スジボソヤマキチョウ Gonepteryx aspasia niphonica Verity, 1909 は、シロチョウ科(Family Pieridae)/ヤマキチョウ族(Tribe Gonepterygini)/ヤマキチョウ属(Genus Gonepteryx) に属するチョウで、国内に生息している3種の内の1種である。
(タイワンヤマキチョウは、国内では八重山諸島に分布)
ヤマキチョウに関しては、現段階ではリンク先の記事を参照頂き、今回は、本種について写真を追加してまとめたのでご一読頂きたい。
ヤマキチョウ属
- ヤマキチョウ Gonepteryx maxima maxima Butler, 1885
- スジボソヤマキチョウ Gonepteryx aspasia niphonica Verity, 1909
- タイワンヤマキチョウ Gonepteryx amintha formosana (Fruhstorfer, 1908)
スジボソヤマキチョウは、近縁種のヤマキチョウとは、前翅先端の突起が強く、翅に赤系の縁取りがないことで形態的に区別できる。また、本種は、紀伊半島を除く本州と四国、九州にに分布し、生息範囲は、高原、疎林、渓流沿い、林縁から落葉広葉樹林の内部まで、地形も平坦地、緩斜面や急斜面など広範囲に及んでいる食樹は、クロツバラの他にクロウメモドキも食べる。
大きさは55~62mmと日本産のシロチョウ科の仲間では大型である。オスの翅はあざやかな黄色で、各翅の中程に赤橙色の点が一つずつあり、メスの翅の色は、白色に近い色である。年一化で、7月頃に羽化し、しばらく活動後、夏眠する。そして9月頃になると再び現れ、ヤマキチョウ同様にそのまま成虫で越冬し、春に産卵し、5月頃まで生き続けるのである。冬は湿った場所で越冬すると言われ、越冬後は翅の綺麗な黄色が抜けて染みだらけになってしまう。
スジボソヤマキチョウは、環境省RDBに記載もなく、長野県や栃木県等では比較的多くみられるが、香川県で絶滅、宮崎県、大分県、三重県、愛知県では絶滅危惧Ⅰ類に、鳥取県、大阪府では絶滅危惧Ⅱ類に、山口県、奈良県、京都府、滋賀県では準絶滅危惧種に選定しており、近年、減少傾向にあるチョウである。混交林の繁茂により食樹であるクロウメモドキの生育不全が原因と言われている。
ちなみにヤマキチョウは、環境省RDBでは絶滅危惧IB類に選定され、分布は極めて狭く、青森県と岩手県、長野県と山梨県の一部地域にしか生息していない。
お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

スジボソヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.0 1/500秒 ISO 200 +1EV(2014.7.12)

スジボソヤマキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.0 1/640秒 ISO 200 +1EV(2014.7.12)

スジボソヤマキチョウ / 雌雄の飛翔
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F2.8 1/1000秒 ISO 200 +1EV(2014.7.12)

スジボソヤマキチョウ / 雌雄の飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 250 +1/3EV(2015.9.11)

スジボソヤマキチョウ / 越冬後
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/640秒 ISO 200 -1/3EV(2014.5.3)
東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます