皇居一周マラソンが盛んな日)
・しだれ桜垂れてお堀に枝うつす平河門まえランナーとび去る(2013)
近代美術館(中村彝の作品前で)
・ニッポンの桜をいかに刻みしかエロシェンコ像は目つぶりしまま(2013)
新宿二丁目(チーママにかわりて詠める)
・老いてなお夜桜に寄す秘め心あの人はいまあの人は今(2013)
大村益次郎像前で歌舞音曲をきく(かっぽれと阿波踊りを見ました)
・散りてこそ咲かめと散った若人よ二度と我が子を散らせはしません(春庭2013)
千鳥ヶ淵
・花筏散り敷くひとひらひとひらの命かがやく水面の白かも(春庭2013)
上野山
・一葉も見し上野山の糸桜明日質入れの帯締めて見る(2005)
隅田川べり
・散り果てて冷雨の宵の川縁(かわべり)に 一葉桜の細き枝揺れる(2005)
<つづく>
「ことばのYaちまた」は、巷に流れることばをとらえて、世の中とことばを考えるコラムです。タイトル出典は、本居春庭の「詞八街(ことばのやちまた)」ですが、本家は動詞活用の研究書です。
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>令和(1)平成最後のさくら歌2019
今年、梅見は娘と楽しみましたし、ひとりで桜も楽しみました。
大きな公園で見る桜も特別な雰囲気でいいですが、ご近所の桜を仕事の行き帰りにながめるのも、「ふだんづかいの桜」で気軽に花を楽しめます。
3月28日の勤務先ご近所の桜はまだ8分咲き。都心より少し遅い

爛漫の枝もありましたが。

3月30日、31日には満開に。




春庭の桜うた しだれて腰折れ。
六義園夜桜
・ライトアップの桜はピンクにオレンジに色変わりつつ枝垂れて揺るる
・思ひ人の歩幅小さき夜道なればわが手を袖にそえて進みぬ
・元禄の金糸銀糸の縫い取りをつまどり歩む鶴姫八重姫
昭和記念公園
・ドッグランを走るチワワとゴールデン大きくてもいい小さくてもいい
・公園の夜桜昭和は遠き日々 花びら一枚いちまい拾う
・夕暮れの中ゆく昭和の乳母車淡くかなしき花びらの降る
「淡くかなしきものの降るなり」は、三好達治本歌取り
新元号「令和」と聞いて
・千余年の時へて令和よみがえり旅人は梅の宴に酔ふらし(2019)
カズレーザーの本名金子和令(かずのり)と知り
・令和とは「文選」由来の漢語だと知るも知らぬもカズレーザー賛(2019)
2014年に天皇傘寿を記念して初めて行われ、以後、「乾通り」一般公開が桜と紅葉の時期に実施されています。今年の「桜の乾通り」を人々が楽しむ様子を両陛下はご覧になり、お喜びだったとか。
4月10日に結婚60年を迎えられるを祝して
・六十(むそ)とせの歩み寿ぎ平成の御代のおわりに咲く花を愛づ
・昭和の妃平成の代の御国母 智く美わし60年かな
・「違いますよ」と原稿順序をただす声 やさしき支えを持ちたる夫
たまたまつけていたテレビ中継。天皇御在位三十年記念式典で天皇陛下が読み上げている原稿の順序がちがって、最初の部分に戻ってしまいました。すかさず皇后さまは「ちがいますよ」と指摘。「どうして?あ、そっか…」「違いますね」「あ、これだ、、、、」と、すぐに原稿順番を正して、最後までつつがなく読み終わりました。この間10秒ほど。
見事なサポートでした。
おそらく、日常のさまざまな面で、60年の間に何度もお互いを支え合うご夫婦であったのだろう、と拝察しました。誕生日会見の「おことば」を述べられたおり、「皇后の支え」に言及したときは、何度か声をつまらせていらした。
平成から令和の時代になって、結婚以来60年間にできなかったゆったりとした時間をお二人ですごしてほしいです。美智子様には「続きが読みたくなってしまうので封印してきた推理小説」をゆっくり楽しんでほしいし、来月は上皇となられる陛下には、ハゼ図鑑のまとめなど。
万葉集東歌にならい、庶民のうたへる
過去の桜うた再録2013、2005
ノートに書いておいたら、ノートが行方不明に。サイトに保管しておけばいいかと思ったのだけれど、自分のサイトの中がわからない。もっとあるはずだけれど。
近代美術館前(皇居一周マラソンが盛んな日)
・しだれ桜垂れてお堀に枝うつす平河門まえランナーとび去る(2013)
近代美術館(中村彝の作品前で)
・ニッポンの桜をいかに刻みしかエロシェンコ像は目つぶりしまま(2013)
新宿二丁目(チーママにかわりて詠める)
・老いてなお夜桜に寄す秘め心あの人はいまあの人は今(2013)
大村益次郎像前で歌舞音曲をきく(かっぽれと阿波踊りを見ました)
・散りてこそ咲かめと散った若人よ二度と我が子を散らせはしません(春庭2013)
千鳥ヶ淵
・花筏散り敷くひとひらひとひらの命かがやく水面の白かも(春庭2013)
上野山
・一葉も見し上野山の糸桜明日質入れの帯締めて見る(2005)
隅田川べり
・散り果てて冷雨の宵の川縁(かわべり)に 一葉桜の細き枝揺れる(2005)
<つづく>
「ことばのYaちまた」は、巷に流れることばをとらえて、世の中とことばを考えるコラムです。タイトル出典は、本居春庭の「詞八街(ことばのやちまた)」ですが、本家は動詞活用の研究書です。