『鉄道シリーズ』その256。最近、『大正・昭和の建築物』巡りにはまっているが、今回は『レトロ駅舎訪問』として東武伊勢崎線堀切駅を訪ねた。
場所は浅草駅から各駅停車に乗り、曳舟駅の2つ先、北千住駅の2つ手前にある。開業は1902年と120年近い歴史を誇るが、1905年に休止、1908年に廃止された。しかし、荒川の改修工事に伴い、東武伊勢崎線が移設された1924年に新たに現在の場所に移設されて復活したのである(元の駅は荒川放水路の真ん中あたりに沈んでいる)。
『堀切』は実は荒川の対岸である葛飾区の地名で京成線堀切菖蒲園駅はそちらにある。そのため同じ『堀切』がつくからと言って、この駅から歩くと20分はかかる。というのも元は荒川の東側に駅舎があり、開業当時は堀切地区から近かったためのようである。
堀切駅に話を戻すと荒川堤防の横に位置し、降りると目の前に隅田水門がそびえる。駅舎は構内には跨線橋や地下通路はなく、東側と西側に1つずつある。これを結ぶのが改札口外の跨線橋、可愛らしい木造の駅舎だが、築年は不明。ホームは北千住駅に向かって大きく左に弧を描いている。
ひっきりなしに通過電車は通るが、日中はほぼ10分おきにしか停車する普通電車は来ない。
この駅は金八先生のロケに時々使われたことがあるらしいが、屋根や壁は改修されていてそれほどのレトロ感はない。ただ、跨線橋からは荒川放水路も見え、下を走るスペーシアの写真も撮ることができる。
一方で駅前にはコンビニやタクシー乗り場などはなく、都会から近い割にはのんびりした雰囲気のある駅である。近くには上り線と下り線の大きく離れた鐘ヶ淵駅や名前が何度も変わった東向島駅など面白い駅も多い。また、お隣の牛田駅との駅間は東武伊勢崎線では最も短い0.8kmしかない。