『鉄道シリーズ』その258。今回は東武東上線ときわ台駅を訪問。そこにはまさにレトロ感溢れる駅舎がある。現在の北口駅舎は2018年5月にリニューアルされたものだが、1935年の開業当時のデザインを出来る限り精密に再現したもので青色スペイン瓦の三角屋根や大谷石の壁面を残し、薄緑に塗装された建物は風情がある。さらに駅名板も特製である。
ときわ台駅は1935年に武蔵常盤駅として開業、1951年に現在の名前に改称している。
今回のリニューアルにあたり、駅舎の大谷石の壁を使い、『武蔵常盤小径』と名付けてこの街の成り立ちを写真などを使い説明するミニ資料館的なものが作られた。最初の写真は開業当時の駅舎である。なるほどリニューアル後にそっくりである。
次に東武鉄道により分譲を開始した1931年から行われた常盤台住宅地について説明されている。当時、東急が田園調布や日吉を開発したように駅を中心に放射状に広がる住宅地。
その特徴は楕円形の周遊道路が作られた。当時としてはモダンな郊外型住宅地であり、太平洋戦争前の短かった平和な時が彷彿される。
さらに帝都幼稚園や斯波家住宅などの紹介、散歩マップなどもある。ときわ台駅前には楕円形のロータリーがあり、その中には今は大きくなった木木が公園のように立つ。
可愛らしい時計台や花壇も美しく、他の東上線の駅とは一線を画している。リニューアルにより作られたレトロ駅だが、その美しさは一見する価値はある。