第9話「命の値段」はこちら。
前回の視聴率は21.0%。まあ、誤差の範囲ってことで。
今回はベタの極致。大河ドラマのファンはどう考えるかなあ。
「土佐には、大事なもんがあるがです。」
別れの言葉としてこれが有効だとすれば、なんともうらやましい時代。
吉田東洋(田中泯)と武市半平太(大森南朋)という舞踏系のふたりの(水面下の)闘争のために加尾(広末涼子)と別れなければならない、とした福田脚本は、妙にすわりがいいだけにちょっと疑問。
下士の生きる道よりも京に向かった方が幸せだという平尾兄(宮迫博之)の理屈は、やはりどうにも男のもので、龍馬が走る際に町人は龍馬に向けて深々とお辞儀をしているシーンが挿入されていることからも、まだまだ土佐の闘争は神学論争の域を出ていなかったことを演出も訴えている。
この回までの龍馬は圧倒的に受けの芝居が多いので、福山雅治としても窮屈だったかも。ベルリン女優の寺島しのぶがのびのびしていたのをうらやましく思っていただろう。
今回から後藤象二郎役で青木崇高登場。貫地谷しほりとの傑作「ちりとてちん」コンビ復活。これから二人のからみはないのかな?
オリンピックも亀田兄弟もなくなった来週からは、このドラマの真価が問われる。ベタが功を奏すると読んで視聴率はいきなり24%と大バクチ。オリンピックの後遺症で、みんな“感動”に飢えてると思うんで。
第10話「土佐沸騰」につづく。