事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

いしいひさいち

2018-04-20 | アニメ・コミック・ゲーム

 

いしいひさいちは、わたしにとって漫画界最高のヒーローだ。

「がんばれ!!タブチくん!!」にノックアウトをくらい、学生時代には、いしいが設立に参加したチャンネルゼロの「漫金超」を購読し(季刊ということにはなっていたが、いつ出るかわからないので油断できなかった)、ミステリや政治ネタの鋭さに驚き、そしていまも朝日新聞で毎日新作が読める状況を楽しんでいる。

大好きなキャラはなんといってもヤスダ。元ヤクルトスワローズのへろへろ変化球ピッチャーとタブチのかけあいはおみごとだった。

「お、お中元か」

とタブチ家に遊びに来たヤスダ(このあたりですでにおかしい)

「おれにもひとつくれ」

「誰がやるか」

「いーじゃねえか、へるもんじゃなし」

「確実にへるんだよこれは!」

笑ったなあ。

いしいひさいちの人嫌いは有名な話で、とにかくほとんどオモテに出てこない。作品にはあふれるほどふれることはできても、いしい本人がどんな人なのかはさっぱり。

そんな謎の人を「文藝」が大特集。「文藝別冊 総特集いしいひさいち」は、彼の数少ないコメントが網羅してあって最高だった。この人の隠遁は、放っておくと過激なコメントをどうしても炸裂させてしまうからでは、と思うくらいに大放出。

「私は漫画を描いていながら、子供の頃から現在まで漫画を読む習慣がありません」

「そもそも4コマ漫画に起承転結というセオリーは存在しません。起承転結に則って4コマを描く作家はプロにはおりません」

「いがらしみきおさん、業田良家さん、しりあがり寿さん、とり・みきさんなどなどなどはより洗練されていて、私のお笑いはすでに古くさく感じています」

「朝日新聞の連載を始める際、全集をもらってはじめてサザエさんを読んだのですが国民漫画ができるだけ多くの人に愛されねばならないことの代償でしょう、4コマ漫画としては平凡、作家としては凡庸というのが正直な感想でした」

正直すぎる(笑)。そしていがらしみきお、吉田戦車西原理恵子、しりあがり寿、大友克洋などが特別寄稿していて、特にとり・みきの、いしいひさいちは絵がうまい!という主張に納得。あー面白かった。

コメント
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