KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

寒がらぬ人たち

2023年02月16日 | 俳句
天気 晴

こんな気球なら、訝しいと思われず眼を楽しませてくれそうだ。

寒波襲来で昨日今日は日本海側は大雪、こちら側はひたすら寒い。
昨日、寒い一日を体調悪くてほぼ部屋で過ごした。免疫療法の点滴治療の副作用が、最近は点滴後2週間目くらいがいちばん重い気がする。一昨日の夜あたりから、何となくおかしくなりそうな・・案の定、という感じだった。耳鳴り目眩Max。頭痛まで加わった。天気のせいもあるだろうけれど。その他色々。
今日は大分楽になり、朝のうちに溜めてしまった洗濯物を片付けた。部屋は暖房していても足元ばかり冷えるので、少しの間でもラウンジの日の当たる椅子で温まりたい。でも、それが出来ない。「認知症ガールズ」が5人、占拠していてなかなか空かない。ノーマスクなのでくっついて座る気もしないし。諦める。平身低頭お願いしマスクを配るのも、もう腹立たしいのでやめた。悪い人たちではないのにねえ・・マスクの必要性はすぐ忘れるし、食事も昼やら朝やらわからなくなるし、エレベーターの乗り方もすぐ忘れるし。でも、ご本人たちは私よりも元気そうに普通に暮している。
日向ぼっこに来るのも、部屋の暖房の入れ方が解らず、いちいち介護士に訊くのが面倒で、夜まで付けないらしい。廊下は終日暖房しているので、部屋の暖房を切っても20℃以下になることは殆どないし。羨ましいことに、あまり寒がらない。私は部屋で20℃以下になったら、足元が冷え、手の指はレイノー現象で真っ白になって痺れてきて大変。

超高齢化すると暑さ寒さには鈍感になるので、熱中症になりやすい、とも言われる。認知症になるとさらに鈍感になる、と訊いたことがある。どうも本当のように思える。今日、90歳のお友達に訊いたら「私は寒いわよ、ちゃんとタイツ履いてるし」と。でも、あの方たちは、素足にズボン(今はパンツ、と言うのだけれど)、それも夏物みたいな薄手のもので、ソックスも短めの、私だったら夏にしか履かないようなものを履き、足首が出ていても寒くないようだ。おまけに、部屋の床は廊下と同じ素材で、冷たい筈。私もお友達も寝室兼居間として使うスペースにはカーペットを敷いているが、認知症ガールズの人たちの部屋はチラと覗いただけだが、床がむきだしのままだ。つまり、病院の病室暮らしと同じこと。落ち着かないだろうと思うのは私の感覚であって、彼女たちには快適なのかもしれない。

以前は、軽度の認知症の人とも付き合ってとりとめない話などしてきた。でも、この1年で、認知症の人たちと「まとも」な人たちと、分断されてきた。仕方ないのかなあ、とも思いつつ・・理解すればするほど、お付き合いが疲れることになるので、本当にゴメンナサイ。2年も毎日顔を合わせているのに名前すら憶えてくれない人と仲良くなるほど、私の人生、暇ではない。

警笛を残す電車や冴返る   KUMI
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頭を丸める話

2023年02月14日 | お散歩写真
天気 晴

寒い寒い一日の朝の始まる空。

昨日、「徹子の部屋」に女優の秋野暢子さんが出演、ご自分のがん闘病の話をされていた。食道がんのステージ1で、手術すれば簡単に治癒するが、声帯にダメージを受ける。職業柄それは困るので抗がん剤と放射線治療とで、2年目のいまのところ完治しているという。
で、抗がん剤を投与すると毛髪が抜ける、と思い、抜ける過程を体験したくないのでその前に剃髪してしまったそうだ。美しい「尼さん」の写真を披露された。さすが女優さん・・。
準備万端のつもりでその頭で通院したら主治医に「脱毛は殆どしない薬なのですよ」と言われたのだそうだ。笑い話になった訳で。

私は63歳で乳がんになった。ステージ1a。普通なら軽い手術とその後は放射線治療を一ヶ月くらい、あとは5年間のホルモン治療の薬を飲むだけ。・・の筈が、手術後の細胞検査で、10人に1人とかのややこしい細胞と解り、抗がん剤6回×3週ごと、放射線治療を行うことになった。脱毛する、と言われて治療の前にウィッグを買いに行った。脱毛が始まったら、その頭では外出出来ないから。そして、がんのステージも2bへ「昇格」した。
で、私の頭はどうなったかというと・・瀬戸内寂聴さんのような美しい尼さんの頭を予測していたのに、そうはいかなかった。前髪と首筋の後ろだけ微妙に髪が残ってしまった。でも、おかげでバンダナを被ると髪が前後に見えて、中が禿げ頭には思えない、というスタイルに出来た。さすがに外出はウィッグを使ったが、家に居るときや近所の買い物などはバンダナのままで済ませた。案外、近所や知人にも病気治療のことを知られないで済んでいたようだ。

抗がん剤治療で髪の抜けるのは凄いショックで大変なこと・・のような印象だが、私にはたいしたことではなかった。抜ける時の始末は面倒だが、とくに痛い訳でも、そのための苦痛がある訳でもない。半年経てばまた生えてくる。抗がん剤でいちばん苦痛だったのは、味覚障害・便秘や爪の変色、などなど。味覚障害は点滴後1週間くらい続き、あとは回復する。でも、かなり辛いもので、コロナの症状にも出る、と聞いてぞっとしたものだ。

私は、一回目の抗がん剤のあとで、念のためにもう一つの抗がん剤をしている。3週1回の点滴を18回。しなくても大丈夫だったかもしれないが、再発率の高いがん細胞なので、主治医が「念のためのこういう薬も承認されました」と教えてくれた。自費では何百万円、という治療費用になると聞いていたので、保険適用になってすぐに希望した。副作用は殆どなかった。ただ、心臓に影響するかもしれない、と言われていて、結果、私は10年後に心臓が壊れたけれど・・因果関係は不明。当時は年齢的にまだ健保3割負担で高額療養費も上限が8万円余り。ま、あまりお安くはなかったが、寿命は延したようだ。
そして今、免疫療法という、これも抗がん剤の一種と言える化学療法をしている。
日本の健保制度に感謝感謝である。

寝返りて消えたる夢よ霜の朝  KUMI
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迷路へ入ってしまう?

2023年02月13日 | 俳句
天気 雨

冷たい雨が一日降り続いて、でも降ってくれれば今年になってからの乾燥が解消できる。木々や植物、畑には恵みの雨だろう。

さて、昨夜の話。
毎晩、私は「〇たろん」という湯たんぽモドキを足元に入れて寝る。この「〇たろん」は電子レンジで数分間温めると7~8時間はぽかぽかしていてくれる。レンジは室内にないのでラウンジの流し台のそばにある電子レンジを使わねばならない。自由に使えるけれど、パジャマに着替えてしまうとちょっとラウンジへ出るのが憚られる。なのでいつも、着替える前の時間に行く。もう寝静まっている部屋もあるのであまり音を立てられないから気を遣う。夜勤介護士に会う時もあれば、ウロウロ歩くのが好きなジイサンが居ることも。
昨夜は誰も居なかった。でも、電子レンジを使い始めたら、端っこの部屋のFさんがドアをそっと開いて出てきた。こんばんは、と私が言うと
「まだ早いかしら」と。
「え? もう9時近くですよ」
「じゃあ遅かった?もう食事は終わったわね」
「さっき、夕飯食べ終わったところでしょ」
「そうじゃなくて、朝ご飯。まだなのね」
・・・・眠っていて、外の物音に目覚めて、朝になったと勘違いしたようだ。
「夜の9時ですよ、真っ暗でしょ」
眼の前の壁に大きな時計がある。それを指したが見ていない。寝ぼけていた訳ではなく、現在の状況を解るまでかなり時間が必要だった。そのうちに電子レンジがチン、と終了。
「私もこれから寝る仕度しますね。お休みなさい」

彼女も時間読めない症候群だった・・まだ入所して3ヶ月くらい。ノーマスク族なのであまり親しく話したことがなく知らなかった。挨拶程度の会話は普通にしていた。私と同じくらいの年齢に見えたし、足腰は少し不自由でも、他には問題はないと思っていたのは私の勘違いだった?
一度、マスクをせずにラウンジで私の隣に座ったので
「マスクしていただいていると安心ですけど」と言ったら「そうよねえ、これからはしますね」と言い、その後は暫くマスクをしていたが、最近はまたしないことが多くなった。やはり、認知症だった・・ショック。彼女の部屋の並びの7人、重い軽いの差はあっても皆認知症だ。彼女はまだ大丈夫かも、と思っていたのは間違いだった。

認知症、って、迷路をうろうろしている状態に似ているのかしらん?
彼女の隣の部屋ではガタガタと音がしている。今夜も、部屋へ侵入する「ドロボー除け」のバリケードを作っているのだろう。椅子を並べ、その上に荷物を置き・・
彼女たち、何も考えなくて楽そう、なんて思っていたらバチが当たるかも。本当は深い闇の中の迷路で足掻いているのかもしれない。

杉花粉鎮める雨と思ひけり  KUMI
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余寒

2023年02月12日 | 俳句
天気 晴のち曇
昨日・今日と気温は高い、という予報だったので、今日は雪も大分融けたし、と昼食後買い物に出てみた。
でも、春は名のみの・・風の寒さよ。日陰に残った雪が融けずに残っているのだから、その上をくる風は冷たい。紅い葉っぱはオタフクナンテンというらしく、冬の間も色付いている。
何しろ寒がりなので、すぐ近くまで行くだけなのに帽子を被らずに出たことを悔やんだ。暖かかったら少しどこかのベンチで日向ぼっこでも・・という目論見は失せた。春はまだまだ。

暗い事件や災害のニュースは体に良くないのでなるべく映像は見ないようにしているのだが・・見えてしまう時もある。トルコの大震災の、高層ビルが縦に崩れる映像、あれは見たくなかった。その瓦礫の中5日以上も生き延びていた、というニュースはびっくりした。人間の生命力って凄い。でも、失われた万という人の命を思ってしまう。・・この話、詳しくは書きたくないのでお終い。

それよりも、我らが(などとあまり思っていないけれど)首相、副鼻腔炎の手術をされたとか。
実は、私も10年くらい前だったか、罹りましたですよ。元々鼻が悪い訳ではなくて、花粉症の時季に眼の下(眼窩の下)が痛くなった。鼻よりも眼の症状のひどくなる花粉症だったので、いつもの眼科へ行った。そしたら耳鼻咽喉科へ行くように言われた。耳鼻咽喉科、その数年前、近くにできてからは行く必要もなかったがともかく初めて行ってみた。凄い混雑。整理券を渡され、2時間待ち? その間に同じビル内の美容室へカットに行く時間があったくらいだ。ま、混雑する医院の話は別として、手術までせずに済んだのは、眼科ですぐに耳鼻科へ行くよう勧められたからかもしれない。我慢出来ない痛みでもなかったし、暇な高齢者でなかったらしばらく様子見をしただろう。でもおかげですぐに膿を抜き、何度か通院して治癒した。手術よりは楽だとは思うが、あまり楽しい治療ではない。(本当を言うと結構辛かった。以後、他の病気で色々苦しんだので薄まってしまったが)
岸田サンの鼻声が気になっていたが、やはり副鼻腔炎だったのだ。治ればすっきりする筈。

さて、それからの私は、花粉症用の薬を内科で貰い、時節には毎年服用して副鼻腔炎にはならずに済んでいる。でも、その花粉症が・・
一昨年あたりからあまり鼻の症状は出なくなった。眼は相変わらず、花粉に限らず色々とアレルギー源を吸収して悩まされているのに。
この2年はコロナでのマスク生活のおかげと、花粉の飛散量の少なさのおかげのようだ。でも、高齢になると花粉症は軽くなる、という世間のジョウシキが私にも当てはまったのか??
今年は多い、と聞く杉花粉。今のところ、薬は飲まずに済ませている。発症の前から飲まないと間に合わないけれど・・あちこち体調悪いので、鼻水くらいは我慢出来るかも。

脇見せず犬曳かれゆく余寒かな  KUMI
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雪晴れとホットチョコレート

2023年02月11日 | 俳句
天気 晴

写真は、朝8時。
1時間前の朝焼けの残っている時間帯はこんな色に見える。街の雪もまなり積もった。

昨夜は少し雨も降ったらしいが、富士山もその手前の丹沢山塊・奥多摩の山並み、やはり雪晴れのすっきりした風景になった。ケーブル線が目の前になければ良い写真になるのだけれど・・丹沢山塊も雪がかなり積もったようだ。

昼間の日差しは暖かそうに見えたが、窓の外を見ると風は強そうだし、無理に外出する理由もないし・・最近は眠くて仕方がない。ノンストップ7時間眠っている日でも眠い。今日がそれ。昼食後、眠気と闘いながらテレビを見ていたら、チョコレートの話をしていた。ああ、バレンタインデーが近い・・って関係ないけれど。などという眼に飛び込んできたのは、ブラックチョコの話。ポリフェノールのチョコレート効果、という商品で、ここへ入所する前には愛用していた。今も、何となく切らさずに買ってはいるけれど、間食の時間が少なくて(食事と食事の間隔が、短かすぎるからお腹の空く暇がない)なかなか減らない。以前は、口寂しくなると一枚・二枚、と食べていたのに。
でも、番組の最後の、「ホットチョコレートにする」という所で目が覚めた。
ブラックチョコを数枚、小さなポットに入れて熱湯を注いでガシャガシャ振り、溶かせば、そのチョコの、例えばカカオ80%のチョコならその80%の味のホットチョコレートが出来上がる・・という。
え、そんなに簡単なの?ココアとかホットチョコレートとか、(同じ原料だと思うけど)粉が売っていたりして、お湯を注ぐとそれらしきモノになる製品は色々あるみたい。でも、私の中では「ココアは甘い」という印象しかなくて、殆ど飲まない。嫌いな訳ではないが、飲んだ後味を思うとわざわざお金を出して飲む気にもならない。珈琲や紅茶に砂糖を入れるのが嫌いなので、甘ったるい飲み物はほぼ飲まないし欲しいとも思わない。(甘酒やお汁粉は別です)でも、カカオ70~80%のチョコレートがホットドリンクになるなら飲んでみたい。

ということで、眠気覚ましの珈琲はやめて、さっそく72%のブラックチョコの残りで、説明通りに愛用のタイガーのポットで作ってみた。4枚ほどを指で半分に割り、150㏄くらいの熱湯を注いでバーテンダーよろしくポットを振り回したら、意外と早くチョコは溶けた。

72%がちょうど良かったかもしれない。80%だと苦すぎるかも。体は温まるし、健康にも良いし・・今日は良いことをひとつ覚えた。簡単なこと、何で今まで、こんな応用を考えなかったのだろう?チョコレート=お菓子、という固定概念の強い年代なので仕方がないのかも。

雪晴の遠嶺の眩し富士山も  KUMI
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