KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

迷路へ入ってしまう?

2023年02月13日 | 俳句
天気 雨

冷たい雨が一日降り続いて、でも降ってくれれば今年になってからの乾燥が解消できる。木々や植物、畑には恵みの雨だろう。

さて、昨夜の話。
毎晩、私は「〇たろん」という湯たんぽモドキを足元に入れて寝る。この「〇たろん」は電子レンジで数分間温めると7~8時間はぽかぽかしていてくれる。レンジは室内にないのでラウンジの流し台のそばにある電子レンジを使わねばならない。自由に使えるけれど、パジャマに着替えてしまうとちょっとラウンジへ出るのが憚られる。なのでいつも、着替える前の時間に行く。もう寝静まっている部屋もあるのであまり音を立てられないから気を遣う。夜勤介護士に会う時もあれば、ウロウロ歩くのが好きなジイサンが居ることも。
昨夜は誰も居なかった。でも、電子レンジを使い始めたら、端っこの部屋のFさんがドアをそっと開いて出てきた。こんばんは、と私が言うと
「まだ早いかしら」と。
「え? もう9時近くですよ」
「じゃあ遅かった?もう食事は終わったわね」
「さっき、夕飯食べ終わったところでしょ」
「そうじゃなくて、朝ご飯。まだなのね」
・・・・眠っていて、外の物音に目覚めて、朝になったと勘違いしたようだ。
「夜の9時ですよ、真っ暗でしょ」
眼の前の壁に大きな時計がある。それを指したが見ていない。寝ぼけていた訳ではなく、現在の状況を解るまでかなり時間が必要だった。そのうちに電子レンジがチン、と終了。
「私もこれから寝る仕度しますね。お休みなさい」

彼女も時間読めない症候群だった・・まだ入所して3ヶ月くらい。ノーマスク族なのであまり親しく話したことがなく知らなかった。挨拶程度の会話は普通にしていた。私と同じくらいの年齢に見えたし、足腰は少し不自由でも、他には問題はないと思っていたのは私の勘違いだった?
一度、マスクをせずにラウンジで私の隣に座ったので
「マスクしていただいていると安心ですけど」と言ったら「そうよねえ、これからはしますね」と言い、その後は暫くマスクをしていたが、最近はまたしないことが多くなった。やはり、認知症だった・・ショック。彼女の部屋の並びの7人、重い軽いの差はあっても皆認知症だ。彼女はまだ大丈夫かも、と思っていたのは間違いだった。

認知症、って、迷路をうろうろしている状態に似ているのかしらん?
彼女の隣の部屋ではガタガタと音がしている。今夜も、部屋へ侵入する「ドロボー除け」のバリケードを作っているのだろう。椅子を並べ、その上に荷物を置き・・
彼女たち、何も考えなくて楽そう、なんて思っていたらバチが当たるかも。本当は深い闇の中の迷路で足掻いているのかもしれない。

杉花粉鎮める雨と思ひけり  KUMI
コメント (4)
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