第28回「死の帳面」はこちら。
前回の視聴率は12.0%と予想どおり低値安定。一種のモンスターとして描いた寿桂尼(浅丘ルリ子)もオープニングで死んでしまった(先週のうちに見送るべきでしたね)。これからどうなるんだろう。
もうひとりいましたモンスターが。意外なところに。
直虎がとった武田家封じ込め作戦は、しかし逆に徳川側から、同盟の証としてしの(貫地谷しほり)を人質として提供するように仕向けられる。しのは行きたくないと息子である虎松(寺田心)にもらす。それは……
この、後の井伊直政である虎松がモンスターでした。彼は父親に続いて母親まで失いたくないと、別の人質候補を帳面につけて画策する。またデスノート登場(笑)。しかし、すべては息子を強くするために母親として最後に残した試練だったと。
ありえないだろっ!と心の中で思いつつも、さすが森下脚本なのできっちり泣かせます。ええそうですとも。わたしは疲れていたこともあってホロリとしてしまいましてよ。
幼き夜神月を演じた寺田心はうまいにもほどがある。妻は
「あ、この子が出てるの」
とテンションが低くなっている。
「え、この子は有名?」
「すごく。トイレのCMとか。知らない?あたし苦手なの」
次郎法師を演じた新井美羽のときと逆の展開。わたしはとにかくあの子が嫌いだったが寺田心はだいじょうぶ。どうしてだろう。あ、そうか。あどけない表情が彼の場合は無邪気さとは無縁で、なんか邪悪なものすら感じさせるあたりでしょうか。そりゃー世間からは嫌われるよなあ(わたしは嫌われ者が好き)。
視聴率は、新モンスター降臨もあって12%維持と読みました。今回のタイトルはジョン・ウーをいただいているとは言っても、二丁拳銃や白い鳩とは関係ない。
第30回「潰されざる者」につづく。