第41回「月にのぼる者」はこちら。
大河ドラマの主役に明智光秀を選んだ以上、ここだけは避けられないテーマ。
「なぜ、明智光秀は織田信長を討ったのか」
バリバリにかましてましたね。荒木村重のパターンと、徳川家康への理不尽さが出てくれば織田信長の異常さは浮き彫りになる。
戦国大名の人気ランキングでは、必ず織田信長が上位に来る。彼に投票した人たちにとって、今回の大河はどうだったんだろう。母と妻に認めてもらえないコンプレックスの塊のようなあつかいは不快だったんだろうか。
荒木村重の一族郎党をすべてなで斬りにしたことと、徳川家康の妻と長男を死なせろと命じたことだけでわたしは信長嫌いなわけじゃない。やっぱり彼はどこか破綻していた人なんだと思います。その破綻があったからこそいろんなことが成し遂げられたのかも。そこも含めて、嫌いです(笑)。
染谷将太が絶妙にそのあたりを。くどいようですが帰蝶を沢尻エリカが演じていればもっと強調されたでしょう。
天皇家と将軍家と武家たちの、こわいぐらいの結束の地に明智十兵衛はいたという話になるのかな。信長が光秀の頭を打擲するという名シーンはかくて実現。そこにお駒さんをからめるあたりはさすが。
長谷川博己のファミリーヒストリーを見ていた妻は感動し、「この人の母方のルーツは新庄だったのよ!」はー。
3年後の大河は松潤で家康ものとか。脚本は「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマン」の古沢良太。うわあ。三谷幸喜の「鎌倉殿の13人」に続いてそれか。あと三年は絶対に死ねないってことだ。がんばろう。んで、そのときの織田信長はどう描かれるものだか。
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「なぜ、明智光秀は天下をとれなかったのか」
っす。
第四十三回「闇に光る樹」につづく。