1作目が公開されてから十年かあ。最初は一家で見ていたのに、「謎のプリンス」のときは一人きり。前作「死の秘宝PART1」はついに劇場に出かけることもなかった。長いねえ十年て。でも最終章ぐらいは、と妻と娘といっしょに鑑賞。
ハリーたちの成長にも驚かされる。監督はハーマイオニー役のエマ・ワトソンがお気に入りらしく、何度も何度も水をぶっかけて観客サービス。三人組がびしょ濡れになったものだから着替えるシーンを延々とやるのも笑えます。ハーマイオニーは脱がないって。でもハリー役のダニエル・ラドクリフは胸毛生えてるし、ロンも意外にもっさりした体型なのでしみじみできます。十年。
さて、最終章のくせにPART1ではまだ分霊箱が何個か見つかっていない。おまけになんとかの剣やなんとかの杖の争奪戦まで始まってしまって、ちゃんと終われるのかいな、と心配していたけれど、そこはそれ、ちゃーんとねじふせてました。そうか、あれとあれが分霊箱とはっ!
長い長いエンドロールが終わり(妻は8本分のスタッフ全部だと思ったらしい)、さあ帰ろうか。うわ、妻と娘は呆然としている。
「泣いちゃったー」
「よかったわー」
そ、そうだね。シリーズ最高作だとわたしも思う。にしたって泣くか?
「だって……○○○○がかわいそう」
「すばらしい人だわ」
なるほど、なるほど。しかしこうなるといくつか疑問点も残る。帰りに三人で考えこんだ。
・守護霊がいっしょである、とはどんな意味をもつのか
・シリウス・ブラックを失うことであれほどドラマが動いたのに、そのシリウスを殺したベラトリックス(ヘレナ・ボナム=カーター)の最期があれでいいのか
そのうちに話はそれて……
「ヴォルデモート(レイフ・ファインズ)のあの鼻はやっぱりメイクなのかしら」
「CGだろー。メイクだと苦しいぞー」
「で、結局のところヴォルデモートはどうしてハリー・ポッターを倒さなきゃいけなかったの?」
そこまで戻るかっ。
「あたしはあの杖があったら絶対○○する鬼のような女よっ」
収拾がつかなくなってしまったのでした。そこへいくと映画の方は立派ですね。
演出も丁寧。空気と水が澄んでいる感じがすばらしい。わたしのお気に入りは灰色のレディを演じたケリー・マクドナルド。「ノーカントリー」で絶望の主婦を演じたあのお姉さんね。ちなみにこの役は、最初ケイト・ウィンスレットにオファーされたらしい。どうあっても、ふくよか系の美女にしたかったわけだ(笑)
言いたくはないけれど三川イオンシネマにはちょっと文句を。
わたしたちは11:45の3D吹替版を選択するつもりだった。わりと早めに出発。でも初日から何週間もたってるしな、と油断していたのが大間違い。帰省ラッシュの方はなんとかなっても、劇場ロビーには長蛇の列。
どうかみんな仮面ライダーの客でありますように、と願ったがそうはいかず、空いている席は最前列だけ。妻と娘に3D体験させたかったのに、仕方なく2D字幕版に変更。そちらはガラッガラ。
ようやく3Dで上映できるようになったにもかかわらず、どうしてその装置の稼働が1日2回だけなのか。なにしろ、その方がもうかるに決まっているのに。
「わかったわ。きっとメガネの数が足りないのよ」
「まさか(笑)………………まさかなあ」
まさか違いますよねえ?