ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

カオジロトンボ

2017-08-06 20:55:56 | トンボ/トンボ科

 カオジロトンボ Leucorrhinia dubia orientalis Selrs ,1887 は、トンボ科(Family Libellulidae)カオジロトンボ属(Genus Leucorrhinia)で、体色は全身が黒で、翅胸背面や腹部第2,3節あたりに黄褐色または赤色の部分がある。また腹部背面には黄褐色の斑紋がある。また額が白色であるのが大きな特徴で、和名の由来となっている。
 海外では、ヨーロッパ・ロシア・中国・朝鮮半島に、国内では、北海道から本州中部地方に分布し、ヨーロッパには原名亜種 Leucorrhinia dubia dubia (Vander Linden ,1825)が、ロシアから日本かけては本種が分布している。またカオジロトンボ属のトンボは、国内では本種とエゾカオジロトンボ Leucorrhinia intermedia Bartenef, 1910 の2種のみが分布している。
 カオジロトンボは、北海道では低地に、本州では、標高1,000以上の山岳地帯に点在的に生息し、モウセンゴケやミズゴケの生えた高層湿原にある池のみというごく限られた環境に生息しており、個体数も少ない所が多い。湿原周辺の樹林伐採による土砂流入、水源の枯渇や水温上昇などによる生息環境の悪化で、絶滅が危惧される地域もあり、環境省カテゴリにこそ記載はないが、福井県のRDBでは絶滅危惧Ⅰ類、岐阜県、石川県、栃木県、山形県、青森県では準絶滅危惧種として選定している。

 今回、カオジロトンボの交尾態を初めて撮影したので、過去に撮影したオスの写真ともにまとめた。
 撮影した池は、池の半分以上がミズゴケで覆われ水深も浅い。撮影はしていないが、本種以外に、ルリボシヤンマ、キイトトンボ、アオイトトンボが見られた。

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カオジロトンボの写真

カオジロトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250(2013.8.10)

カオジロトンボの写真

カオジロトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250(2013.8.10)

カオジロトンボの写真

カオジロトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250(2013.8.10)

カオジロトンボの写真

カオジロトンボ/交尾態
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 640(2017.8.07)

カオジロトンボの写真

カオジロトンボ/交尾態
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 800(2017.8.07)

カオジロトンボの写真

カオジロトンボ/交尾態
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 640(2017.8.07)

カオジロトンボ生息池の写真

カオジロトンボの生息環境

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