ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ホソミイトトンボの産卵

2016-05-06 18:05:47 | トンボ/イトトンボ科

 ホソミイトトンボ Aciagrion migratum (Selys, 1876)は、イトトンボ科ホソミイトトンボ属で石川県、栃木県を北限東限とする本州、四国、九州に分布する南方系のイトトンボである。トンボ類では国内で唯一、夏型と越冬型の季節型があり、夏型は6月頃から見られ、9月頃には姿を消し、越冬型は盛夏頃から現れ、そのまま成虫で冬を越す。(参照:「成虫で越冬するトンボ」)夏型は淡青色をしているが、越冬型も当初は淡青色であるが、越冬後の繁殖期には鮮やかなブルーに変色する。
 平地や丘陵地の挺水植物が繁茂している湿地や滞水・水田などに生息し、関東では、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県でも見ることができるが、生息地はたいへん局所的である。 環境省RDBに記載はないが、埼玉県、千葉県、石川県、愛媛県では絶滅危惧Ⅰ類に、長野県、福井県では絶滅危惧Ⅱ類に選定されている。今回、絶滅危惧Ⅰ類に選定されている埼玉県内に 多産している場所を見つけ産卵の様子を撮影したので、紹介したいと思う。

 5年ぶりに訪れた埼玉県のとある里山。谷戸に水田、小川、畑、ため池、湿地、草地、雑木林があり、理想的な里山環境が整っている。田植え前の水の張られた水田では、美しい青色になった無数のホソミイトトンボが飛び交い、あちらこちらで産卵が行われていた。産卵は、近くのため池ではなく、水深がわずかな水田の畔に近い部分で、倒れた植物の茎や落葉に行っていた。
 今回、水面よりも数十cmほど高い位置からしか撮れなかったため、雌雄ともにピントを合わせることができず、見苦しい写真が多い。水面ぎりぎりの高さで撮影できれば、良い生態写真になったのではないかと反省をしている。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ホソミイトトンボの産卵

ホソミイトトンボの産卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/250秒 ISO 400(2016.5.5)

ホソミイトトンボの産卵

ホソミイトトンボの産卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/250秒 ISO 250(2016.5.5)

ホソミイトトンボの産卵

ホソミイトトンボの産卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 200(2016.5.5)

ホソミイトトンボのペア

ホソミイトトンボ(ペア)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 200(2016.5.5)

ホソミイトトンボのペア

ホソミイトトンボ(ペア)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 2000(2016.5.5)

ホソミイトトンボのペア

ホソミイトトンボ(ペア)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +1EV(2013.5.6)

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