outdoor life by mizota

ヨットでのクルージング日本の名山に登るキャンピングカー旅ダイビング野鳥撮影ジギング等溝田正行がした事する事を報告します

少し疲れが出ています

2007年05月11日 13時16分59秒 | ヨット世界一周クルージング
一昨日ここボリナオハーバーに入港してから美由紀が突然「潔癖症」になっています。海上航海中はそんなことを言っていたのではヨット
は進みませんが安全な港に入ると突然のように普通の日本人となります。

世界人口の1パーセントに当たる5千万人が保菌者と言われる「アミーバ赤痢」の殆どを占めているフィリピンは世界中にある伝染病の
超保有大国で「外貨は無いけどあらゆる病はあるぞ」と自慢できるほどの国でもあります。際立って多いのがほかに結核でこれも人口の
2割くらいだそうです。

もちろんエイズ、腸チフス、パラチフス、コレラ、ペスト、狂犬病、マラリア、フィラリア、ツツガムシ、などなど極めて普通で誰も驚
いてくれないほど一般的にあるのですが・・ちょっと見た限りでは皆健康そうだから不思議でもあります。実際これほどイッパイの病気
がありながら80歳以上の人も見かけるから人は何処に生まれても「寿命」と言うか「運命」的なものがあるのかも・・と考えたりして
しまいます。
しかし平均寿命となると50代だから僕がフィリピンに生まれ育っていたとすれば現在生きている確率はかなり低かったでしょう。


前回の美由紀の場合は初めての発病であり「血の下痢」と言うのはかなりショックですぐにセブまで出て最高の病院を探し治療を受けたの
ですが二度目ともなると落ち着いたものでフィリピンに長く居てやっと「一人前」になったと言う感じさえしています。病気の診断は簡単
で血とニオイに特徴があるのだそうで「ウンチ」を見て匂いを嗅げば病理検査をしなくても間違いはないそうです。

薬は米国製で(殆どどんな薬も)米国が長く統治に近い形でフィリピンを治めながらこれほどの伝染病をどれ一つ退治しようとしなかった
背景に製薬会社の献金があったのでは・・と想像してしまう位薬局の数と米国製薬剤の需要が多い国でもあります。


しかし一般的フィリピン人家庭は貧しくその薬さえ買えない多くの人たちがいます。例えば犬に噛まれたとします。フィリピンの犬は狂
犬病を持っているのは普通で2000年の美由紀が犬に噛まれた時に聞いたところによればビサヤ諸島だけで500人ほどが薬が買えず
死んでいるそうです。狂犬病は噛まれてから5日以内に一度目の注射をし二週間後?に二度目の注射をすれば100パーセント助かりま
す。しかしその薬が一回分日本円にして8千円ほどします。二回で1万六千円となるとお金の都合が付く人は限られます。そこで殆どの
人は噛まれた後、噛んだ犬を監視します。狂犬病の潜伏期間は犬も人間も同じで一週間だそうです。数日で犬が発病した場合は親戚、友
人知人を頼ってお金を借りて注射をするそうですがそこでもお金の都合が付かない人がいます。それと犬の発病が遅く注射が間に合わな
い場合も発生します。そんなことで狂犬病のように注射をすれば絶対に助かりしなければ絶対に死ぬ病気でも薬が買えず死んで行く人が
後を絶ちません。


世界の豊かな国から色々な援助をしても下々まで届
かず途中で消えてしまう現実があります。例えば日本で古い衣料品などを送っていますがそれらは無償で貧しい人たちに配られることは
絶対になく、届いた時点から商品としてセリにかけられ(そのお金は一部の人たちの懐に入る仕組み)分散されて各地で販売されていま
す。実際に各地に分配するには流通の為の費用が掛かると言えばそれまででもありますがこの国の中でも特に貧しい人たちの手に入るこ
とはなく、一部の人たちの懐を肥やしている程度と言えないこともありません。


しかし衣料品の絶対数が増えることによって、その又古着がより下の人たちに回る可能性はありますから全く無駄ではないかも知れませ
ん。まあヒドイと言えばヒドイ国ですがホロホロが数年を過ごしたように少しお金があれば愉しく暮らせる国でもあり、外国人の我々は
できるだけ深く考えず「良いところ」だけを見て利用して過ごすのが一番でしょう。そんな国フィリピンともまもなくお別れです。


色々なことはあったけど多くの愉しい思い出が語り尽くせないほどあります。美味しくて安い果物も忘れられないものでしょう。日本に
帰れば懐かしくまた来たくなることでしょう。人から「どんな国?」と聞かれたら迷わず「愉しく面白い国です」と答えるでしょう。
1993年5月4日に日本を出港してホロホロが今までに寄った国は59カ国。その中でフィリピンはヨットで暮らすなら5本の指に数
えることが出来る面白い国でした。税関やイミグレーション職員に何度もたかられ、今赤痢にかかり血を流していますが心からフィリピ
ンに「ありがとう」といえます。


この国に来ると間違いなく日本人には馴染みにくいいろんな事が起きるでしょうが恐れることなくフィリピンを多くの日本人に訪れて欲
しいとおもいます。

昨日、一昨日と夜にかなりまとまった雨が降り清水タンクを潤してくれます。
多量の出血の為か久しぶりの航海のせいか少し疲れが出てゴロゴロと過ごしていますが数日すれば復活するでしょう。
コメント (1)
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