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遺産の少ないあなたが、税務署に狙われる日 半世紀に一度の相続税大改正の衝撃

2015年02月10日 08時35分53秒 | お役立ち情報
 「税金は給料から天引きされていて確定申告の必要もないし、両親の保有する資産も多くないから相続税の心配もない。税務署なんて自分とは無関係の世界だ――」。

 そう思っているビジネスパーソンは多いのではないだろうか。

 だが、今後はそんなことを言っていられなくなる。理由は、1月1日に実施された相続税法改正だ。これまで5000万円+(1000万円×法定相続人の数)だった遺産にかかわる基礎控除が、3000万円+(600万円×法定相続人の数)に縮小された。非課税枠となる基礎控除が引き下げられたのは、現行の税制ができて初めて。半世紀に一度の大改正ともいわれている。

 今回の相続増税で新たに相続税の課税対象になる人は多い。首都圏の一軒家に住んでいてある程度の金融資産を持っていれば、ほぼその対象になるとする試算もある(小規模宅地等の特例などの適用は除く)。そうなると、相続税の申告・納税が必要になる。いやでも税務署と関係を持たなければならない人が増えるのだ。

 それだけではない。相続税は国税調査官が自宅に来て調査する「実地調査」の割合が飛び抜けて高い。2013年に相続税の対象となった被相続人(亡くなった人)は約5.4万人。それに対し、2013年7月~2014年6月に実施された実地調査の件数は1万1909件ある。法人に対する現在の実調率(調べなければならない対象に対する実地調査数の割合)が約4%といわれる中、相続税で調査に入る確率は格段に高いといえる。

 さらに注目すべきは、調査した事案のうち申告漏れなどが見つかった割合、いわば「ヒット率」が82.4%に上っていることだ。ここ10年以上、ヒット率は8割を切ったことがない。税務署にとって、相続税は”調査しがいのある”案件だ。

 だからこそ、納税者は税務調査、さらには実地調査が実際にどう行われているかをもっと知っておく必要がある。税務調査というと有無を言わさぬ強権が発動されるイメージがあるが、実態はそんなことはない。しっかりと準備しておけば、十分に対処できる。

 国税庁が今特に力を入れるのは、3事案ある。「無申告・富裕層・海外資産」だ。

 無申告については相続税で特に注意が必要だ。国税庁は相続税の申告が必要だと知らずに申告しないケースの頻発を恐れている。こうしたケースを防ぐため、「今年の改正で初めて申告対象となる層に向け、徹底的に周知・広報する」(国税庁資産課税課)と話す。

 まず今年の路線価が発表される7月までに、申告要否を簡単に判定できるシステムを国税庁のホームページ上に設ける。そして現在80ページ以上にのぼる申告書の書き方をまとめた冊子は、ページ数を4分の1程度に絞り、夏前後に税務署の窓口へ設置する予定。民間団体との連携も深め、税務署には税理士事務所が開く無料相談会の案内チラシを積極的に置き始めている。

 従来のように「相続増税を知らなかった」ではすまされない。納税者は制度の内容を理解し、税務署と向き合う準備を進めるべきだろう。たとえ“うっかり漏れ”であっても、無申告事案に実地調査が入ると、多くは加算税と延滞税が課される。知識を身に付け、自分の身は自分で守らなければならない。
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月収14万円「283万円払えない」 奨学金返せず自己破産、小倉北区の40歳フリーター

2015年02月10日 08時01分05秒 | ニュース


 高校、大学時代に借りた奨学金を返還できないとして、北九州市小倉北区のフリーターの男性(40)が福岡地裁小倉支部で自己破産の手続き開始決定を受けたことが分かった。男性には延滞金を含めて約283万円の返還義務があるが、「奨学金のために消費者金融などで借金しても返せない。そもそも多額の金を貸してくれない」と説明。識者は、非正規雇用などで若者の貧困が拡大すれば、今回のように奨学金返還のみでの自己破産申請が増える可能性を指摘している。

 男性は父親が事業に失敗した影響で、1990年の高校入学時から大学卒業まで日本学生支援機構から無利子の奨学金を借りた。高校時は毎月1万1千円、大学時は同4万1千円で、当初の返還期間は93年12月から2012年9月。多いときで年約16万円を返還する計画だった。

 だが、大学3年時に精神疾患を患ったこともあり、大卒後に就職できず、計9万2千円を支払っただけで滞納。アルバイトをして生計を立てる生活で、返還期間の猶予も受けたが、返せなかったという。昨年8月、返還を求めて機構が提訴。同11月、未返還の奨学金と延滞金の計約283万円の支払いを命じられた。

 男性は現在、二つのアルバイトをしており、収入は手取りで月約14万円。光熱費や家賃、家族への仕送りなどを差し引くと、生活費は2万円ほど。貯金はなく、返還のめども立たないことから、自己破産の申請に踏み切った。開始決定は今月4日で、債権者から異議申し立てなどがなければ4月にも破産が決まる。

 学識者や弁護士などでつくる「奨学金問題対策全国会議」(東京都)によると、奨学金返還のために消費者金融から借金するなどして多重債務に陥り自己破産にいたるケースは以前からあったが、最近は奨学金だけで自己破産するケースが出始めているという。

=2015/02/10付 西日本新聞朝刊=
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