トンボ科(Libellulidae)ヨツボシトンボ属(Libellula属)は、日本国内に以下の2種が生息している。
ヨツボシトンボ属 ヨツボシトンボは、北海道、本州、四国、九州に分布し、平地では4月下旬頃から5月上旬、標高の高い山地や北海道では7月でも見られる。環境省RDBには記載されていないが、都道府県のRDBでは、東京都、千葉県、愛媛県で絶滅危惧Ⅰ類、神奈川県で絶滅危惧Ⅱ類、埼玉県、栃木県、静岡県などで準絶滅危惧種として選定している。 両種ともにヨシなどの挺水植物が繁茂している池沼や湿地に生息し、周辺の豊かな植生が不可欠であると言われているが、ベッコウトンボにおいては池の浅い部分に適当な開水面があり,植物が水面を埋め尽くさないような条件が必要で、また、幼虫は採餌のための徘徊が不活発で、餌となる小動物の密度が薄くなると生存率が著しく低下すると言われている。 注釈:本記事は、過去に様々な地域や場所において撮影し個別に公開していた写真を、時節柄の話題として提供するために再現像し編纂したものです。 お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。 ヨツボシトンボ ヨツボシトンボ ベッコウトンボ ベッコウトンボ ベッコウトンボ 掲載のヨツボシトンボは東京都あきる野市で、ベッコウトンボは静岡県磐田市の鶴ヶ池で撮影したものだが、写真では、両種ともに脚4本で止まっているのが分かる。止まる時にも飛んでいる時と同じように前脚を頭の後ろに折りたたんでいることがあるのだ。こうした動作は、シオカラトンボ、コシアキトンボ、チョウトンボでも見られるが、6本で止まることもあり、理由については分かっていない。 ヨツボシトンボ 東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved. ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ベッコウトンボは、かつては宮城県以南の本州・四国・九州に広く分布し5月上旬頃をピークに見られたが、各地で絶滅し、環境省RDBでは絶滅危惧ⅠA類、多くの都府県RDBにおいても絶滅もしくは絶滅危惧Ⅰ類に選定されている。現在の確実な生息地は静岡県・兵庫県・山口県と九州に数か所しかなく、トンボ類の中では一番絶滅が危惧されている。
また、国内希少野生動植物種(種の保存法)にも指定されており、捕獲は原則として禁止されている。
平成8年に文部科学省、農林水産省、環境省によってベッコウトンボの保護増殖事業計画が策定され、生息地の1つである鹿児島県薩摩川内市の藺牟田池は、平成8年に種の保存法に基づく「生息地等保護区」に指定され、生息環境の保全とモニタリングを行っている。また、国内では唯一の安定した多産地と言われている静岡県磐田市にある桶ケ谷沼は、沼とその周辺約50.5ha(およそ東京ドーム10個分)が、県の条例に基づき自然環境保全地域に指定され、さらに地域内の11.4haが特別地区(野生動植物保護地区)に指定されており、ベッコウトンボをはじめとする多くの貴重な動植物が守られている。
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200(撮影地:東京都あきる野市 2011.5.14)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 320(撮影地:東京都あきる野市 2011.5.14)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1000(撮影地:静岡県磐田市 2011.5.3)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 800(撮影地:静岡県磐田市 2011.5.3)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 200(撮影地:静岡県磐田市 2012.4.29)
尚、以前「昆虫なのに脚4本?」という記事でタテハチョウについて紹介したが、タテハチョウ科の前脚は萎縮していて小さくなっており、頭部と中脚の間に小さく折り畳まれていて、歩行や止まるためではなく感覚器官としての働きに特化している。
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/640秒 ISO 200(撮影地:東京都あきる野市 2011.5)
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