事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

龍馬伝~第10話「引きさかれた愛」

2010-03-07 | テレビ番組

Ohmorinawo05 第9話「命の値段」はこちら

前回の視聴率は21.0%。まあ、誤差の範囲ってことで。

今回はベタの極致。大河ドラマのファンはどう考えるかなあ。

「土佐には、大事なもんがあるがです。」

別れの言葉としてこれが有効だとすれば、なんともうらやましい時代。

吉田東洋(田中泯)と武市半平太(大森南朋)という舞踏系のふたりの(水面下の)闘争のために加尾(広末涼子)と別れなければならない、とした福田脚本は、妙にすわりがいいだけにちょっと疑問。

下士の生きる道よりも京に向かった方が幸せだという平尾兄(宮迫博之)の理屈は、やはりどうにも男のもので、龍馬が走る際に町人は龍馬に向けて深々とお辞儀をしているシーンが挿入されていることからも、まだまだ土佐の闘争は神学論争の域を出ていなかったことを演出も訴えている。

この回までの龍馬は圧倒的に受けの芝居が多いので、福山雅治としても窮屈だったかも。ベルリン女優の寺島しのぶがのびのびしていたのをうらやましく思っていただろう。

今回から後藤象二郎役で青木崇高登場。貫地谷しほりとの傑作「ちりとてちん」コンビ復活。これから二人のからみはないのかな?

オリンピックも亀田兄弟もなくなった来週からは、このドラマの真価が問われる。ベタが功を奏すると読んで視聴率はいきなり24%と大バクチ。オリンピックの後遺症で、みんな“感動”に飢えてると思うんで。

第10話「土佐沸騰」につづく

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刑事コロンボを全部観る~Vol.15「溶ける糸」

2010-03-07 | テレビ番組

Startrekspock22 Vol.14「偶像のレクイエム」はこちら

 原題は「A Stitch in Crime」。このスティッチはジーンズとかの縫い目じゃなくて、手術の縫合跡をさす。悪徳外科医が、研究の成果を独り占めしようとパートナーである博士の心臓手術に使った糸は……。看護師(アン・フランシス)が不審に思ったことを察した外科医は、そのために第二、第三の殺人を。つまり、犯罪を隠蔽しようと画策する外科医の“取り繕い”とのダブル・ミーニングになっているわけ。

 犯罪の舞台は大病院。精神科医が犯人だった初回の「殺人処方箋」はあったけれど、シリーズにおいて初の本格医療ミステリ。なんつっても大病院はネタの宝庫ですから。今回のキーポイントは、犯人がひたすら冷静な人物であること。障害物を次々に葬っていくやり方は、日々命をあつかう商売ゆえなのか。どう考えてもこいつは前にもなんかやってます(笑)。

 この、冷酷無比な犯人に立ち向かうべくやってくるコロンボだけど、史上最低のコンディションで登場。睡眠不足のためにまわりに「コーヒーない?コーヒー」とリクエストするも(大病院のくせに)ないものだから、おかげで看護師を撲殺した凶器でゆで卵を割るという、シリーズのなかでも屈指の名場面を見せてくれます。

 さて、この冷静な外科医をやってるのが「スタートレック」の、というかわたしの世代には「宇宙大作戦」のミスター・スポックで有名なレオナード・ニモイ。あのまんまの役じゃん。宇宙人的なまでに冷静で、同僚の看護師が殺されたことを電話で聞かされたときも時計の分針を修正している。ここをコロンボに見られてしまったことが運の尽き。

 血が嫌いなものだから手術を見ていられなかったコロンボは、犯罪の残虐性に怒りを見せてラストで手術室にのりこんでくる。激昂したコロンボに、外科医は一度だけ興奮してみせる。それはなぜか。このオチはなかなか。

死の方程式」でもセクシーな秘書役だったアン・フランシスが今回もすてき。彼女は「禁断の惑星」のヒロインだったし、今回は「禁断の惑星」VS「スタートレック」の対決だったわけね。

Vol.16「断たれた音」につづく

Annefrancis02

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