事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

港座通信~「人情紙風船」

2010-03-20 | 港座

Ninjokamifusen01 原作 : 河竹黙阿弥(『梅雨小袖昔八丈』、通称『髪結新三』)

脚本:三村伸太郎

監督:山中貞雄

出演:河原崎長十郎 中村翫右衛門 市川莚司(加東大介

現存する山中貞雄の作品はわずか三本。ご好評をいただいた「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」につづき、3月は「人情紙風船」をお送りします。結果的に、天才監督山中の、これは遺作となってしまいました。時代劇ファンはぜひ。

※上映は3月28日(日)18:00
米国にオースン・ウェルズがいるなら日本には山中貞雄がいるっ!ともに幸福な人生だったとはお世辞にもいえないが、しかし映画作家という職業には、作品が生き続けるという美質がある。もっとも、山中の作品の多くが失われているのは、その意味でも哀しい。

「(『人情紙風船』が遺作では)ちとさみしい」

山中はこう言い残して戦病死しましたが、これは強がりではなく、もっともっと凄いシャシンを撮ってやるというマニフェストでもあったでしょう。くやしい。

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港座通信~「恐怖の報酬」Le Salaire de la peur

2010-03-20 | 港座

Lesalairedelapeur 監督、脚本:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー

主演:イヴ・モンタン

「恐怖の報酬」(53年 仏)名匠ジョルジュ・クルーゾーが描くサスペンス。一攫千金をねらってニトログリセリンをトラックで運ぶマリオ(イブ・モンタン)たち。わずかな振動で爆発してしまうニトロ。彼らを苦しめる悪路、落石……

ちなみに、主役のふたりの名前はマリオとルイージ。そうです。「スーパーマリオブラザース」のキャラはこの映画から。

※上映は3月28日(日)15:00から。
カンヌ映画祭でグランプリ、ベルリン映画祭で金熊賞をとった名作。食いつめた男たちの汗がむせかえるベネズエラの暑気と、ニトログリセリンを運ぶサスペンスで手に汗握り……って汗ばっかりかい。77年のフリードキン版の失敗は、この汗っぽさを再現できなかったからだと思う。誰かもう一度リメイクにチャレンジしないかな。今ならベニチオ・デル・トロジェイミー・フォックスがいるぞ。汗くさっ。

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港座通信~「自転車泥棒」 Ladri di biciclette

2010-03-20 | 港座

Ladri_di_biciclette_2 製作、監督:ヴィットリオ・デ・シーカ

出演:ランベルト・マジョラーニ

「自転車泥棒」(48年 伊)は、ヴィットリオ・デ・シーカが主役に素人を起用し、貧困と、しかし断ち切れない親子の情愛をリアルに描いた名作。同じ敗戦国であったイタリアの姿に、日本の観客は心うたれ、涙しました。

※上映は3月28日(日)12:00
イタリアン・ネオリアリズムの作品は、実はちょっと苦手。デ・シーカの場合は艶笑譚っぽい方が好きかな。ソフィア・ローレンが出てくるような。なにしろデ・シーカ作品で最初に観たのが「ひまわり」だし。「終着駅」(脚本はトルーマン・カポーティ!)にしても、倫理的にかなりやばいストーリーだと思うんだけど、そこはそれ、イタリア人のやることですから

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港座通信~「市民ケーン」Citizen Kane

2010-03-20 | 港座

Citizenkane 監督、脚本、製作、主演:オースン・ウェルズ

編集:ロバート・ワイズ

音楽:バーナード・ハーマン

「市民ケーン」(41年 米)オースン・ウェルズの処女作にして映画史に燦然と輝くエバーグリーン。すべてを手に入れ、そしてすべてを失った新聞王ケーンが、最後につぶやいたことば「薔薇のつぼみ」が意味するものとは……

上映は3月28日(日)18:00
死ぬ瞬間に何がその人間に去来するかは誰も予想できない。しかし新聞王の臨終に、“あれ”を使うことを思いつくあたりがウェルズの天才たる所以だ。
青二才がつくった個人映画と揶揄されたようだが、見返すと驚くほどオーソドックスなつくりになっている。というより、ウェルズのやり方が主流になったということか。やっぱり、天才なのである。そして、その天才がキャリアのすべてを賭けて製作したという意味で、コッポラの「地獄の黙示録」に匹敵する。後世の評価には、天地の開きがあるけれども。

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港座通信~「禁じられた遊び」Jeux interdits

2010-03-20 | 港座

Jeux_interdits 監督:ルネ・クレマン

音楽:ナルシソ・イエペス

出演:ブリジット・フォッセイ

「禁じられた遊び」(52年 仏)は、言わずとしれた反戦映画の名作。まだ死というものを理解できず、十字架を集めてお墓をつくる少女。彼女が「ママ、ママ……」と亡くなった母を呼び続けるラストに泣けない人はいないはず。

※上映は3月28日(日)12:00
テレビの前にテープレコーダーを置き、ラストの場面を録音して何度も聞き返す……かつて「水曜ロードショー」(日テレ)で放映されたときにやってました。ビデオなんてものが家庭に普及するとは夢にも思わなかったころ。番組改編期に放映されたこの作品は20%をこえる視聴率をゲットしたと記憶する。

ブリジット・フォッセイの愛らしさはもちろんすばらしい。でも彼女がオトナになってからのセクシーさもいいですよ。特に「バルスーズ」(男性だけに二つついている品物のこと)はよかったなあ。

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Brigitte_fossey

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港座通信~「スタンド・バイ・ミー」Stand by Me

2010-03-20 | 港座

Standbyme02_2  3月の港座上映会は、あの「スタンド・バイ・ミー」をはじめとした傑作ぞろい。お楽しみに。

監督:ロブ・ライナー

出演:ウィル・ウィートン リバー・フェニックス コリー・フェルドマン ジェリー・オコンネル キーファー・サザーランド

「スタンド・バイ・ミー」(86年 米)は、ホラー小説の名手であるはずなのに、映画化される作品は「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」など、なぜか観客を感動させてしまうスティーブン・キングが原作。この作品はそのきわめつけ。心に傷を負った少年たちが、“英雄になるために”死体さがしの旅に出る……今は亡きリバー・フェニックスが涙をみせるシーンと、誰もがまだ寝静まっている時間に主人公と鹿が出会うシーンは、男の子には必ず訪れる一瞬をみごとに描いています。必見。

※上映は3月28日(日)15:00
通信にも書いたけど、あの鹿のシーンにはマジで感動した。主人公の少年がまさしく人生と出会う瞬間。舞台は50年代末のスモールタウン。アメリカ人の心の故郷における、誰もがおぼえていて、誰もが忘れている一瞬。

ラストにいたって、あの「アメリカン・グラフィティ」との連関が示唆されます。なにしろオトナになった主人公をあの人が演じるんだから。ワープロの切り方は納得できなかったけど(笑)

監督のロブ・ライナーはこの作品からキャリア爆発。「恋人たちの予感」「ミザリー」(あ、またキング作品だ)「ア・フュー・グッドメン」とつづく。
でもわたしがいちばん好きなのはショーン・ペンとの腐れ縁がはじまる前のロビン・ライト・ペンが主演した「プリンセス・ブライド・ストーリー」。アンドレ・ザ・ジャイアントピーター・フォークが出てますよ。どっかにDVDないかな。

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