アイノミドリシジミ Chrysozephyrus brillantinus (Staudinger, 1887) は、シジミチョウ科ミドリシジミ族で、日本産ゼフィルスの中でもオスの翅表が金緑色に輝くメスアカミドリシジミ属(Chrysozephyrus)の一種である。
アイノミドリシジミは、2013年、2014年に撮影しているが、ゼフィルス撮影で目標としている「羽化したばかりで翅の擦れていない個体で、その種らしい一番美しい輝きの翅表」の写真は2013年に一枚(掲載写真1枚目)しか撮れていなかったため、本年は、本種のもっと美しい写真を撮ることを目標にしていたが、長梅雨と梅雨寒の週末続きで、低山地の産地に行くことができなかった。そこで、8月3日に発生が遅い標高の高い栃木県の多産地を訪れたが、1頭も見つからない。当地の発生時期としては最盛期と思われたが、目的は達成できなかった。しかしながら、先日遠征した長野県において、翅の擦れた個体ではあるが、とりあえず出会いだけは叶った。(掲載写真2~5枚目)
早朝5時半。もしかしたら本種が生息しているかもしれないという期待で、朝日の当たる標高1500mの林縁にて探索開始。飛び始めたのは、10頭以上のヒメキマダラヒカゲ。1時間経ってもアイノミドリシジミは姿を現さない。ダメかもしれないと探索を諦め、他のチョウを撮るために登山を開始。9時過ぎに下山して戻ってくると、何と探索していた林縁で多くのゼフィルスが卍飛翔中であった。
卍飛翔はいつ見ても面白い。自分のテリトリーに別のオスが侵入してくると、2頭、3頭が一定の距離を保ったままクルクルと高速で回りながら飛ぶ。どちらかが逃げ出すと、それぞれがお決まりの場所(葉先)に止まる。そして、また発進。その繰り返しである。止まったところで確認すると、本種の他にジョウザンミドリシジミもいる。異種であるアイノとジョウザン同士でも卍飛翔をするようである。
アイノミドリシジミの活動は、これまで早朝5時過ぎからという知識があったが、過去の撮影データを見ても、どうやらそれは間違った知識であったようだ。天候と標高(気温)によって多少の差はあるだろうが、おおむね8時過ぎ頃からのようであり、10時頃には活動を止まてしまう。8月3日に訪れた栃木県の多産地においても、もう少し待っていれば、見られたかも知れない。来年は、これらの経験をもとに本種の美しい姿を残したいと思う。
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アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500 -1/3EV (撮影地:栃木県 2013.7.21 8:49)
アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.5 1/160秒 ISO 100 (撮影地:長野県 2019.8.10 9:13)
アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 100 -2/3EV (撮影地:長野県 2019.8.10 9:14)
アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 100 -2/3EV (撮影地:長野県 2019.8.10 9:15)
アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.0 1/160秒 ISO 100 (撮影地:長野県 2019.8.10 9:23)
アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/250秒 ISO 640 -1/3EV (撮影地:栃木県 2013.7.21 8:31)
アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 -1/3EV (撮影地:栃木県 2013.7.21 8:37)
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