PART5はこちら。
<阿久根市>公共工事「不自然な入札」 反市長派が批判
3月19日 毎日新聞
鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)の親族が経営する建設会社が、市発注公共工事の指名競争入札で、最低制限価格とわずか1円差で落札していたことが19日分かった。最低制限価格は市長が決めるため、反市長派市議らは「不自然な入札だ」と批判している。
竹原市長は05年12月の市議就任までこの会社の社長で、同社によると、現在も社員。毎日新聞は市総務課を通じて市長に取材を申し込んだが、同課は「市長は何も答えなかった」と答えた。
工事は市総合運動公園の施設整備で、2月26日に9社が入札。同社が最低価格446万476円を1円上回る価格で落札した。予定価格は公表されるが、これに対する最低制限価格の比率は市長が決める。この工事は85%で、1社は最低制限価格を下回り失格した。
この問題を巡っては、反市長派市議が一般質問で追及する予定で、通告していたという。しかし、市長の出席拒否で質疑は行われていない。
市長が指名業者の社員であることについては、これまでの議会で反市長派が「不正の恐れがあり辞めるべきだ」などと追及。市長は「私は不正をしない」などと答弁している。
……竹原市長が“社員”となっている会社の現社長は市長の妹。自衛隊を退官して会社経営にいそしんできたのが竹原市長本人なのだから、どう考えてもこの会社の経営に市長の意向がはたらいていないはずがない。そうでなかったとしても、市長が市の公共工事の入札に“参加している”かのように見えることに問題はないのか。ましてや、入札の結果はご覧のとおりなのだ。それにしても臆面のない金額。他社もかなりきわどい金額だったらしいので、竹原治世下における阿久根のモラルハザードはすごい。
前から主張しているように、竹原市長に「公」と「私」の区別は存在しない。境界線がぼやけているとかそんなレベルではなく、区別しようという意志そのものがないのだろう。これは危ない。
公私ともにその人間のすべてを仕事に捧げることは確かに美しい。しかし同時に、仕事を私するパターンに陥ると歯止めがきかないのだ。阿久根の現況は、まさしくこのスパイラルに入っているかのよう。議会に出席しないのが、この問題から逃げていると思われても仕方がないところまで来ているではないか。危ない。
そしてもうひとつ、公私混同の事例をこの市長はかましている。残念なことにPART7につづく。