インド映画である。とくれば、わたしの世代にとってはサタジット・レイの「大地のうた」のようなアート系か、「ムトウ 踊るマハラジャ」のようなミュージカルコメディだろうか。わたしはどちらも見ていないので、この「RRR」が初めて見るインド映画ということになるかも。
それにしてもすごい人気である。実はわたし、鶴岡まちなかキネマにこの映画を観るために2度出かけて、2度とも満席で入れませんでした。まちキネが再開してから、最大のヒット作なのだそうだ。
とにかく興奮する映画だと聞いていたので、見逃せないなあとは思っていたが、まさかここまでとは。そういえば、わたしの娘はやはりインド映画「バーフバリ」の大ファンらしい。こうやってインド映画好きは広がりを見せている。
その「ハーフバリ」のS.S.ラージャマウリ監督の最新作。インド映画史上最高額の製作費をかけた超大作。歌って踊ってアクション満載という娯楽作。というか娯楽作品の極北とでも言えそう。とにかく面白い。
インド人を圧政のもとに虐げるイギリス人たちはあくまで憎々しく(インド人に味方する美女をのぞく)、なんと実在の英雄を演じた主人公たちは(暑苦しいまでに)豪快だ。ダンスは痛快で(かの「ナートゥ・ナートゥ」はチャプター検索して二度見ました)、ラストの展開はまるで東映仁侠映画のよう。
これこそ映画でなければ描けない世界。あんなひどいケガをして薬草一発で治っちゃうってどうなの?とかめんどくさいことは言いっこなし。インド女性が世界でいちばん美しいことを再確認できた映画でもありました。
あれ?似たようなことをわたしは前にも主張したような…………すみません「マダム・イン・ニューヨーク」が初めて見たインド映画なのを忘れてました。