事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

世論調査

2017-07-11 | 国際・政治

Lady Antebellum - Heart of the World (lyrics)

今朝のNHKのニュースを見ていて、あれ?と思った。世論調査の結果を報じた部分。読み上げられた質問はこうだったのだ。

「北朝鮮は、今月4日、弾道ミサイル1発を日本海に向けて発射し、ICBM=大陸間弾道ミサイルの初めての発射実験に成功したと発表しました。安倍総理大臣は、北朝鮮の脅威が、さらに増していることを示すものだと述べています。こうした北朝鮮の動きに不安を感じますか」

こう訊かれて、さすがに不安を感じない人は多くないはずだ。結果は「大いに不安を感じる」が46%、「ある程度不安を感じる」が38%、「あまり不安を感じない」が9%、「まったく不安を感じない」が3%……予想どおりですね。そして、直後の質問はこうくる。

「安倍総理大臣が、アメリカのトランプ大統領や韓国のムン・ジェイン大統領と日米韓の首脳会談を行い、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に対し、国連安全保障理事会で厳しい措置を含む新たな決議の採択を目指すなど、3か国が連携して圧力を強化していくことで一致したことについて、評価しますか」

……わたしが不思議に思ったのはここだ。なんか、回答者をどこかにリードしていこうという意図が見え見えじゃないですか。

同じ安倍応援団である読売はどうかというと

Q 安倍内閣について、「長期政権のおごりが出ている」という意見がありますが、あなたは、その通りだと思いますか、そうは思いませんか。

……いくら読売の読者でも驕っていると判断している(68%)。そこへ次の質問。

Q 民進党の蓮舫代表に、期待しますか、期待しませんか。

答 1.期待する 23    2.期待しない 70    3.答えない 7

自民党以外にそれでは期待する政党はあるのかと念押ししているかのよう。まあ、対する朝日新聞も……

最近の安倍首相の発言や振る舞いをみて、安倍首相のことを

大いに信用できる ある程度信用できる あまり信用できない まったく信用できない

結果はもちろん信用できないの嵐。何が言いたいかというと、およそ世論調査なるものが、いかに恣意的な存在で「どう報ずるか」がまず前提にあって、その証拠固めにしかなっていないということだ。ほぼ半数は回答もしていない。賢明な態度ではないでしょうか。

本日の一曲は、ガイジンたちとの飲みが迫っているので(笑)、予習の意味でレディ・アンテベラムの「ハート・オブ・ザ・ワールド」を。新譜が久しぶりに出たようなので応援しよう。

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騎士団長殺しPART1

2017-07-10 | 本と雑誌

1Q84」以来、7年ぶりの書き下ろし長篇。版元の新潮社も気合いを入れて刷りまくった。でも「本の雑誌」の匿名書店員座談会で「この在庫どうすんだ」と語られていたし、地元の書店員も「けっこう残ってます」と渋い顔。売れ行きはさほどよくないのかもしれない。でもへそ曲がりのわたしは、

「だったら買います!」

と第1部と第2部で4000円近い出費を覚悟。いいんだ。二冊で千ページ以上あるんだからお得さっ!と発注。すぐに届けてくれたので奥付をチェックすると、第1部は3刷、第2部が2刷だからまったく売れていないというわけでもない。別に意地を張らなくても著作のすべてを購入しているわたしだから言わせてもらえば、「ノルウェイの森」と「1Q84」の売り上げがどうかしていたと思う。村上春樹自身は変わっていないのに、まわりと時代が変動しているのだろう。

この「騎士団長殺し」もまた、いつもの村上春樹だ。

①もってまわった、それでいて端正な文体

②意外なほど激しいセックス描写

③行間からにじみ出るユーモア

④時代の大きなうねりと個人の体験をシンクロさせるテクニック

……すべて、いつもどおりです。順を追って考えてみましょう。

この小説は、妻の不貞に傷ついた絵描き(肖像画を専門にしている。彼の名は最後まで語られない)が、臨終が近い友人の父親(高名な日本画家)のアトリエに起居する数ヶ月間の物語だ。

①文体
ほとんど感情を激発させない主人公の一人称で語られるお話。となれば否応なしにハードボイルド・ミステリを想起させる。ここ数年、勤勉にレイモンド・チャンドラーの長篇を翻訳してきたことが影響しているかも。しかしこの主人公はフィリップ・マーロウというよりもシャーロック・ホームズの解説役であるワトソンに近い(ホームズ役は複数登場する)。以下次号

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おんな城主直虎 第27回 気賀を我が手に

2017-07-09 | 大河ドラマ

第26回「誰がために城はある」はこちら

前回の視聴率は12.4%とほぼ動かず。上向く要素が今のところあまり見当たらない。小藩の細腕繁盛記に自らを封じているようなので、それは覚悟の上かと。

そう開き直ってしまえば、確かに気賀をいくさもなしに手に入れる手法は(腹黒くて)けっこうです。例によって政次と直虎の盤面で、押したり引いたりを描くのは「真田丸」がCGで情勢を解説していたのと共通。視聴者にとって、いま主人公が攻めているのか攻められているのかがわかりやすいつくりになっている。

ドラマにおけるCGは驚くほどのレベルに達していて、湖面に泊めた船の上で「ここに城をつくる」と宣言する龍雲丸、なんて画にはむかしの大河の演出家たちは「おれのときにもこういうのがやりたかった!」と歯がみしていることでしょう。水上の描写は金がかかって仕方がないらしいし。「勝海舟」とか「風と雲と虹と」とか、無理してたもんなあ。あ、「平清盛」は見ていなかったので壇ノ浦とかはどんな描写だったんだろう。

ただドラマ的には劣化しているのではないかと。誰でも知っている定番の講談ではなく、ほぼ無名の女性城主が幕末までつづく高名な藩(なにしろあの小林正樹の「切腹」の舞台となるくらいだから)の礎を築いた経緯を、有能な女性脚本家を起用して……わかるんだけれども、どうもやっぱり弾まない。

もう折り返し地点を過ぎて、来週は驚くほどわかりやすい扮装の武田信玄(松平健)が登場するみたい。それが、起爆剤になるとも思えないあたりが……

視聴率はやっぱり12%台でしょ。わたしも見続けるかどうか微妙なラインに来ています。今日は半日「深夜食堂」のDVDを見ていたので、南渓和尚(小林薫)が大活躍の展開なら絶対に見るんですけどね。

第28回「死の帳面」につづく

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「海と毒薬」(1986 ヘラルド)

2017-07-08 | 港座

終戦直前に北九州で実際にあった米兵生体解剖事件がモデルになっている。原作は遠藤周作。“海”と“毒薬”が何をシンボライズしているか、きっと読者は生と死、神の存在と不在をからめて考えるようになっているんだと思います(未読です。すみません)。

大学病院に勤務する若き医師に奥田瑛二渡辺謙。良心の呵責に苦しむ勝呂に奥田、なぜ自分は罪を感じないのかといぶかる戸田に渡辺。きっと今なら逆のキャスティングになるでしょう。

DVDの特典映像では、トレンディドラマでブレイクし、いい気になっていた自分を、徹底的に覚醒させてくれた作品だと監督の熊井啓との対談で奥田は吐露しています。

禁断の生体解剖を行う医師、看護婦たちの、それぞれの事情や動機が、進駐軍の将校(岡田眞澄)の尋問によってあらわになっていく。

執刀する橋本教授は、学内の権力闘争に敗れつつあり、乾坤一擲の機会をうかがっていた。そのあせりが軍部の要請を受け入れる結果につながる。演じているのは田村高広。もちろんこれは、同じように派閥争いを描いた「白い巨塔」において、ひとり良心的な医師・里見を田村が演じたことを意識して起用したのだと思います。ダークサイド・オブ・ザ・白い巨塔ってところですか。巨塔もだいぶ黒いですけど。

脇に成田三樹夫、西田健、岸田今日子、根岸季衣、神山繁。彼らがいることの豊潤を思う。特に、戦前の看護婦がどれだけ医者に虐げられ、同時に看護婦が医師を盲目的に尊敬していたかの描写がむしろ怖いくらいだ。

熊井啓の演出はまことに細かい。病院で死ななかったら空襲で死んでしまう時代におけるモラルとは何かを問う傑作。監督補はなんと原一男(「ゆきゆきて、神軍」の監督。「シン・ゴジラ」では学者のひとりを演じていましたよ)でした。

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明細書を見ろ!2017年扶養確認号

2017-07-06 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2016年版はこちら

今回は扶養手当を受給しているか、共済組合の被扶養者がいる人にだけお届けする恒例の号外です。
目的はシンプルで、対象の収入が扶養の条件である

・年額130万円を下回っているか

・給与の場合は、月額108,300円を下回っているか

を確認するため。あなどれないのが学生のバイト。不安定な収入の場合は、3ヶ月の平均をとって、それが108,300円を下回るかが分かれ目。となると、夏休みや冬休みに稼ぎまくって(特にお盆や正月に時給がはね上がるのは、わたしも学生時代のマクドナルド勤務で重々承知しています)超過してしまう例があとを絶ちません。息子や娘の所得に気をつけて。

また、いざ手当や医療費を返納することになると、なんでプライバシーを県にそこまでさらさなきゃいけないんだっ!と怒る人もいます。でもね、手当はあくまで申告行為によって発生するものなので、そのあたりはがまんしていただかないと。先日いっしょに飲んだ他校の教員は

「うちは微妙な線だったから、もらうのやめたんだ。めんどくさいし

なるほど、こういうのもひとつのやり方ではあります。配偶者の手当も減額されましたしね。

……気合いの入らない解説になってしまいましたが、別添の提出書類一覧表をもとに、7月25日(火)まで、このハーフブラインドフォルダにはさんだまま事務室に提出してください。疑問点があったら何でも相談を。

画像は「腕貫探偵」 西澤保彦著

ありえない動機に怒ってはいけません。西澤はとにかく不可能犯罪を成立させたいだけだから。多くの著作のなかでも腕貫探偵シリーズはまだ常識的。公務員名探偵をなめんじゃねーぞって感じがうれしい。父親の扶養手当の確認作業のために在学証明書を事務室に取りに行く学生、なんてキャラまで出てきて笑えます。それにしても、あの腕にするやつ、腕貫(うでぬき)が正式名称だったのか。わたし、ずっと腕差しって呼んでました。庄内弁?

 

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パソコン買いかえました2017PART3

2017-07-05 | デジタル・インターネット

Atlanta Rhythm Section - So Into You (original)

PART2はこちら

職場に持ってきてもらったパソコンを、ちょっと重い気持ちで持ち帰る。パソコンのセットアップにいい思い出などひとつもない。だからその日は箱を開けるだけにして……そんなわけにはいかん!少しでも早く使い始めなければ、と自分を鼓舞。

えーと、ディスプレイと本体をつなぐのはこのコードか……ふむ、スタンドアローンで使うんならこんなに簡単なんだよな。えーとネットとつなぐには……あ、そうか無線LANだから勝手につながってくれるんだった。ダイヤルアップの時代は苦労したもんなあ……うおおおお音声が出ないじゃないか!ひょっとしてスピーカーも買わなければならないの?あ、音声コードをつないでないだけだった。

ふう。これでいちおうまともに動くことにはなった。でも問題はメールとブログ。アカウントがどうしたのIDだのパスワードだの、ああめんどくさい。あれ?gooブログのパスワードはドキュメントのなかをいくら探してもないぞ。メールにしたってグルーピングがまたまっさらになってるし……

書類をひっくり返し、なんとか復旧するまでおよそ二週間。パソコン音痴ながらよくがんばった。

まあ、前より少しは改善されてはいます。OSはwindows10だし(7と使い勝手はほとんど変わらないんですね)、DVDスロットはもちろん健在。前のVAIOよりもディスプレイは大きくて迫力がある(音はさすがにSONY製にはおよばない)。

でもね、まだまだなじめない部分もある。ブラウザは大好きだったFirefoxからGoogle Chromeに変えてしまい……おーいChromeで「お気に入り」はどうやって表示するんだぁあああ……え、全画面表示が基準だからエクスプローラーバーで表示はできないソフトなの?へー。

わたしはでも悟っている。これまでも、機械の方に自分がなじんできたじゃないかと。まあ、なんとかなるんじゃないかな。

どわっ、忘れてた!前のパソコンに入ってたiTunesのデータはどうなるのっっっ(T_T)。前途多難

本日の一曲は、どうしてルックスと楽曲のイメージがこんなに違うのかしらなアトランタ・リズム・セクションの「SO INTO YOU」。おしゃれだなあ。

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都議選2017

2017-07-04 | 国際・政治

秦基博 なごり雪

・都民ファースト 49

・自民      23

・公明      23

・共産      19

・民進       5

……これが、新しい都議会の勢力図。無所属の当選者がおそらくは都民ファーストになだれ込むだろうし、圧勝という形にはなっている。でも、東京都民ではないわたしがこんなことを言ってもうしわけないが、この選挙は「都民ファーストの勝利」である以上に「自民党の惨敗」と「どれだけ選挙上手なんだ公明」という形で語られていくことと思う。突っこみどころ満載なので箇条書きで。

森友、加計、暴言議員、国会軽視、自衛隊の私兵扱いなど、よくもまあこれだけ一気に不祥事が自民党に連続したものだと思う。

・それでも自民一強、安倍一強のイメージは強く、世論調査でも都民ファーストと自民は拮抗していた。

・それが雪崩をうって都民ファーストに票が動いたのは、およそ国内でもっとも無党派層が多く、風次第で結果が大きく左右される東京ならでは。

・自民党幹部は直前におそらくその傾向をつかんでいたのだと思う。だからやけになったふりをして、二階麻生がマスコミ批判をかまして開票時のショックをやわらげようとしたのだ(まあ、例によって失言なのかもしれませんけどね)。

・都民ファーストというローカルパーティに本気で期待している人がどれだけいるのだろう。改革改革と言い放つ連中にろくなのはいない、というのがわたしの持論。風を読むことに長け、都議会の自民党会派を仮想敵に仕立て上げることに成功した小池百合子は、実は国家主義的志向が強い政治家であることを忘れてはならないと案じている。心配なのは東京の大阪化だ。

・もうひとつの選択肢が示されれば、かくのごとく自民党から票はどんどん逃げていく。でも、国会ではそうはいかないだろう。民進の代表と小池知事を並べればそれは自明。あの代表に総理がつとまるはずがないと世間が見ているのを、民進はなぜ気づかないのだろう。

・そしてもうひとつ。この惨敗で改憲を首相があきらめるはずはない。むしろ、だからこそガンガン攻めてくるぞ。そうすることで、自らの失態を糊塗したいに違いないのだから。

本日の一曲は秦基博バージョンの「なごり雪」。そろそろ現首相には山口にお帰りいただいた方が。

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「LOGAN/ローガン」(2017 FOX)

2017-07-03 | 洋画

驚異的な回復力によって、不老不死だった男。ウルヴァリンの文字通り長大な物語をどう終わらせるか。この作品「LOGAN/ローガン」はもののみごとに描ききっている。

近未来。ウルヴァリンことローガン(ヒュー・ジャックマン)は、やつれた表情で運転手として金を稼いでいる。その金は、かつてX-MENを率いたチャールズ・エグゼヴィア(パトリック・スチュワート)の“能力”を制御する薬を買うためのもの。彼はアルツハイマーを患っており、能力を全開にしてしまうことで大きな被害をまわりに与えたことがあった……

あの超能力者たちがしょぼくれた感じが哀れ。何らかの事情で25年間もミュータントは出現せず、X-MENも過去の存在になっているのだ。気勢の上がらない話である。

そこへひとりの少女ローラが現れ、事態は一変する。彼女は全盛期のウルヴァリンと同様の能力を持っていた。それはなぜか。

不老不死が決して幸せなことではないのは容易に想像できる。ウルヴァリンが愛した存在はことごとく消えていく。あのジーン・グレイ(大好きファムケ・ヤンセン!)をはじめとして。

だからウルヴァリンは誰も愛さず、家族も持たない。そんな彼が、最後の最後に得たものとは。

シェーン」を下敷きにしたストーリーがとてもすばらしい。エグゼヴィアとローラがテレビでいっしょにあの名作を見るシーンがラストにきちんとつながる。シェーンが去って行くあのとき、実は負傷していたことを知っていましたか。だから「シェーン!カンバーック」という少年の呼び声は決して実現しないことだったのだ。同じように……

「ウルヴァリン・ザ・ファイナル」とか変な邦題がつかなくて本当によかった。ローガンというひとりの寂しかった男が、小さな幸せを抱いて去って行く物語は、「シェーン」というそっけないタイトルに呼応しているのだから。「3時10分、決断のとき」につづいて、ジェームズ・マンゴールドはみごとな“西部劇”をつくってくれた。傑作。

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おんな城主直虎 第26回 誰がために城はある

2017-07-02 | 大河ドラマ

第22回「虎と龍」はこちら

ほぼ一ヶ月ぶりに大河ドラマ特集復活。んとにパソコントラブルはしんどかったのでした。それが過去形じゃないのがまたつらいのですが。

これまでも直虎はちゃんと見逃さないでいましたよ。前回の視聴率は12.3%でしたが、ほぼそれくらいの数字で推移。低値安定というか。それ以上にまわりから大河への興味がどんどん薄れているような。細腕繁盛記化は確信犯のようで、大河ではなく、単なる日曜時代劇ではないか……まあそれはともかく。

地方選のひとつにすぎない東京都議会議員選挙に、大河が時間帯も含めて影響を受けるのも4年前(「八重の桜」からもうそんなにたつのか)といっしょ。あまり大きな声では言えませんが、浮薄な選択をしてきっとまた後悔するんだよな。東京の人たちって懲りないなあ。

さて直虎。彼女も領民ファーストの姿勢でがんばっている。その当時に選挙制度があれば、きっと彼女も大きな支持を得ることだろう。でも現実は少しずつ領民に妥協を強いるしかないわけで、そのあたりの政治的成長を政次との囲碁に仮託するあたりは森下脚本の定番となっております。つまり、筋はいいけれどまだまだだと。

本日のタイトルはヘミングウェイ原作「誰が為に鐘は鳴る」をいただいて、しかもちゃんと内容に合っている。ただね、イングリット・バーグマンの

「キスをするとき、鼻は邪魔にならないの?」

という究極の決め台詞に代表されるような、ヒロインが命をかけている感じが残念ながら……。井伊谷はまだまだホビット村です。次回もこれくらいの視聴率でしょ。

第27回「気賀を我が手に」につづく

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今月の名言 2017年6月号 文民。

2017-07-01 | ニュース

2017年5月号PART1「読売新聞を読んでね」はこちら

「自衛隊、防衛省とも連携のある候補を、ぜひ2期目の当選をお願いしたいと、防衛省、自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いをしたいと思っています」

もちろんこれは稲田防衛大臣が都議選の自民党候補の集会で発したもの。先月の失言王、大西議員もびっくりのレベル。自衛隊の政治的中立がどうしたと問題になっているようだけれど、わたしは別の意味でこの発言が怖い。

まず、この程度の人物が自衛隊のトップにいることが怖い。もしも明日、なんらかの軍事的“状況”が発生したとき、この稲田朋美が自衛隊を率いるのだ。おまけに最高指揮監督権はあの安倍晋三が握っている。極右コンビがどのような行動に出るのか、わたしは不安でならない。

そして、この大臣は感覚として自衛隊を“自分のもの”だと思っているらしいことがうかがい知れる。極端なことを言えば私兵だと。これまでの失言の数々から、感情を制御できないお調子者に、そう言って悪ければ「子ども」に危ないおもちゃを持たせては絶対にいけないことは現内閣を支持している人たちでもおわかりいただけるでしょう?

最も怖いのは、彼女が防衛省でどのような公務をどのように行っているか、自衛官たちは冷静に見ているはずで、彼ら彼女らが上司としての大臣をどう評価しているかは容易に想像できる。文民統制は近代軍にとって絶対的前提。しかしこの大臣が居座れば居座るほど(居座ってくれたほうが現内閣が弱体化することは確実なので、辞任も罷免もしないでほしいという気持ちも少しはあるけれど)、文民への忠誠心は薄れていく。これが国家的危機でなくてなんだろう。

政治と金をめぐる問題でうんざりしていた時期はまだ幸せだった。極右たちは、積極的に亡国を志向しているとしかわたしには思えない。この大臣が次の総理候補だと自他ともに認めていたことがあったなんて、悪い冗談です。

実は昨夜、ないしょだけどフランチャイズでいっしょになったのは自衛隊。そぉーっと訊きました

「どうなの?トップが稲田って気分は」

みんなニコニコしていました。何も、申しますまい。

2017年7月号PART1「玄人好み。」につづく

コメント (2)
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