hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

『久我山歳時記』㊿〜秋は露、春は雪

2024-10-08 05:00:00 | 日記
『久我山歳時記』㊿、秋分の日を越すと暑さの度合いが変わる。それ以前は酷暑日(最高気温35℃以上)が続いていたが、最近は最低気温20℃、最高気温28℃くらいとかなり過ごしやすくなってきた。

10月8日は『寒露』、夜が長くなり、露が冷たく感じられる頃という意味。まだ、朝夕の冷え込みといっても精々20℃ぐらいだが、半袖ワイシャツではふと寒いと思うことも。



(蜜を吸うイチモンジセセリ)

さらに細かく分けた七十二侯では『鴻雁来』(こうがんきたる)〜10月12日』『菊花開(きくのはなひらく)〜10月17日』『蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)〜10日22日』となる。なお、蟋蟀とあるのはコオロギのこと、昔はキリギリスと呼ばれていたからである。まあ、菊は咲き始め、コオロギの鳴き声は聞かない日はないので強ち間違ってもいない。

気になったのは二十四節気の2つ前は『白露』、そして今回が『寒露』と2つも『露』の字が使われている。実は百人一首にも『露(つゆ)』を詠んだ句は多く、全て秋の句。『秋の田のかりほの庵の笘をあらみわが衣手らは露に濡れつつ』(天智天皇)をはじめ『白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける』『契りおきしさせもが露をいのちにてあわれ今年の秋もいぬめり』『村雨の露もまだ干ぬまきの葉に霧たち登る秋の夕暮れ』の4首もある。

蛇足だが、蟋蟀が入った句ならば『きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む』がある。実は百人一首には『ホトトギス』『白鷺』『鹿』『かささぎ』など動物が何首にも登場する。

(ホトトギス)

久我山界隈を歩くと確かに季節は移ろい、秋は深くなってきている。例えば街路樹の葉の色は黄色くなってきたり、壁一面を覆っていた葉も葉柄が伸びて落ち始めている。


ただ、紅葉が進んだのかというほどもみじもイチョウも色づく気配はなく、また香りで秋を実感させてくれる銀木犀も金木犀も花はまだついていない。柿畑もまだ実は青いものが大宗、実りの秋にはまだ時間がかかりそうだ。





通勤路に生えている葡萄はようやく色がつき始め、紫色になって来ているが、柿や郁子などはまだまだ緑色のまま。やはり酷暑のせいか紅葉も遅れ気味で間違いなく楽しめるのは12月らしい。

よく言われることだが、四季のある国から二季の国に変わりつつある、もっと言うと五季(春、夏、酷暑、秋、冬)になってしまったのかも知れない、