20240114
ぽかぽか春庭ことばの知恵の輪>いろは歌(日本語音節と音節文字)(2)闇夜へ消えた骨無しソロモン
2011年の春庭コラム再録です。
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2011/01/28
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン語講座>いろは歌再び(日本語音節と音節文字)(2)闇夜へ消えた骨無しソロモン
日本語音声学の授業で、これらの「いろは歌」のいくつかを紹介して世界の言語からみて、日本語は音節数が少ない言葉であること、115というごく少ない音節を用いて森羅万象を表す単語が成立すること、などを解説します。
私自身は「いろは歌」を作ってみたことはなかったのですが、2010年後期クラスの中に、「自分もいろは歌を作ってみた」と、メールレポートに書いてきた学生がいました。
こばやし君の作、ふたつ。
闇夜へ消えた骨なしソロモンは、我と姫に荒らさせて、王家ゆかりの古く濃い真土を盗む
やみよへ きえた ほねなし そろもんは われと ひめに あらさせて おうけゆかりの ふるく こい まつちを ぬすむ
姫は三重県へ移る。世話焼きな姉からの細く良い竿と濡れた百合を澄まして風呂に持ち込む
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン語講座>いろは歌再び(日本語音節と音節文字)(2)闇夜へ消えた骨無しソロモン
日本語音声学の授業で、これらの「いろは歌」のいくつかを紹介して世界の言語からみて、日本語は音節数が少ない言葉であること、115というごく少ない音節を用いて森羅万象を表す単語が成立すること、などを解説します。
私自身は「いろは歌」を作ってみたことはなかったのですが、2010年後期クラスの中に、「自分もいろは歌を作ってみた」と、メールレポートに書いてきた学生がいました。
こばやし君の作、ふたつ。
闇夜へ消えた骨なしソロモンは、我と姫に荒らさせて、王家ゆかりの古く濃い真土を盗む
やみよへ きえた ほねなし そろもんは われと ひめに あらさせて おうけゆかりの ふるく こい まつちを ぬすむ
姫は三重県へ移る。世話焼きな姉からの細く良い竿と濡れた百合を澄まして風呂に持ち込む
ひめは みえけんへ うつる せわやきな あねからの ほそくよい さおと ぬれた ゆりを すまして ふろにもちこむ
なるほど、ちゃんと意味の通ったいろは歌になっています。「闇夜へ」は、ソロモン王の時代の墓盗人の物語を思い浮かべることができるし、「姫は三重県へ」は、姉から世話して貰ったモノを持ち込んだ風呂場の光景が浮かびます。え?「細く良い竿と濡れた百合」って、もしかして何かの比喩になってる?と、授業中にコバヤシ君に尋ねることはしませんでした。ただ、単語をを並べてみたらこうなっただけでしょう。
こばやし君は、「いろは歌を作るコツ」も発表しました。この「コツ」の説明で、「日本語学」も受講したこばやし君は、品詞についての春庭講義をよく覚えていることもわかりました。
1) よく使われる助詞「は」「か(が)」「を」「の」「に」はとっておく。
2) 動詞の終止「る」、中止「て」過去「た」もとっておく
3) 形容詞の終止「い」中止「く」もとっておく
4) それ以外の仮名を組み合わせて単語をつくり、それを並べて意味が通るようにする。
私は、自分で回文を作りますが、いろは歌を作ったことがなかったのでいたく感心し、「日本語のモーラ」についての発表もよい出来で欠席なしだったコバヤシ君には「A+」の成績をつけました。
「A+(優)」の成績をあげたコバヤシ君の気持ち、舞い上がっているでしょう。親御さんにもよい成績を自慢したいでしょうね。コバヤシ君に「いろは歌作るコツ」を教わったので、初めて春庭作のいろは歌を試みました。先生に「優」を貰って親に披露しているコバヤシ君のようすを詠みました。ゑとゐは抜かしたので、ちと難しい。
「誉められ舞い上がる気持ち、察したよ 品述べて 優増え、胸張り親に「見ろ」と、消せぬ名を濃く添わす」
ほめられ、まいあがるきもち、さつしたよ ひんのべて ゆう ふえ むね はり おやに みろと けせぬ なを こく そわす
どうも、コバヤシ君の作品のほうが、一枚上手です。まだまだいろは歌修行中の春庭ですが、頭の体操になりました。皆様も、惚け防止頭の体操として、ぜひいろは歌に挑戦してみて下さい。
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なるほど、ちゃんと意味の通ったいろは歌になっています。「闇夜へ」は、ソロモン王の時代の墓盗人の物語を思い浮かべることができるし、「姫は三重県へ」は、姉から世話して貰ったモノを持ち込んだ風呂場の光景が浮かびます。え?「細く良い竿と濡れた百合」って、もしかして何かの比喩になってる?と、授業中にコバヤシ君に尋ねることはしませんでした。ただ、単語をを並べてみたらこうなっただけでしょう。
こばやし君は、「いろは歌を作るコツ」も発表しました。この「コツ」の説明で、「日本語学」も受講したこばやし君は、品詞についての春庭講義をよく覚えていることもわかりました。
1) よく使われる助詞「は」「か(が)」「を」「の」「に」はとっておく。
2) 動詞の終止「る」、中止「て」過去「た」もとっておく
3) 形容詞の終止「い」中止「く」もとっておく
4) それ以外の仮名を組み合わせて単語をつくり、それを並べて意味が通るようにする。
私は、自分で回文を作りますが、いろは歌を作ったことがなかったのでいたく感心し、「日本語のモーラ」についての発表もよい出来で欠席なしだったコバヤシ君には「A+」の成績をつけました。
「A+(優)」の成績をあげたコバヤシ君の気持ち、舞い上がっているでしょう。親御さんにもよい成績を自慢したいでしょうね。コバヤシ君に「いろは歌作るコツ」を教わったので、初めて春庭作のいろは歌を試みました。先生に「優」を貰って親に披露しているコバヤシ君のようすを詠みました。ゑとゐは抜かしたので、ちと難しい。
「誉められ舞い上がる気持ち、察したよ 品述べて 優増え、胸張り親に「見ろ」と、消せぬ名を濃く添わす」
ほめられ、まいあがるきもち、さつしたよ ひんのべて ゆう ふえ むね はり おやに みろと けせぬ なを こく そわす
どうも、コバヤシ君の作品のほうが、一枚上手です。まだまだいろは歌修行中の春庭ですが、頭の体操になりました。皆様も、惚け防止頭の体操として、ぜひいろは歌に挑戦してみて下さい。
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20250114
白馬の王子様が、落とした靴を持って探しにきてくれますように。と毎年思って早70年。あ、靴落としたことなかった。落としてもいない靴にギューギュー足つめこもうとして、「私こそがしんでれら」と主張するつもり。食うや食わずの貧乏ダイエットながら、死んで、、、、、いません。2025年もよろしく。
春庭新作シンデレラいろは歌。
シンデレラ 夢見た靴履き 裾も 散る 胸合わせ 踊ろう
誇り増え 迷いの 日へ 何をか 避けぬや
しんてれら ゆめ みた くつはき すそも ちる むねあわせ おとろう
ほこり ふえ まよいの ひへ なにをか さけぬや

<つづく>