晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

別所探訪(46) 別府(べふ) 2/9 

2013-02-10 | 歴史・民俗

2013.2.9(土)曇、雪

 新日本風土記「高知 神々と棲む村」で高知県香美市物部町が紹介された。物部という地名にほだされて見てしまったのだが、秋山郷と同様に興味深い所である。
番組では過疎の村の人々が八百万の神々と共に暮らしている様子を紹介するものであった。かつては日本のどの集落でも大なり小なりそのような生活をしていたのだろうけど、随分と省略し簡略化した生活となってしまった。
 実は先日渡辺さんが高知と徳島に行ってきたとお話しされていたのを思いだしたのだ。香美と言っておられたので聞きただしたら、やはり香美市であって、温泉に行ったと言われたので調べてみると別府峡温泉しかない。番組はこの別府峡温泉の周囲の集落が舞台であった。Img_5148




 
国道32号線根曳峠手前の展望、ここは香美市の西端である。2007年自転車旅行では物部川に向かわず、吉野川に向かった。

 影像で映し出されるのは、四国の山地特有の高所集落で、転げ落ちるような斜面に野菜や豆などを作っておられる。かつては米が穫れるということは無く、蕎麦が祭のごちそうだったと話しておられたが、今でも水田が出来るような耕地は影像にはなかった。
 別府(べっぷ、べふ、びょう)というのは「別符をもって指定された保で、社寺の封米を担当したもの」(地名の語源)、あるいは追加開墾された荘園を意味すると柳田国男氏は解いている。近江の別所で紹介した大津市の別保などもこういう意味でとられているが、この物部町の別府は荘園とか耕地を示す様な土地でないことは明らかである。
 「別」のつく地名は物部川沿いに他にもあり、物部町別役(べっちゃく)は別府から10Km程下流にあり、「別所地名事典」では”存疑”(柴田弘武氏のいうところの、蝦夷俘囚移配地としての別所としては疑わしいという意味か)となっている。
また、南の香南市香我美町にも香宗川源流に別役(べっちゃく)というところがあり、なにか恭通の意味がありそうだ。
 
物部川は高知市と香南市の境付近で太平洋に注ぐわけだが、その少し東、香南市赤岡町に別所山という所があり、ここは「別所地名事典」でも取りあげられている。Img_5133
 



40数年前に龍河洞を訪れているし、2007年自転車旅行でも野市まで訪れている。でもやはり物部は行ってみたいところだ。写真はくろしお温泉。

 これらの別役と別府は荘園の追加開墾も蝦夷俘囚も関係なさそうで、他の何かの意味があるように思える。
 なお、物部川沿いの鉱山関係は韮生川(にろうかわ)にマンガン鉱山があるようで、気になる地名は以下のとおりである。
 仁尾島、金剛山、大平、有谷(あらだに)、有瀬、吉野、笹、吹越、楮佐古(かじさこ)、アリノ前、程野、サイニョウ

【作業日誌 2/9】
植木鉢置き作製
ウッドデッキ階段準備

【今日のじょん】:積雪のため新たな事実が分かった。鹿は川から来ているとばかり思っていたが、山からの襲来もあるわけだ。どうしたものか悩むところである。P1030863 P1030864 P1030865  




つる草がやられてるぞ。足跡は斜面から来ている。道路側には鹿の足跡はない。
P1030866

やっぱり山から来てるんだ。 

コメント
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