春庭Annex カフェらパンセソバージュ~~~~~~~~~春庭の日常茶飯事典

今日のいろいろ
ことばのYa!ちまた
ことばの知恵の輪
春庭ブックスタンド
春庭@アート散歩

ぽかぽか春庭「翻訳新漢語」

2024-03-02 00:00:01 | エッセイ、コラム
20240302
ぽかぽか春庭ことばの知恵の輪>春庭文字表記と語彙(1)翻訳新漢語

 春庭アーカイブです。中国赴任中にUPした漢字についての再録です。
~~~~~~~~~~~
2009/04/21
ニーハオ春庭ニッポニアニッポン語教室>中国と外来語(6)翻訳新漢語

 日本語の会社名、漢字ならそのまま採用されるかというと、中国語での意味が問題になります。意味がOKなら、「松下」はそのままの文字でソンシャァと読まれるし、「東芝」はトンジー。

 しかし、イトーヨーカ堂は、中国進出にあたって、日本語漢字表記の「伊藤羊華堂」を採用しませんでした。「羊華」だとイメージがよくないというのです。中国や中華をイメージする「華」に「羊」を組み合わせたのがあまりよくないのかもしれません。あえて悪いってものを選ぶことはなく、「華堂商場」という表記にしました。
 中国語は、外来の語を導入するには、日本語ほど自由にはいかないことがわかります。人名地名は音訳ですが、その他はほとんど漢語に翻訳して取り入れます。

 室町時代末期に、ポルトガル語が日本語に入り込み、いくつかのポルトガル語由来のことばが現在も使われていることを紹介しました。タバコ煙草、カルタ歌留多、テンプラ天麩羅、などでした。これらは、ポルトガル語の発音をそのまま取り入れていますが、明治時代、西洋語を取り入れたときは中国方式でした。
 開国近代化にあたって、欧米の物品・思想の導入が急務でしたから、つぎつぎと翻訳語が考案されました。明治の日本人は、欧米語の翻訳に苦心奮闘したのです。
 日本語としての翻訳漢語(新漢語)成立について。

 スピーチを演説、ディベートを討論と訳したのは、福沢諭吉である、など、翻訳した人の名が分かっている語が多い。
 サイエンスを翻訳して「科学」、フィロソフィを翻訳して「哲学」、ベイスボールを翻訳して「野球」。デモクラシィを翻訳して「民主」「民本」

 その他、「郵便」「社会」「運動」「意識」「進化」「唯物論」「左翼」「階級」「主義」「共産」「共和」などなど、多くの西欧思想、西欧の物品の名が翻訳されて明治の世に導入されました。
 これらの和製漢語(新漢語)は、中国へ輸出されました。清朝から明治日本に留学していた魯迅らが伝えたのです。

 「大型ブックストアとして代表的な本屋である紀伊國屋書店にもときどき行きますが、私がよく買いにいくブックショップは、駅前にある個人経営の書店です」と、並べて書いても混乱がなく、ちゃんと理解できます。

 本屋(ほんや)は和語です。書店は漢語です。ブックショップは英語由来カタカナ語です。
 ことばのニュアンスを使い分け、どの語も文脈に合わせて使えますし、ブックストアなんて語は使いたくない、と思えば、使わずにすみます。

 日本語の「本屋」は中国語では「書店」です。ただし、日本語で「書店」と表記されたものは、多くの場合、中国語では「出版社」を意味します。「紀伊國屋書店」と表記されていると、中国語では、店売りの本屋としてより「出版社」として受け取られます。
 同じ漢語でも日本語と中国語で意味合いの異なる熟語があることはすでにお話しました。

 同じ動きをやっても、ある人がやればセクシーで、ある人がやれば、???!!!になることもある。
 春庭のベリーダンス練習、第2回目を20日の昼休みに行いました。ビヤ樽ベリーダンス、本来のベリーダンスとはまったく意味合いが異なっておりますが、、、はい、笑いのとれる日本語教師。
 

<つづく>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする