秋も深まり、祭りが各地で行われている。勤務している日本橋小舟町(正確には隣町)では毎年恒例のべったら市が10月19・20日の両日に行われる。しかも毎年同じ日に開催されるのだが、今年は偶然週末と重なったのである。その開催前の風景を見てきた。
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べったら市は元々は10月20日の恵比寿講の前に道具や供物の鯛、恵比寿大黒の像などを売る市であった。そのうちに大根の浅漬けを売るようになったのだが、若い衆が女性をからかいながら大根の漬物を振りながら売り、漬物に付いた麹が服にベッタリつくが転じて『べったら市』となったともいわれている。
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神社は地下鉄小伝馬町駅からすぐの所にある寳田恵比寿神社という普段はこじんまりしている神主もいない無人の社である。
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ただ、べったら市の時は御朱印も出るし、神社入口には大きな赤い提灯も吊るされる。
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(昨年の様子)
社の前の恵比寿通りにはべったら漬を売る露店が並び、『皮あり』『皮なし』以外に葉っぱの部分も売っている。パッケージは匂わないようにパック詰のものもあれば、大根漬けをそのまま紙にくるんで渡される店もある。また、面白いくらい店により味が違い、甘いのもあればあまり甘くないのもある。コロナも癒えたので味見の上買うことができるので好みの物を買うことが可能。
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(昨年の様子)
他にもお好み焼やたこ焼き、綿菓子などたくさんの露店が出るが、周辺の商店も趣向を凝らした出店をしていて、昨年私はは佃煮と靴下を購入した。出店準備を早々始める人もいる。たくさんの提灯が並び賑やかである。
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実はもう一つ恵比寿様を祀る神社、椙森神社付近にも露店が多く出る。椙森神社(すぎのもり)は1466年に太田道灌が雨乞いの霊験があると山城国稲荷山五山を勧進して祀ったもの。江戸時代には江戸三森(椙森、柳森、烏森)と呼ばれ、庶民だけでなく、松平信綱など大名からの崇敬も集めた。また、富籤でも知られていた。
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こちらの神社は境内も広く、周囲には人形町の老舗である魚久や人形町今半、芳味亭なども出店、これを目当ての客も多く、特に魚久の切り落としには100m以上の列ができることもある。露店を出すエリアには屋根も設けられ、準備万端である。
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でも今年はこれだけではない。江戸街道プロジェクト実行委員会が中心となり、べったら市会場近くの堀留児童公園(中央区日本橋堀留町)で将軍家の指南役を務めた小笠原流の継承者が19、20日に特設の会場で流鏑馬を披露してくれることになったのである。それぞれ12時40分、14時40分から2回ずつ開催される。
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その会場を下見してきたのだが、公園の真ん中に砂を敷き詰め、的を立てる台も置かれていた。
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それぞれ先着200名ずつなので早く行かないと見れないかもしれないが。ちなみに当社事務所からはよく見えるのである。
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人形町はわくわくする週末を待っているようである。もし、お時間が許せばぜひべったら市&流鏑馬を見に足を運んで下さい。私も行きたいと思います。