PART6はこちら。
阿久根市長、県立高の生徒処分に異議唱え介入
鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)が、運動部所属の男子生徒を大会出場禁止とした県立鶴翔高(阿久根市)の生徒指導について、「(指導を)変更しないならブログやメディアに出す」と同校に迫っていたことがわかった。
棈松(あべまつ)和成校長によると、同校は今年2月、校内のトイレでたばこを吸うなどした複数の生徒を処分。問題となった生徒は喫煙生徒と一緒におり、喫煙は否定したが、「周囲の喫煙を黙認した」として、今月下旬から始まる大会への出場を禁じた。
今月18日になって、同校に竹原市長名で出場禁止撤回を求める県知事あての文書がファクスで届いた。電話で改めて説明を求めた校長に対し、市長は喫煙を否定した生徒を出場禁止にすることはおかしいと主張。「出場禁止を変更するのか、しないのか」と迫り、応じなければ自分のブログへの掲載やメディアへの情報提供をすると告げた。校長は「構わない」と答えたという。
棈松校長は「校則に基づき、過去にも同様のケースで出場を禁止した。市長が関与してくる話ではないはず」と当惑している。(2010年3月20日19時57分 読売新聞)
……公私混同の典型例。高校の処分について、わたしだってしっくり来ないものを感じる。が、話の筋道がねじれ曲がっている。問題点はまたしてもてんこ盛り。
・市長がこの処分を知ったのはなぜか。
・高校へのファクスが県知事宛になっていたのはなぜか。
・恫喝に応じなかった校長の真意は。
要するにこういう経緯だったのではないか。処分をうけた生徒に関連する誰か、あるいは義憤を感じた誰かが
『市長ならばなんとかしてくれる』
と竹原市長に連絡。その市民と同様に義憤にかられたか利害関係があったかした市長は「設置者である県知事にこういう文書を送るぞ」という意味でファックス。あるいは実際に送ったのかもしれない。
日ごろマスコミを相手にしていないかのようにふるまっているにもかかわらず、メディアに情報提供するとの発言は笑わせてくれるが、つまり阿久根市長は、自身のブログやマスコミを、恫喝のツールとして認識しているのだ。さすが《ブログ市長》。
それ以上に、阿久根市民のあいだで、市長の独裁的ふるまいが一種の権威と映っているのかと哀しい。かくして、市民の常識がねじれ始めていることが知れる。なんてことだ。
……やはりどうしたってPART8につづく。