「映画館に行くのは2ヶ月ぶり」
「え、あの伍長が」
「血が足りないと思ってな」
「それで孤狼の血ってわかりやすすぎないですか」
「チャージ完了。松坂桃李と鈴木亮平はすごい」
「(しばらくこの人には会わないでおこう)」
「かたせ梨乃のあつかいとか笑ったなー」
「(何も言ってはいけない)」
……確かに、2ヶ月も映画館に行ってませんでした。それはもちろんコロナの影響もあるけれども、見たいと思わせる作品がなくて。しかし「孤狼の血」の続編となれば話は別。
例によって昔の東映マークと「仁義なき戦い」を意識したナレーションのオープニング。前作の悪徳刑事、大上(役所広司)の血を受け継いだ日岡(松坂桃李)が呉のやくざの均衡を保っている。そのことに不満を持つ勢力が上林(鈴木亮平)という狂犬を野に放ち…
原作の2作目までのブリッジを果たすオリジナルストーリー。作者の柚月裕子がホステス役で登場しているのに苦笑。やっぱ美人ですこの人。
現実に暴走族のトップだった宇梶剛士や、東映の極妻を背負ったかたせ梨乃を、あんなことにするあたり、白石和彌監督の思い切りがいい。前作を見た同僚は「気持ち悪かった-」とどん引きしていたが、さあこのレベルアップした続編を見たらどう思うだろう(笑)。
優等生的な役者を極悪に仕立てる手口は今回も健在。あの松坂桃李とあの鈴木亮平がそれはもう悪くて悪くて。ドラマとしては、自分のやっていることが正義だと思っていることの欺瞞をつく体裁なので、シンプルな悪役である鈴木亮平がもうけ役だったかも。
出演は他に中村梅雀、このタイミングでキャスティングするか宮崎美子、UAの息子の村上虹郎、昔ながらのやくざの味を感じさせる早乙女太一がいい味。あ、それからヒロインは乃木坂の人なんだけど、彼女と日岡のファックシーンは必要だったはずだけどな。