突っ込みどころ満載の映画なんだけど、とりあえず確認してもいいですか。わたし日本語吹替版で見ていて、レッカー車のメーター役の声に聞き覚えあるなあ……うーん誰だっけ。
あ、そうだ。安部礼司だっ!TOKYO-FM「BEYOND THE AVERAGE」の安部礼司の声だっ、と確信。あれ?最後に出てくる日本版キャストでは山口智充。これは前作といっしょ。いくらぐっさんが器用とはいえ、本人の顔をかけらも感じさせないのはすごいな。でもこれから見る人は、アベレイジじゃないかチェックしてね(笑)
さて、前作は「ヘッドライトなんかいらないや」とつっぱっていた(2ではちゃんとついてます)わがまま男ライトニング・マックィーンが、オンボロレッカー車のメーターなどとの交流で成長する「長距離走車の孤独」がテーマ。今回はマックィーンのレースなどほとんどどうでもよくなっていて、メーターがまきこまれるスパイ合戦が中心。
凝り性のピクサーのことなので、スパイ映画のエッセンスぶちこみまくり。海に浮かぶ小舟に緯度と経度が標示されて(ボーン・アイデンティティ)、その舟にひそんでいたスパイカーが謎の大型船に侵入し、ある機械を撮影して水中を脱出(007「サンダーボール」か「私を愛したスパイ」)。代替エネルギーを抹殺しようとする欠陥車たちの陰謀に、なぜか田舎ものであるメーターがスパイと間違われ、ドジな彼の行動が敵味方双方を混乱させ(オースティン・パワーズ)、意味なく変装をくりかえして(ミッション・インポッシブル)ますますわけわかんなく……
スパイ同士の合い言葉もまぬけでいい。
「フォルクスワーゲン・カルマンギアにラジエーターはない」
「空冷だから」
そのまんまじゃん!そりゃ、メーターでなくても正解しちゃうよな。
他にもカーズ(バンドの方ね)の「ユー・マイト・シンク」がカバーで挿入されていたり、perfumeの「ポリリズム」がエンディングテーマとしてちゃんと機能していたり、笑えるネタがてんこ盛り。
でもねー、どうもいまひとつ弾まない。CGだから何でもできる、ってのがむしろマイナスに働いたのかも。同時上映の「トイ・ストーリー/ハワイアン・バケーション」が、部屋のなかにハワイを実現させるために、実に不自由な方法をとっていたのと好対照か。
しかしとりあえずわたし、映画館(鶴岡まちキネ)を出てから必要以上に安全運転にこころがけました。油断してると、自分のクルマがドリフトでも始めそうな気がして。マジで。