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ぽかぽか春庭「平成最後の新学期」

2019-04-16 00:00:01 | エッセイ、コラム
20190416
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>2019春学期(1)平成最後の新学期

 「平成最後の」とつけると、イベントはなんでもお祭り騒ぎになるようで、平成最後の バレンタインデーもあれば、卒業式も入学式も入社式もあり、新入生も新社会人も、浮かれています。来月からは「令和最初の」をつけてお祭り騒ぎ。

 私のイベントとしては、「平成最後の4月新学期」が、1994年から続けてきた大学講師の仕事の、文字通り最後の新学期になります。国立大学は2015年に65歳で退職となり、私立大学も70歳で退きます。2020年3月で大学の仕事は終わりになります。

 幼い娘と息子を孤軍奮闘で育てる中での勤務、よくもまあ続けることができたと思います。非常勤講師暮らし、一番多い時は、週5日に6つの大学を掛け持ちで駆け回りました。午前中の大学から午後の大学へ移動する電車の中でパンをかじりながら次のクラスの準備をする。綱渡りのような30年間でした。

 日本語教師としては、1988年から日本語学校で教えはじめました。大学院に通いながらも日本語教師を続け、これからも教える仕事は続けるつもりですから、まだまだ「日本語を教える仕事最後の」にはしないと思いますが、大学生から「今どきの若者ことば」を生で仕入れるチャンスはぐんと少なくなります。

 2年生から受講できる春庭の授業。今年のクラスには2001年生まれが登場。キャー、21世紀生まれと出会うんだわぁ。

 日本語教師養成コースの受講生たち、日本語を教える仕事をしてみたい学生ばかりではありません。何かひとつふたつは、就活のエントリーシートに大学で得た資格を書き込みたい、という学生のほうが多い。

 そういう学生にも、日本語のおもしろさを伝え、日本語のすばらしさに気づいてもらいたい。日本語、標準語も地元の方言も琉球方言もアイヌ語もすばらしい言語文化であることを誇りに思ってほしい。そんな気持ちで日本語教師養成コースに登録した学生に向き合ってきました。私が担当するのは、1年間で12単位分。日本語教育概論、教授法、日本語教育教材教具、という科目を通じて、異文化理解や国際交流まで、日本語教育の幅広い「学ぶべきことがら」を、井上ひさしのことばのように教えられるよう、心掛けてはきたのですが、なかなかうまくはいきませんでした。

井上ひさしの言葉
むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」(初出出典:こまつ座上演パンフレットThe座1989.9)

 今年2019年は、満開のあとの花冷えで、桜が2週間以上咲き誇っていました。卒業式と入学式、どちらも桜を背景に記念写真が撮れるなんて、そうそうはない。思へらく、桜も平成の世を惜しんで目いっぱい花をさかせたのかも。

 4月13日のご近所の桜




<つづく>
コメント (4)
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