晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

穴虫考(86) 香芝穴虫ー8 6/29

2014-06-29 | 地名・山名考

2014.6.29(日)曇り

 いよいよ穴虫の考察に入るのだが、なにしろ歴史的に大変重要な位置にあるものだから考えねばならないことが沢山ありすぎる。何もかも書くと膨大なものになりそうなのでかいつまんで紹介したい。
 穴虫はどこか?
 香芝市穴虫は広大な地域である。元々小さな地域が穴虫と呼ばれていて、それが大字名になったと予想している。そう考える理由は、穴虫という地名が現れるのは近世になってからのようだからということと今までに見てきた各地の穴虫が、極限られた小さな部分を指しているからだ。
 角川日本地名大辞典で穴虫を見てみると、この地域は古代においては大坂であったようで、穴虫村、穴蒸村、穴蒸越ともに文献に出てくるのは近世以降なのである。古代において重要な街道であり、古墳石材の産地でもあるこの地が穴虫と呼ばれていれば必ず古代の文献に出てくるはずである。
 さりとて穴虫が近世に現れた地名とも思えない。もし近世に現れた地名なら、ある程度意味の解る地名となるはずだ。角川地名辞典には穴虫について、穴に伏す低地という地形に由来すると思われる、と書いている。随分乱暴な地名由来だが、仮にそうだとしてもそういう意味の地名が近世になって現れるとは思えない。つまり古代においては大坂と呼ばれる地域の中に、アナムシと呼ばれる小さな地域が含まれていたのではないかと考える。
 それではその地域はどこか、それを探すのが今回の訪問の最大の目的であった。国土地理院2万五千図に穴虫東、穴虫西の表記がある。穴虫が香芝市の町名に該当するとすれば、これは大字になるのだろうか。大坂山口神社裏山の東西の古い街並みがそれにあたる。そうすれば本来の穴虫とは東西穴虫を含んだ辺りと考えるのが妥当である。
 そしてこの特徴的な山地の中に、いわゆる穴虫パターンを見つけた。穴虫パターンとはわたしの造語で、穴虫と呼ばれる山裾の谷の出口~山の迫った谷筋、街道筋~葬地、墓地という配置のことをいう。各地の穴虫の多くがこのパターンになっている。P1030208
 


この谷筋の道が、古代大坂越えの一部である。大坂山口神社の参道にもなっているが山を降っていくという珍しいものだ。
 ゴボ山が古代の火葬墓の跡らしいという二上山博物館の解説シートを読んで大坂山口神社~ゴボ山の谷(別所ヶ谷というらしい)~ゴボ山周辺の火葬墓らしき地域(別所ヶ谷)こそ完璧な穴虫パターンであると確信した。
 そしてこの谷筋が大坂越え、穴蒸越えのルートであることも、橿原考古学研究所「友史会」の例会報告などで解った。P1030206


 参道入口の手前の地域を迎坂という。ムラを出て遠くへ旅する者を送迎する習俗をサカムカエという。そのサカムカエをした所と解すれば、やはりこの道が街道であったことの証左である。つづく


【作業日誌 6/29】草刈り府道のり面

【今日のじょん】天候のせいか来じょん犬が久しかったが、リズム君が来た。ドッグランどの準備もしていたのだが、急に雨が降ってきてベランダでのご対面となった。じょんはチト苦手みたい。おとなしくてよい子だと思ったのだが、普段はそうでもないとか、、、。P1030299 P1030297

カワイイですねえ

コメント
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