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[FT]円売り介入はあるのか、戸惑う為替トレーダー

2012年02月08日 08時08分05秒 | 為替
 日本の多くの儀式と同様に、為替介入にも独特な言い回しがある。対策を講じる意向を示す政府の最初の行動は、現行の円相場の水準が「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映していない」、あるいは相場の動きが「投機的」とか「無秩序」と警告することだ。


■一歩踏み込んだ財務相の発言




為替トレーダーは安住財務相の発言に注目している(1月24日、衆院本会議で財政演説をした財務相)=AP

 次に、介入が近づいていることを示唆するために「大胆な行動」や「断固たる行動」について語り始める。その基準からすると、安住淳財務相が先週、「断固たる措置」を取る用意があると述べたことで一歩踏み込んだと、野村証券のチーフ為替ストラテジスト、池田雄之輔氏は言う。

 円相場の動きはこの2日間ほど落ち着いたとはいえ、先週は対ドルで日銀が昨年10月31日に為替介入を実施して以来の円高水準を記録した。直近の円高の原因は、米連邦準備理事会(FRB)が先月、2014年後半まで金利を引き上げる見込みはないと示唆し、円建て資産の魅力が相対的に増したことだ。それ以来、円は対ドルで2%以上も上昇した。

 その結果、市場は日本による新たな為替介入実施への警戒感を強めた。だが今回は、一連の発言が示唆するほど次の段階がどうなるか明白でないと、アナリストらは指摘する。


■介入促す条件は整わず


 財務省は介入する意思も能力も確かに備えている。第4次補正予算が今週、国会で可決されれば、財務省は70兆円規模の介入資金を手に入れる。昨年後半に実施した9兆1000億円の円売り介入額の8倍近くに上る金額だ。

 だが池田氏が指摘するように、財務省には昨年の3度の為替介入を支えた2つの重要な要素が欠けている。円・ドル相場の投機的な動き、それに介入とほぼ同時に実施されてきた日銀の金融緩和だ。

 日銀の白川方明総裁は先月の金融政策決定会合で、目標金利を事実上ゼロに据え置く一方、日銀による資産購入の拡大を手控えた。昨年10月の介入以降、円はドルに対して比較的狭い範囲で取引されており、ボラティリティー(予想変動率)も低い状況が続いている。
 バークレイズ・キャピタルのチーフ為替ストラテジスト、山本雅文氏(東京在勤)は「(介入の)引き金が引かれるには、急激かつ無秩序な動きが起きなければならない」と言う。


■他国の批判をかわせるか


 さらに財務省は、昨年8月と10月のように単独介入に踏み切れば、米国を怒らせる恐れがあることを承知している。

 米国は昨年12月、日本が単独で円売り介入を実施したことを非難し、日本はむしろ経済の「ダイナミズム」を強化する対策に集中すべきだと語った。JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏は「日米間の摩擦は円相場が1990年代半ばに急騰した主な理由の1つだった」と指摘する。





金融政策決定会合後に記者会見に臨んだ日銀の白川総裁(1月24日)=ロイター


 アナリストらによれば、1ドル=75円という節目が重要な試金石になるかもしれない。外国為替証拠金(FX)取引を手がける日本の個人投資家の多くは、この水準でストップロス(損切り)注文を設定している。つまり円相場が1ドル=75円を突破すると、こうした投資家はポジション(持ち高)の解消を余儀なくされ、円の上昇圧力が増幅されるわけだ。

 そうなった場合も、政府は完全に他国の批判をかわすことができないかもしれない。追加の円安誘導策を取り入れるように日銀への圧力を強める策など、代替戦略に対する各国財務相の関心が高まっていると市場が感じているのはこのためだ。


■日銀の金融緩和に期待の声


 白川総裁は今月6日、日本経済が直面している問題に対処するため、日銀は「適切な措置を講じる」と述べた。日銀が金融緩和に対する強い決意を示せば、「国際的な緊張は避けられるだろう」と、バークレイズの山本氏は言う。

 国際通貨基金(IMF)の高官は先週、日銀に緩和策を拡大するように提言した。日銀の元副総裁、岩田一政氏(現在は政府顧問)は日銀が円高を食い止めるために外貨建て資産を購入する「危機予防」基金を設立すべきだと提案した。

 こうした提案の背後にあるのは、異様な状況には異様な手段が求められるという論理だ。何しろ財務省の統計は、外国人投資家が引き続きユーロ圏の危機から逃れる避難先として、日本国債に殺到していることを示している。国内投資家も円資産にしがみついている。

 今年度の外債投資(純額ベース)は累計5兆8000億円で、08年度を除けば、05年度以降のどの年の実績も大きく下回っていると、UBSは指摘する。

 もちろん財務省の発言には引き続き耳を傾けるべきだと、アナリストらは口をそろえる。しかし円・ドル相場に最大の影響を与えるのは、安住財務相の発言ではなく、むしろ白川総裁の行動かもしれない。

By Ben McLannahan and Alice Ross

(翻訳協力 JBpress)


(c) The Financial Times Limited 2012. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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NY株反発、3年8カ月ぶり高値 ギリシャ不安が後退

2012年02月08日 08時03分04秒 | 為替
7日の米株式相場は反発し、ダウ工業株30種平均は前日比33ドル07セント(0.3%)高の1万2878ドル20セントと2008年5月19日以来の高値で終えた。ギリシャの次期金融支援を巡る協議が前進するとの期待から次第に買いが優勢になった。市場予想を上回る四半期決算を発表した飲料大手コカ・コーラが買われたこともダウ平均を押し上げた。

 欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)から次期金融支援を受ける条件である新たな緊縮策を巡り、ギリシャの連立与党の協議が近くまとまると米メディアが報じた。ギリシャが無秩序な債務不履行に陥り金融市場が混乱するとの懸念がやや後退。「公益事業」など出遅れ感のある業種の銘柄に買いが入った。

 コカ・コーラが発表した2011年10~12月期決算は大幅減益となったが、販売数量は世界の全地域で増加。売上高、1株利益ともに市場予想を上回ったことが好感され株価はダウ採用銘柄で上昇率上位に入り、指数を約4ドル押し上げた。

 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が米議会上院で証言し米雇用について「緩やかに増加している」と述べた。証言内容は新味に乏しいとの見方から株式相場の反応は限られた。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は前日比2.09ポイント(0.1%)高の2904.08で終えた。アップルなど主要銘柄に買いが入る一方、指数が約11年ぶりの高値圏にあることから一部で利益確定売りが出て上値を抑えた。

 業種別のS&P500種株価指数は10業種中7業種が上昇。「公益事業」や「エネルギー」、「一般消費財・サービス」の上昇が目立った。一方、「素材」や「金融」などが下げた。売買高はニューヨーク証券取引所(NYSE)が約7億3000万株(速報値)、ナスダック市場が約17億5000万株(同)だった。

 増配を発表したクレジットカード大手マスターカードが連日で上場来高値を更新。前日夕に発表した四半期決算が市場予想を上回ったファストフード大手ヤム・ブランズも上げた。通常取引終了間際に取締役人事などを発表したインターネット検索のヤフーは小幅高。ダウ平均構成銘柄ではマクドナルドが上昇率首位。通常取引終了後に四半期決算の発表を控えた映画・娯楽のウォルト・ディズニーも上昇した。

 一方、四半期決算が大幅な減益だったスイスの金融大手UBSが下落。増益決算と増配を発表した英石油大手BPも下げて終えた。
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