日本共産党 前箕面市会議員 名手ひろきのブログ

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前箕面市会議員の名手ひろき(宏樹)のブログです。

「箕面のよりよい交通をつくる会」の第2回目総会 2.5キロの北大阪急行延伸に650億円! 

2016年02月28日 23時02分00秒 | 協力・共同
2月28日(日)
 「箕面のよりよい交通をつくる会」 の第2回目総会が午後2時から中央生涯学習センターで行われました。北大阪急行延伸計画が進められるなか、計画の見直し凍結を申し入れています。日本共産党の神田隆生議員が、延伸事業の事業費、問題点を報告しました。レジメをご紹介します。


 

2.5キロの北大阪急行延伸に650億円! 
周辺街づくりを含めれば400億円?!の箕面市負担
               日本共産党 

◇大きすぎる事業費と箕面市の負担―――北大阪急行線延伸にいくらかかるのか

(事業費) 
  事業費    土木費   軌道・機会設備費等   その他
2009年度積算  420億円 194億円  116億円 110億円
2013年度積算  600億円 342億円  146億円 112億円
 差し引き  180億円増 148億円増   30億円増   2億円増

(事業費の負担)
    国    大阪府・箕面市 鉄道事業者
 420億円 94.1億円  146.5億円 179.4億円
 600億円 260億円    100億円・160億円 80億円
 差し引き  +165.9億円   +113.5億円   -99.4億円

 事業費は、2009年度積算では420億円で、箕面市の負担が80億円程度とされていました。地盤の関係で2013年度積算では、600億円と大きく増額しました。これまでの事業手法ではなく、国の補助率が50%の社会資本整備総合交付金制度を活用することになり、600億円から鉄道事業者が負担できる80億円を引いた520億円の半分260億円が国負担となります。大阪府の負担は、事業費の六分の一の100億円です。残された160億円が、箕面市の負担となります。あわせて、増嵩リスクは、全て箕面市の負担になっています。
その上、10輌3編成、計30輌の車輌購入費が50億円も税金で賄われます。半分の25億円が国から交付され、後の半分25億円が箕面市の負担となります。
箕面市の負担は、合計185億円です。

◇鉄道事業者の負担が少なすぎるのでは
 鉄道事業者が負担できる金額とされているのが80億円です。受益の範囲とされ、将来の料金収入で鉄道事業者が回収できるとされている額が80億円です。
 それを、新線加算運賃(70円?)を現行運賃に上乗せして回収します。将来とは30年です。事業費600億円全額を料金収入のみで回収しようとすれば225年かかります。
2009年度積算では、鉄道事業者の負担は179.4億円でした。
 10輌3編成、計30輌の車輌購入費が50億円も税金で賄われます。半分の25億円が国から交付され、後の半分25億円が箕面市の負担となります。
また、「千里中央駅から箕面船場駅手前までの区間は北大阪急行電鉄株式会社が整備し、それ以北については市がインフラ部、北大阪急行電鉄株式会社がレールや電気設備などインフラ以外の鉄道設備を整備するという役割分担を予定している」とされています。しかし、市が保有する船場駅と以北のインフラ部の維持管理費用や改修・建替え費用の負担について、明らかにされていません。

◇新線加算運賃で高くなる交通費、どうなる?
北千里・千里中央への既存バス路線
少なくとも30年間は、運賃に新箕面駅や箕面船場駅から乗車すれば新線加算運賃が料金加算されます。
(想定運賃)新線加算運賃80円(北急の初乗り運賃が90円)
       新箕面駅  箕面船場駅  千里中央駅  梅田駅
  距離     新箕面駅
1.2キロ 箕面船場駅  170円
1.3キロ 千里中央駅  200円  170円
     梅田駅    480円  460円 360円

 北千里駅や千里中央駅への既存バス路線も再編されて、大きく減便される可能性があります。
北大阪急行延伸線駅周辺以外の既存バス路線利用者にとっては、バス減便で不便になるか、新箕面駅を利用して高い料金を払うかの選択となりかねません。

◇箕面市の負担はどうなるの?
 「箕面市の負担想定額185億円は、62億円の直接事業費と123億円の市債で構成される。このため、延伸事業に必要な資金は、185億円に市債の金利分(29億円)を加えた額となる。」と説明されています。つまり、214億円です。
 市債の償還期間は20年で、平成29年度から52年度の間に、毎年1億円から8億8千万円の金額を償還する試算が出されています。
 財政基本条例を制定し、北大阪急行線延伸に必要な支出については、原則として競艇事業収益金と北急延伸基金で賄うルールを定めています。
 競艇事業収益金が年間6億円あれば、償還期間の完了まで、一度も北急延伸基金が底をつくことなく、競艇事業収益金と北急延伸基金のみで支出を賄えるとしています。
 しかし、競艇事業収益金は、これまで様々な用途に活用されており、その分の負担は一般会計にかかることになります。

◇駅周辺街づくりに約100億円
 新箕面駅や船場駅に構想している施設については、約98、1億円で、都市計画道路の整備に24、3億円、新箕面では「子育て支援センター」等に8、1億円、箕面船場では公共ホールを備えた「関西スポーツ科学・ヘルスケア総合センター(仮称)」に65、7億円と想定し試算しています。事業手法は、PFIやPPPが想定されています。
 「にぎわい」が強調されていますが、にぎわえば人や自動車等の往来が増えるということです。船場東地域以外は、閑静な住宅地として発展してきました。

◇大阪大学箕面キャンパスの船場移転に100億円?!
 平成27年6月、大阪大学と箕面市は、大阪大学箕面キャンパス(粟生間谷地区)を船場地区へ移転することについて、「覚書」を交換しました。
箕面市は、今年平成28年4月に「合意書締結」めざして、3,000万円かけて大阪大学箕面キャンパスの船場地区への移転プロジェクト検討業務委託をしています。
検討内容は、
・図書館など大阪大学と供用できる施設に関する検討(建物規模、整備手法の検討) 
・移転に関する事業スキームの検討 
・事業費の積算 
・財政シュミレーション等と、箕面市は説明しています。
 この委託事業には、阪大箕面キャンパスをどうするのかという検討内容は含まれていないということです。しかし、箕面キャンパスは箕面市が保有する方針です。何に活用するのかは未定です。維持管理だけでもお金がかかります。

◇北大阪急行線延伸と駅周辺街づくり事業を凍結。
 すべての情報を公開して住民投票を

 平成27年12月25日に北大阪急行延伸計画が、国土交通省に認可されたと報道されました。平成27年度中に基本協定締結、4月に大阪大学箕面キャンパスの移転に係る基本協定書締結が予定されています。
 北大阪急行線延伸事業は、2009年度積算では、事業費420億円、箕面市の負担が80億円程度と見込まれていました。ところが、2013年度積算では、事業費600億円、箕面市の負担が160億円と2倍化しています。そのうえ、二分の一の車両費負担が25億円。合計185億円に膨れあがっています。駅周辺街づくりに約100億円、さらに大阪大学箕面キャンパス船場移転に数十億円。400億円におよびかねない負担です。事業と事業費が、大きく膨らんでいくことは明らかです。しかし、事業と事業費の全体像は不明確です。これらを明らかにして市民の意思を問うべきだと考えます。
全国に先駆けて、1997年に「市民参加条例」を制定した箕面市です。第八条で「市長は、市民の意思を直接問う必要があると認めるときは、市民投票を実施することができる。」としています。市民投票=住民投票で市民の意思を問うべきではないでしょうか。
 
               日本共産党 箕面市会議員 神田隆生 作成

               電話・FAX 724-6702 市議会控室
               日本共産党箕面市会議員団 
                 神田隆生  名手宏樹