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心理診断「半沢直樹」でスカッとする人はなぜ二流か?

2013年09月10日 08時06分52秒 | ニュース
同じドラマでも一流のエリートと庶民とでは、その観方が全く異なることが判明! あなたはどちらだろうか。

■銀行関係者はみんな見ている

エリート銀行員の痛快な復讐劇を描いて大ヒットしているドラマ「半沢直樹」。「やられたらやりかえす。倍返し、いや10倍返しだ!」という決め台詞にしびれ、悪徳上司たちに逆襲するシーンで大いに溜飲を下げている視聴者が多いだろう。筆者もその1人だ。人事部次長の小木曽を徹底的にやりこめる場面ではガッツポーズで喝采した。

日本興業銀行に22年間勤務し、半沢と同じく融資課長を務めた経験のある岩崎日出俊氏は、銀行関係者のほとんどが「半沢直樹」を熱心に見ていると語る。

「実際には、海外資産をあんなに早くは押さえられないし、国税庁には基本的に勝てません。でも、銀行員から見ても80%以上のリアリティがあるドラマです。原作者の池井戸潤さんが三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)出身だからでしょう。事実は小説より奇なり、ですね」

ただし、岩崎氏の周りにいるエリート銀行員たちは「グッとくる」個所が筆者とは違うという。

「前半のドラマで大阪西支店融資課が発揮するチームワークは、現実の銀行業務に近いものがあります。半沢課長は部下を飲みに連れていって懐柔するのではなく、銀行員としての志と矜持を忘れずに働く背中を見せることで課を率いている。本来あるべき銀行員の姿を見せてもらい、『我々がやっている仕事はけっこう面白いのだ』と再認識した人が多いようです」

30代前半の頃から新卒採用の面接官もやっていた岩崎氏は、組織の仲間として迎え入れる基準は「志の有無」に尽きると断言する。

「銀行の採用面接には実に様々な人が来ます。志がなく、高給や安定、規則正しい生活を求めてくるような人はまず落ちますよ。銀行員の志とは、本当に必要としている人に正しくお金を貸して仕事や生活を助け、ひいては日本経済の活性化に役立つことです」

しかし、激烈な出世競争にさらされる過程で入行当時の志を忘れていく人も少なくない。「半沢直樹」では、不正の金を懐に入れて責任は半沢に押しつけようと画策する浅野支店長、その腰巾着として半沢をいじめる江島副支店長が登場する。
岩崎氏によれば、横暴な支店長をヨイショして出世を図る副支店長という構図は銀行では珍しくない。接待費を「行内接待」に使ってしまう人もいる。ドラマでも、浅野が人事部次長(小木曽!)と料亭で飲み食いするシーンが出てくる。だからこそ、志を貫いて上司や本店審査部とぶつかってでも真っ当な仕事をしようと努力する半沢の清々しさが際立つ。

一流の銀行員が「半沢直樹」に共感するポイントはほかにもある。勝てない戦はしないこと、だ。

「勝てる見込みがないときは、半沢直樹も悪辣な上司に『申し訳ありませんでした』と謝るだけです。ここもリアリティがありますね。銀行では出世して上にいかないとやりたい仕事もできないので、上司相手に無謀な戦いをするべきではないのです。ただし、相手が図に乗って脇が甘くなるときが必ずくる。半沢はそこを逃さずきっちり逆襲します。エリートだからその力もあるのでしょう」

半沢は剣道の達人でもあるという設定だ。暴力に対抗できるだけでなく、形勢不利のときは1歩引いて呼吸を整え構えを直し、相手の隙をうかがう精神力も持ち合わせている。

現実にはほとんどの人が半沢のようにはなれない。気概も実力も足りず、上司に歯向かうリスクに足がすくむ。リスクとは、ドラマでも描かれる左遷や出向である。

「40代からの出向は事実上の片道切符で、銀行に戻れる可能性はほぼありません。それでも給料の差額を銀行が補てんしてくれる在籍出向ならばマシです。給与水準が出向先と同じになる転籍出向になると、例えば1000万円の年収が場合によっては450万円に下がり、住宅ローンが回らなくなったりします」

大手銀行では3年ごとぐらいに異動があるのが普通だ。つまり、2年も待てば上司の異動か自分の異動によって相性の悪い上司と離れることができる。半沢のように反逆しなくても、じっと我慢していれば時の流れが救ってくれるのだ。

ただし、自分を貶めた憎い上司への恨みは晴れず、やるせない気持ちを抱えながら生きていくことになる。だからこそ、「半沢直樹」の復讐シーンでわずかに憂さ晴らしするのではないだろうか。そんな視聴者には同感するが、いかにも二流だ。半沢が行う融資業務の正しさや機を見て戦うしたたかさ、部下とのチームワークに共感を覚える一流の組織人との差を感じてしまう。


動画:半沢直樹 #08
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