2017.1.19(木)曇り
「次の震度7はどこか!」ー熊本地震の真相は「熱移送」-角田 史雄著 PHP研究所 2016.8.3 第1版 古書
帯封に「プレートテクトニクス理論を本気で「信仰」しているのは日本人だけ。活断層が動いて直下型地震が起きると思っているのも日本人だけ。」とある。なんとも気になるキャッチコピーだ。
東北地方太平洋沖地震(2011.3.11M9)、平成28年熊本地震(2016.4.14、16 M7.3)について想定外とか異例とかの言動が流れている。一般の者にとってはいったい何が想定外で何が異例なのか少しも理解できないが、地震学者にとっては一種の苦境なのかもしれない。前者はM(マグニチュード)7クラスの地震が予想されていたいたところで、M9の地震が起きたこと、後者では震度7の地震が続けて起きたこと、広域にわたって内陸地震が連鎖したことが想定外、異例の中身である。本書のサブタイトルの「熊本地震の真相云々」では熊本地震の原因は九州地方の熱移送ということで語られているのだが、なんとも理解できないのはわたしの能力不足のせいだろうか。
帯封のキャッチコピーのように、プレートテクトニクス理論をあらゆる場面で批判されている。それが正当なものなのかわからないので、前回の「プレートテクトニクス入門」を読んだのだが、全般的にプレートテクトニクス理論は論理的に理解できるのだが、本書の「熱移送」説はなんとも理解できない内容なのである。また各所でプレートテクトニクスを批判しているのだが、批判のための批判であって、「熱移送」説ではどう説明するのかというところが見られない。またプレートテクトニクスの旧い説を引き出して批判している部分なども見受けられた。例えば「マントルの対流でプレートが動く」という根本の原理は間違っていると書いているが、現在では海洋プレートの沈み込みがプレートを動かす原動力とされている。
四川大地震についても、日本海溝の沈み込み・衝突帯から2,500Km、ヒマラヤの衝突地帯から2,000Km離れている。プレートの衝突力がそれほど離れたところまで及ぶのなら、衝突帯の近く日本でなぜ大地震が起こらなかったのかと書いておられる。インド半島の衝突の影響はバイカル湖あたりまで及ぶとされているので、四川省に大地震が起こったとしても当然のことで、この際日本海溝も日本も関係は無いと思えるのだがどうだろう。何か言葉のマジックのようにさえ思えるのだが、、。
こんな例がいくつもあってわたしにはこの本もこの説も信頼することはできない。
【今日のじょん】閉店前、突然玄関に向かって吠えだした。いったい何が起こったのか?そうだ今日は木曜日でお豆腐屋さんの来る日だ。でもまだまだ来られる時間には早いのだけど、、、、曜日がわかるとしたら天才だぜ。