「巨木の森」はこちら。
さて、珍道中三人組の飛島クライマックス。イカ釣り船で島を周回。わたしが定期船で意外に元気だったので行ってくれることになったのだ。オトナ版飛島いきいき体験スクール。わたしの娘はこの体験でイカが食べられなくなったのだが。
もっとも、この時期はイカ釣りよりもトビウオ漁がメインで、だから船もいつもより短い時間でチャーター。とにかく忙しくてですって。ホッ。
結論から先に言うと……行ってよかった!そうか飛島の概括ってこんな感じなのかと理解できたし、海面をトビウオが滑空する場面に何度も出会えて感動。ほんとに飛ぶんですよトビウオ。ビョン!と海面から飛び出て、そのまま海面すれすれに30~40mぐらい“飛ぶ”。びっくりするくらい美しい。
もちろんわたしの頭の中では
波の谷間にぃ命のぉ花ぁがぁ
なんて歌が鳴り響いていたのでした。海の男だぜ。
案内してくれた船頭さん、というか船長が語る飛島バナシは趣深かった。なぜ、突出して飛島が過疎化したか。要するに金なのである。漁業に投資した金が回収できる見込みがなくなかったからこそ若い連中は一斉に島を出て行ったのであり、出て行かないのは一種の諦念にすぎないと。島民平均年齢が70才近い状況はかくて生まれた。
そして、島の北側がほんとうに手つかずであることが実感できる。くわえて御積島(おしゃくじま)などの烏帽子群島のの奇観には唸った。ここの海底に、ドチザメの繁殖地がある。わたしは全然知らなかったけれど、こちらはダイバーにとっての聖地らしい。おそるべし飛島。飛島に来たら、このクルーズははずさないこと。んもう絶対です。
次回は、ウミネコの島。
「善べえ」特集はこちら。
チャリ通勤を続けているうちに、職場のまわりで行く店も残り少なくなってきた。
ってことで今回は全国チェーンである花月。
全国展開といっても、山形県には酒田みずほ通り店と山形吉原店の二店舗しかないみたいだけど。
ど派手なエクステリアなので遠くからでもすぐわかる。ここにはまっている元同僚の意見。
「確かに、そんなに『うまいっ』って感じはしないかも。でも、何度も通ってると、あのラーメンはくせになるんだー」
ということでした。なるほど客はリピーターが多そう。ポイントをためて抽選にあたるとNARUTOグッズが当たるなどの作戦は、ファミリー客に有効だろう。
嵐げんこつらあめん620円。味はとにかく強く、それにおすすめ調味料をぶちこむとなお濃くなる。いいのか子どもの頃からこの味に慣れちゃって(笑)
事務室でこの店の話をしたら「え!NARUTOグッズがもらえるんですかっ」と相方が興奮。さっそくその夜、同好の士と花月を訪れた模様。しまった、彼女はジャンプの女だったんだよなぁ。
さて、わたしはそこまでこの店の味になじむ根気はないんだな。冷たいお水はほんとうにおいしいし、接客も満点だけど50点。なにしろ、なにも読むものがないってことにわたしは耐えられないんだ。
次回は「麺屋酒田」
「渚の鐘」特集はこちら。
飛島小中学校から法木に向かってすぐの場所に、その原生林はある。ほんとに、歩いてすぐ。もっとも、かなりの勾配を覚悟しなければならないけれど。
入口にはなぜか内陸ナンバーの軽トラが駐車してある。
タブノキや松の巨木が群生していて、真昼なのに薄暗く、そして涼しい。ここ島だっけ、と忘れそうになる。ウグイスが鳴いたりしているしね。ちなみに飛島はバードウォッチャーの聖地だそうで、リピーターの多くは鳥目当てなんだとか。双眼鏡持ってくるんだったな。
しばらく歩くと鼻戸崎展望台。天候がいいと鳥海山が一望できるらしい。もやっていたのが残念でした。
で、その展望台のあたりには、さっきの軽トラに乗ってきたのであろう草刈りの方々が。どうやら県に委託されているみたい。休憩している彼らのそばにはA4判の注意書きみたいなのがあって、“刈ってはいけない植物”の写真入り。なるほどね。
彼らだけでなく、島には公共事業関係者がたくさんやってきていて、島の宿泊施設が彼らによっても支えられているのが理解できる。その結果か、勝浦、中村、法木の三地区の海岸はコンクリートでガチンガチンに固められています。ところが、島の北側は……
海の男と呼んでくれ、につづく。
清水製パン特集はこちら。
なんとご接待をうける。
ご近所のおっさんたちから、ちょっとしたごほうび。場所は「善べえ」和牛が売りもののお店。
馬系の商売をしていたオヤジが、何を思ったかまだ閑散としていた富士見町だか曙町だかに開店。それが今では大賑わい。駐車場が増殖をつづけているので笑えます。
なにしろ近いのでウチの地区は機会あるごとに使っている。広いお座敷もあるのでここは重宝。お向かいの小学校も先週使ったらしい。
従業員が小中の同級生なので、行くたびに
「同級会はいづすんな?」
去年やったばっかりですけど。
ここにもなんと“ほろ酔いセット”なるものがあって、生ビールとチキンの唐揚げ、お刺身がついてジャスト1000円。台町もびっくりです。
わたしはチキンが食べられないので、そっちはいっしょに行ったヤツに進呈して、名物の和牛のタタキをいただく。
うめー。
いつものスーパーのパックに入っているやつとはさすがにレベルが違います。1300円。量もたっぷり。65点。どでかいトンカツなど、ランチ系も充実していると評判です。
「帰りはこごで飲んで行げばいいんでね?」
あんたそう言うけどチャリ通に飲酒は厳禁です。そんなことは考えてもみませんでした。ほんとよー。ほんとだってば。
次回は「花月」
「侍」特集はこちら。
日曜の朝、やけに早く目が覚めたものだから、こんなときしか“あれ”はゲットできない!と決心してクルマを転がす。
酒田の駅前通りにある清水製パンという店は、なんと開店午前6時。そして、一日限定4個しかつくらない“ジャンボ”なる巨大な焼きそば&ゆで卵&パスタがのったパンはあーっという間に売り切れてしまうのだとか。
おっと、この調子なら6時前に余裕で着いちゃうぜ……
なななんだ?店の前にはすでに行列が。おいおい日曜の朝だよ。もっとみんな寝坊しようよ。
おそらくはレギュラー陣なのであろう行列の客たちは、無言でトングとトレイをとり、無言でレジに並ぶ。聞こえるのは陽気な店のおばちゃんの声だけ。もちろんジャンボは影も形もありませんでした。
でも、“ミニジャンボ”(なんてネーミングだ)という、小振りなやつが用意してあったし、評判になっているシューロールも購入。朝食にミニジャンボをいただいたら、マジで満腹。ガッツのある中高生ぐらいじゃないとじゃんぼはきついんじゃないかなあ。
誰か食べたことがある人がいたら感想をぜひ。娘は焼きそばパンに満足。妻はシューロールに満足。早起きはお得。
それにしても、酒田の駅前でこんなことが毎日行われていたのかと愕然。なんでも勉強です。70点。写真は妻のアイロン台の上で撮りました。どうもすみません。
次回は「善べえ」
飛びっこラーメン特集はこちら。
続いて向かったのが「渚の鐘」。島の東北部にある“サンセットビューポイント”荒崎に設置された鐘。
ここは市の花であるトビシマカンゾウの群生地。日本海が一望できる場所に置かれたモニュメント。このあたりは本当に手つかずの地域で、わたしたち三人が向かったときはクモの巣を振りはらいながら行くことになった。要するに観光シーズンでなければ誰も行かない場所なのであろう。
「去年来たときは鐘を鳴らすひもが切れちゃってて、鳴らせなかったのよ」
きいてみたらひもを切ったのは前任校の悪ガキどもだったらしい。どうもすみません。みんなで鳴らしてみる。予想以上に大きな音。そして予想以上にもの悲しい音。
それにしても絶景である。
「北朝鮮はどっち?」
「そろそろそのネタから離れてくれないっすかー」
次回は、巨木の森。
「テキ穴の中」はこちら。
うまい店ピンポイントの特別編。わたしは飛島でもラーメンを食べたのだ。場所は中央旅館から10mほど離れたところにある「あづま荘」。そこでは飛島名物であるトビウオのダシを使った「飛っこラーメン」が出る。
「そんなに期待しないでね?」
と念を押されるが、いやいやおいしいじゃないですか。
「あら。ホントだ。おいしいわ」
ホントにおいしいのよ。知らない人のために言っておくと、トビウオのダシを使うのが酒田のラーメンの常道。ダシだけならまさしく酒田の王道を行っているのが飛島ってものなのでした。味が安定しないくらいなんですか(笑)
わたしが飛島に向かった7月中旬は、イカ漁が一段落し、トビウオが漁業のメインになっているのでした。だから海岸線には(ということはつまり飛島のいたるところで)トビウオが干してある。んもう島中がトビウオでした。
二日目の昼食は旅館でソーメンをいただく。タレはもちろんトビウオのダシ。わたしの母もトビウオ信者だったので、まさしくおふくろの味。しみじみ。
次回は「渚の鐘」
「吉野家」特集はこちら。
金曜はチャリの日だったので学区内の店を選択。
同僚のフランチャイズ「侍」。どんな気持ちでこうネーミングしたか聞いてみたい気も(聞きたくない気も)。
変電所の近くでひじょーにわかりにくい場所にあり、職場以外の方向からはなかなかたどり着けない。そんなところにラーメン屋があることを知ったのも今の学校で同僚に聞いて初めて。
そのくせラーメン好きの方々はみんなその名を知っていて「知らない方が不思議」って感じ。おそれいりました。
わたしが行った日も同僚とかち合ってしまい、酒田を知り尽くしている某印刷屋の営業マンも、ちょうど食べ終えたところでした。「なにやってんだお前?」何やってる、と言われましても。
みんな、来てるんだなあ。酒田をあまり知らないわたしの相方も普通に「わたしも、行ったことありますよ」と。ほう。
読んだのはサンケイスポーツ。初めてここの味噌味中華をいただきました。65点。
次回は清水製パン。
「テキ穴」特集はこちら。
穴に入ってみたら、予想以上に奥に行くのに苦労する。これはオレがでかいからだけじゃなくて、足元もかなりあぶない。
「このへんですかね、骨が出たのは」
ここで人骨が発見されたのは昭和39年のこと。当時の飛島中生が洞窟に入って(探検でもしていたのだろうか)二十数体分の人骨を発見。すわ大量殺人事件かっ!と大騒ぎになったそうだが、調査した結果、千年以上も前のものだと判明。そのときの骨は鶴岡の致道博物館と東京の国立博物館に保管されているとか。分骨、ですな。
この洞窟が、しかしどんな存在だったかはまだよくわかっていないらしい。海賊が住んでいたとか、人身御供ではなかったかとか、いろいろと説はあるみたい。
なにゆえに“テキ”の穴と呼ばれているかにも意味があるのかないのか……聖なる者がいたのか、あるいは卑とされた者がいたのか、あるいはその両方か。なんか、涼しいだけでなくゾクゾクするような話ではないですか。
「面白かったー」
「いやー、まさかテキ穴で喜んでもらえるとはなー」
あれ?わたしはテンション上がりすぎだろうか。次回は飛っこラーメン。