ネグロス島バイスを出てからここまでの航海を振り返ってみました。これからフィリピン経由で日本に帰るヨットの参考になれば・・
日本に向かって航海するのに一番に考えたことはレーダーが壊れて使えませんので島が少ない側を月の明かりで航海するのが安全と判断しました。 二番目に考えた事は五月の中頃までは東北東の風が吹く確率が高いことです(チャートテーブルを参考にした)。そして三番目に台風発生時の避難場所でした。これら三つの要素を考え決定したコースが今回進んできたコースであります。予定通り東北東の風が吹いていてくれれば楽な航海だったと思いますが残念ながら今年の場合少し時期が遅くこのコースを進む適期は4月初めから中頃だったと反省しています。
4月29日にバイス(9度35分N 123度09分E)を出たのは北東の風が期待できたからです。バイスからドマゲティ沖までは南東に進みその後バイスへは西南西が進路で距離は約40マイル。風は全行程横または後ろからで楽な航海でした。7時出発15時到着。
5月2日ボンボノン(9度04分N 123度08分E)は準備が整い東風を確認して7時に出港しました。目的地のパナイ島まで東側に島があり西はスル海で東風が主体の
時期には波も大きくならず後ろまたは横風を想像していましたが午前中はENEでしたが気温が上がるにつれてシーブリーズ(太陽の熱で陸の温度が上がり気温が低い海から高い陸に向かって吹く風)の南西に変わりました。波も大きくならず
予想外の方向の風でしたが横風を受けて15時までは快適でした。その後スコールで風が回り落ち着いたのは北東の風でクローズホールドながら一晩中風とエンジンを利用して走りました。ホロホロは登りが悪い船なのでクローズホールドになるとエンジンは絶対に必要なのです。久しぶりのオーバーナイトは月の明かりも強く所々にある「シイラ寄せ」のブイも視認できました。5月3日7時当初の目的地サンホセ デ ブエナビスタでなく南端の灯台がある島の横に到着。目的地を変更した理由はミンダナオ島の西側にある低気圧が少しながら発達したのでもしもそれ以上の発達があった場合確信が持てる以前に行ったことがあるハリケーンホールのイロイロリバーに近いからです。120マイル。
5月4日良く眠れたのと低気圧が安定しているので7時にパナイ島南端を出港(10度25分N 121度55分E)ほんのしばらくは東北東の風でしたが風は北に回り北北西に向かうホロホロにはクローズホールドの風を受ければ遠回りのコースしか得られずセールを降ろしてエンジンで進みました。 途中シイラ寄せの明かりは点いていないけど結構大きなブイが沢山あり、月も雲に入ったり出たり雨も降ったりで結構厳しい航海でした。5月5日10時島との間の海峡を抜けてミンドロ島サンホセの町の沖にアンカー(以前来た時にアンカーした場所)。125マイル。台風の避難港ながらここは大型のアウトリガーが多くまた安全な港内が狭いので喫水が深いモノハルヨットは避難が難しいです。カタマランなら大丈夫ですが。
5月6日 サンホセ(12度20分N 121度55分E)を朝7時出港。普段は六時に出港するのですが7時になることが多いのは朝の無線に出るためでこれもその日の行程で到着が10時から14時の太陽が上のほうにあってマストに登ればリーフなどが確認し易い時間に到着できることが基準になっています。海図はほぼ信用できますが視認が一番だからです。(思い通りにはなかなか行きませんが・・)この日の風は南西から徐々に西となりましたがやや北に寄りながら進みました。風は弱く機帆走で翌朝の日の出はルバング島の南でした。 ここで赤痢症状が出ました。 もう一晩走って昼頃タイフーンホールのマタルビ(15度30分N 119度55分E)に入港を予定していたのですがマタルビに大きな病院が無いので目的地をもう少し北の同じくハリケーンホールであるボリナオに変えました。マタルビからボリナオまでの距離は航海を一日延長するには近く同じ日に入るには遠い距離で発病した時からスピードを調整しはじめました。風は朝はENEでそのあと西に変わり北西から北、北東と回りましたが3~4ノットで二日後の昼に到着するよう考えたのです。 ところが北に向かって流れる海流が強くなり始め進路を保つには一定のスピードも必要となり艇速は5ノットで無数に居るイカ釣り漁船の間をくぐっているうちにボリナオ沖に3時ごろ到着。知らない港に夜間入港はしたくないので
沖でヒーブツー(セールに裏風を入れて舵を反対に切ると船は余り動かず安定する)して朝を待ちました。5月9日(3オーバーナイト)午前九時ボリナオ入港。(16度23分N 119度54分E)290マイル。
と、まあこんな具合の航海でした。途中に発病があったもののまあほぼ予定通りと
言えない事もありません。バイスからここまでの航海距離は約580マイル(海の1マイルは陸のマイルと違い約1.8キロ余り)徳島までの25パーセント以上進んだことになります。
でもいろいろありますよね~・・航海はやっぱり人生と言った感じです。明日はボリナオについて書いてみます。バイスやボンボノンとは全く違うんですよ。
日本に向かって航海するのに一番に考えたことはレーダーが壊れて使えませんので島が少ない側を月の明かりで航海するのが安全と判断しました。 二番目に考えた事は五月の中頃までは東北東の風が吹く確率が高いことです(チャートテーブルを参考にした)。そして三番目に台風発生時の避難場所でした。これら三つの要素を考え決定したコースが今回進んできたコースであります。予定通り東北東の風が吹いていてくれれば楽な航海だったと思いますが残念ながら今年の場合少し時期が遅くこのコースを進む適期は4月初めから中頃だったと反省しています。
4月29日にバイス(9度35分N 123度09分E)を出たのは北東の風が期待できたからです。バイスからドマゲティ沖までは南東に進みその後バイスへは西南西が進路で距離は約40マイル。風は全行程横または後ろからで楽な航海でした。7時出発15時到着。
5月2日ボンボノン(9度04分N 123度08分E)は準備が整い東風を確認して7時に出港しました。目的地のパナイ島まで東側に島があり西はスル海で東風が主体の
時期には波も大きくならず後ろまたは横風を想像していましたが午前中はENEでしたが気温が上がるにつれてシーブリーズ(太陽の熱で陸の温度が上がり気温が低い海から高い陸に向かって吹く風)の南西に変わりました。波も大きくならず
予想外の方向の風でしたが横風を受けて15時までは快適でした。その後スコールで風が回り落ち着いたのは北東の風でクローズホールドながら一晩中風とエンジンを利用して走りました。ホロホロは登りが悪い船なのでクローズホールドになるとエンジンは絶対に必要なのです。久しぶりのオーバーナイトは月の明かりも強く所々にある「シイラ寄せ」のブイも視認できました。5月3日7時当初の目的地サンホセ デ ブエナビスタでなく南端の灯台がある島の横に到着。目的地を変更した理由はミンダナオ島の西側にある低気圧が少しながら発達したのでもしもそれ以上の発達があった場合確信が持てる以前に行ったことがあるハリケーンホールのイロイロリバーに近いからです。120マイル。
5月4日良く眠れたのと低気圧が安定しているので7時にパナイ島南端を出港(10度25分N 121度55分E)ほんのしばらくは東北東の風でしたが風は北に回り北北西に向かうホロホロにはクローズホールドの風を受ければ遠回りのコースしか得られずセールを降ろしてエンジンで進みました。 途中シイラ寄せの明かりは点いていないけど結構大きなブイが沢山あり、月も雲に入ったり出たり雨も降ったりで結構厳しい航海でした。5月5日10時島との間の海峡を抜けてミンドロ島サンホセの町の沖にアンカー(以前来た時にアンカーした場所)。125マイル。台風の避難港ながらここは大型のアウトリガーが多くまた安全な港内が狭いので喫水が深いモノハルヨットは避難が難しいです。カタマランなら大丈夫ですが。
5月6日 サンホセ(12度20分N 121度55分E)を朝7時出港。普段は六時に出港するのですが7時になることが多いのは朝の無線に出るためでこれもその日の行程で到着が10時から14時の太陽が上のほうにあってマストに登ればリーフなどが確認し易い時間に到着できることが基準になっています。海図はほぼ信用できますが視認が一番だからです。(思い通りにはなかなか行きませんが・・)この日の風は南西から徐々に西となりましたがやや北に寄りながら進みました。風は弱く機帆走で翌朝の日の出はルバング島の南でした。 ここで赤痢症状が出ました。 もう一晩走って昼頃タイフーンホールのマタルビ(15度30分N 119度55分E)に入港を予定していたのですがマタルビに大きな病院が無いので目的地をもう少し北の同じくハリケーンホールであるボリナオに変えました。マタルビからボリナオまでの距離は航海を一日延長するには近く同じ日に入るには遠い距離で発病した時からスピードを調整しはじめました。風は朝はENEでそのあと西に変わり北西から北、北東と回りましたが3~4ノットで二日後の昼に到着するよう考えたのです。 ところが北に向かって流れる海流が強くなり始め進路を保つには一定のスピードも必要となり艇速は5ノットで無数に居るイカ釣り漁船の間をくぐっているうちにボリナオ沖に3時ごろ到着。知らない港に夜間入港はしたくないので
沖でヒーブツー(セールに裏風を入れて舵を反対に切ると船は余り動かず安定する)して朝を待ちました。5月9日(3オーバーナイト)午前九時ボリナオ入港。(16度23分N 119度54分E)290マイル。
と、まあこんな具合の航海でした。途中に発病があったもののまあほぼ予定通りと
言えない事もありません。バイスからここまでの航海距離は約580マイル(海の1マイルは陸のマイルと違い約1.8キロ余り)徳島までの25パーセント以上進んだことになります。
でもいろいろありますよね~・・航海はやっぱり人生と言った感じです。明日はボリナオについて書いてみます。バイスやボンボノンとは全く違うんですよ。