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ぽかぽか春庭「日本の言葉遊びや知恵選ぶ」

2025-01-19 00:00:01 | エッセイ、コラム
20250119
ぽかぽか春庭ことばの知恵の輪>いろは歌再び(日本語音節と音節文字)(5)日本の言葉遊びや知恵選ぶ

 2011年の春庭コラム再録です。
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2011/01/31
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン語講座>いろは歌再び(日本語音節と音節文字)(5)日本の言葉遊びや知恵選ぶ

 昭和のいろは歌つづき。
「新『濡燕』」(茨城・西浦紫峰)
お江戸街唄風そよろ 青柳けぶりほんに澄む 三味の音締へつばくらも 恋ゆゑ濡れてゐるわいな
(おえどまちうたかぜそよろ あをやぎけぶりほんにすむ さみのねじめへつばくらも こひゆゑぬれてゐるわいな)

「勧進帳」(滋賀・石川芳雄)1952年に、ようやく占領下から独立した日本、伝統の勧進帳も上演できるようになりました。
源九郎義経ぞ 早めて参る安宅関 弁慶ほろり声を呑む 落ち得ぬわれに夕陽さす
(みなもとくらうよしつねぞ はやめてまゐるあたかせき べんけいほろりこゑをのむ おちえぬわれにゆふひさす)

「盆踊り」(福井県・巌教也) 
今宵寝られじ 盆踊り おけさ揃へや 輪も丸く 粋な浴衣の娘笑み 笛に合わせつ手打ちゐぬ
こよひねられじ ぼんをどり おけさそろへや わもまるく いきなゆかたのむすめゑみ ふえにあわせつてうちゐぬ

「名画礼賛」(東京・島しげる)
セザンヌ ゴオグ モネエ マチス ユトリロ ピカソ ターナの景色に余は惚れて 平和生む絵をみつめゐる 
(せざんぬ ごおぐ もねえ まちす ゆとりろ ぴかそ たあなのけしきによはほれて へいわうむゑをみつめゐる)

 昭和41年の週刊読売が公募した新「いろは歌」。
「水無月」(東京・西紋士郎)
去年植ゑし花紫陽花よ 梅雨やまず縁の傍に 今日開き濡れて色めく 面輪折り見せねと賞むる
(こぞうゑしはなあぢさゐよ つゆやまずえんのかたへに けふひらきぬれていろめく おもわをりみせねとほむる)

「雪の花嫁」(奈良・久保道夫)
雪のふるさとお嫁入り 田舎畦道 馬連れて 藁屋根を抜け田圃越え 葉末に白く陽も添へむ
(ゆきのふるさとおよめいり ゐなかあぜみち うまつれて わらやねをぬけたんぼこえ はずゑにしろくひもそへむ)
「芭蕉」(東京・塚本春雄)
名も不易 奥の細道 馬と絵師 座寄せ和す囲炉裏 旅に病んで眠らぬを あはれ何処へ夢駈ける
(なもふえき おくのほそみち うまとゑし ざよせわすゐろり たびにやんでねむらぬを あはれいづこへゆめかける)

 では、最後に、春庭第4作。お題は「新作いろは歌を詠む」
日本の言葉遊びや 知恵選ぶ 色受けゐれる 句を詠みぬ 仮名文字 溜させ 胸へ揺りて 置き回す
にっぽんのことばあそびや ちゑ えらぶ いろうけゐれる くをよみぬ かなもじ ためさせ むねへ ゆりて おきまわす        

 いかがでしょうか。世に流布する傑作「いろは歌」の見事な出来 に比べると、春庭作はちと見劣りがしますが、回文を作るのもいろは歌を作るのも、お金のいらない頭の体操。これで惚け防止ができると思えば、日本語のことば遊び、なぞかけでも川柳でも、どんどん挑戦してみてください。

 なぞかけ、ととのいました!「いろは歌とかけまして、正月に一滴のビールも屠蘇も飲まず、ことば遊びですごした春庭と解く」その心は「ゑひもせす 酔いもせず」
 あ、あのですね。いろは歌の最後は、「あさきゆめみし ゑひもせす」なのでして、と、なぞかけの心を解説する野暮天。つまり「ゑひもせす」は、これで「日本語いろは」はおしまい、ってことで、、、、
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20250119
 貧乏は相変わらずなれど、2024年持病のほかは、足の指骨折とコロナ罹患のみで過ごせました。2025年も皆々様に感謝しつつすごしてまいりたいと存じます。



<おわり>
コメント
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