タイトルで誤解されそうだけど(誤解して図書館から借りたんですけど)、これは音楽的な意味でのJポップの死ではなく、経済学的な意味合いでJポップという有り様がなくなったという意味だった。
CDの売り上げが激減しているなかで、それではアーティストや音楽産業関係者は困窮のさなかにいるのか……どうやらそうでもないことが説明される。コンサートに代表される“ライブ”の売り上げは上昇しているし、パチンコ、結婚式などでJASRACが徴収する著作権料も減っていないのだとか。
Jポップ全盛期、売り上げトップ50のうち、タイアップが47曲もあったとか、業界全体の宣伝費が100億程度だったのに、資生堂一社でそれだけの額を消費していたので、タイアップがどれだけ強力だったか……お勉強になりますね。
この書では、かくて広告代理店主導でヒット曲が作り上げられていた時代よりも、ネット中心にさまざまな嗜好に応えられる現在の方がまだしも健康ではないかと語られている。
でもね、日本の音楽が、はたして上質なものになっているかははなはだ疑問だ。ユニゾンだけの大音響に、ピーター・バラカンが絶望的になっていることにわたしも一票。ラジオから流れる曲にびっくりし、おわー何て曲だろ、とアプリを起動させることも近ごろめっきり……世代のせいですか。そうですか。