東京電力は5日、福島第1原子力発電所の敷地内で、約300トンの汚染水が漏れた地上タンクの南側で掘った井戸から、1リットルあたり650ベクレルの放射性物質を含む地下水を検出したと発表した。これまで漏れた汚染水は一部が海に流れ出たとみられていたが、東電は「汚染水が土壌に浸透し、地下水に到達した可能性がある」としている。
汚染水が地下水と混じり合った経路や汚染の詳しい規模などは不明だ。ただ、原子炉の建屋に流れ込む前に地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス計画」への影響が懸念される。
大量の汚染水が漏れたタンクの南側15メートルに掘った観測用の井戸で4日に採取した地下水からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質を確認した。タンクから漏れた汚染水の濃度よりも低く、東電は雨水などで薄まったとみている。今後、タンク周辺の別の井戸でも地下水を調べ、汚染の範囲を監視する。
地下水バイパス計画は原子炉の建屋地下に1日400トン流れ込む地下水を減らすため、建屋の山側にある12本の井戸から地下水をくみ上げ、海へ流すことを目指していた。今回、タンクの周辺で掘った井戸は、さらに山側に位置している。
土壌に染み込んだ汚染水が地下水バイパス計画用の井戸に混じれば、海に放流するはずだった地下水が汚染されてしまう恐れが膨らむ。
福島第1原発の敷地内には汚染水をためるタンクが並び、汚染水の量を抑えるのが喫緊の課題だった。政府は地下水バイパス計画を汚染水対策の柱の一つに挙げていた。東電は「汚染がないことを確認してから地下水を海に放水する」と説明してきたが、汚染水漏れの状況がさらに広がれば、長期間海へ流せなくなる恐れもある。
バイパス計画については地元の漁業関係者らが風評被害を恐れ反対していた。今回の事態を受け懸念が強まるのは必至。計画の見直しを迫られる可能性も出てくる。
汚染水が地下水と混じり合った経路や汚染の詳しい規模などは不明だ。ただ、原子炉の建屋に流れ込む前に地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス計画」への影響が懸念される。
大量の汚染水が漏れたタンクの南側15メートルに掘った観測用の井戸で4日に採取した地下水からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質を確認した。タンクから漏れた汚染水の濃度よりも低く、東電は雨水などで薄まったとみている。今後、タンク周辺の別の井戸でも地下水を調べ、汚染の範囲を監視する。
地下水バイパス計画は原子炉の建屋地下に1日400トン流れ込む地下水を減らすため、建屋の山側にある12本の井戸から地下水をくみ上げ、海へ流すことを目指していた。今回、タンクの周辺で掘った井戸は、さらに山側に位置している。
土壌に染み込んだ汚染水が地下水バイパス計画用の井戸に混じれば、海に放流するはずだった地下水が汚染されてしまう恐れが膨らむ。
福島第1原発の敷地内には汚染水をためるタンクが並び、汚染水の量を抑えるのが喫緊の課題だった。政府は地下水バイパス計画を汚染水対策の柱の一つに挙げていた。東電は「汚染がないことを確認してから地下水を海に放水する」と説明してきたが、汚染水漏れの状況がさらに広がれば、長期間海へ流せなくなる恐れもある。
バイパス計画については地元の漁業関係者らが風評被害を恐れ反対していた。今回の事態を受け懸念が強まるのは必至。計画の見直しを迫られる可能性も出てくる。