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<教職員処分規定> 橋下大阪市長「職務命令無視、許さない」

2012年02月10日 08時16分01秒 | 行政
 全国的に論議を巻き起こしてきた大阪の教育基本条例案。府教育委員らの反対で一部修正されたものの大筋で「大阪維新の会」の原案に近い内容となった。「教育目標は首長が決定」のほか、君が代起立斉唱を想定し、「同一の職務命令に3回違反すれば分限免職」とする規定など、成立すれば教育現場に大きな影響を与えそうだ。【田中博子、遠藤拓、柳澤一男、木村健二】

 君が代斉唱を巡って府内では従来、事前に起立しない意思を示した教員にだけ校長が職務命令を出し、府教委が懲戒処分(戒告)をしてきた。今年度の入学式で処分されたのは2人だけ。だが実際には27校38人が起立していなかった。府教委が処分を徹底しなかったのには「思想良心の自由にかかわる」という意識がある。

 一方、橋下徹大阪市長は8日も「公務員でありながら職務命令を無視し続けることは許されない」と譲らなかった。府教委幹部は「条例が施行されれば訴訟が多発するだろう。最高裁判例に照らせば、この基準では厳しい」と頭を悩ませる。

 「3年連続定員割れの府立高は再編・整備(統廃合)の対象とする」など、学校間の競争を促す規定も盛り込まれた。

 また教育目標は知事が府教委と協議して決定することになった。文部科学省は「知事の権限を越え、法に抵触する」との見解を示したが、知事に策定の責任がある「教育振興基本計画」の中で目標を設定すると規定することで、適法性を確保した。だが府教委が納得しない目標でも議会が認めれば設定できることになり、教育委員会制度そのものが問われる事態になる可能性もある。

    ◇

 1月の日の丸・君が代を巡る最高裁判決では、君が代斉唱時の不起立を巡って減給以上の処分に慎重な考慮を求める判決が出され、大阪の修正議論につながった。原告の一人で東京都八王子市の元中学校教諭、根津公子さん(61)は「修正案は最高裁判決を踏まえつつ、従来案よりも教員を抑圧する恐ろしい内容になった」と不信感を募らせる。

 一方、都教委の幹部は「現行システムへの問題提起になるのでは」といい、文科省幹部は「条例制定権は地方自治体にあり、国にうかがいを立てる仕組みにはなっていない。まだ国がとやかく言うような段階ではなく、調整を見守りたい」と話すにとどめた。