出演:エド・ハリス メアリー・エリザベス・マストラントニオ マイケル・ビーン
オスカーは元奥さんであるキャスリン・ビグロー(「ブルー・スチール」は必見。「ハート・ロッカー」は果たしていつこちらで封切られるものだか)にさらわれたけれど、これは仕方ない。そういつもいつもキャメロンの思い通りにはいかないし。なにより、“アメリカ人がイラクで何をやっているのか”を正面から描いた作品がアカデミー賞をとった意味は大きい。それに、前から思ってたけどビグローって女優より美人だし(もうすぐ60才だけど)。にしてもねぇ、やっぱりあの(元)夫婦は、アバターなみに背が高いです。
「アビス」はキャメロンにとって「アバター」にもっとも肌合いが近い映画なのかも。深海が舞台なのでひたすら息苦しく、だからこそラストの爽快感が……なはずだけどメッセージがあまりにも青臭いあたりが観客に嫌われたか興行的には惨敗。もっとも、「アバター」にしたってかなり青臭い映画なのだが。
でも、深海で空気が足りないからととった手段が“一度死なせておいて蘇生させる”なのには初見当時から感服。やるもんだ。深海と“もっと深海”のやり取りが、懐かしのポケベル状態であるあたりも、キャメロンは映画を知っている。コミュニケーション不全をこそ観客は固唾をのんで見守るわけだし。一見の価値はあります。