日本におけるタテハチョウ科(Family Nymphalidae)キタテハ属(Genus Polygonia)は、以下の2種が生息している。
- キタテハ属 Genus Polygonia
- キタテハ Polygonia c-aureum c-aureum(Linnaeus, 1758)
- シータテハ Polygonia c-album hamigera (Butler, 1877)
キタテハは、北海道(南西部の渡島半島のみ)から九州まで分布し、幼虫の食草は、アサ科のカナムグラ、ホソバイラクサなどで、平地から低山地にかけて、林やその周辺、川原などでよく見られる。
一方、シータテハは北海道から九州まで分布する。北海道では普遍的に生息するが、本州での分布は不連続でやや標高の高い山地に限られ、四国・九州では個体が少ない。環境省カテゴリにはないが、徳島県、香川県、愛媛県、島根県のRDBで絶滅危惧Ⅰ類に、神奈川県、高知県、大分県、鹿児島県のRDBで絶滅危惧Ⅱ類に選定している。幼虫はクワ科のホップ、ニレ科のハルニレ、アキニレ、エノキなどを食草としている。
両種は、翅の縁の切れ込みの深さや後翅の表にある水色斑で容易に区別でき、両種ともに初夏から真夏にかけて現れる夏型と、秋に現れてそのまま越冬する秋型がある。また、後翅の裏にはC字型の小さな模様があり、学名の「c-aureum」(金色のC)と「c-album」(白色のC)の由来となっている。
シータテハは、東京近郊では山梨県の標高の高い所へ行かなければ見ることができないが、キタテハは、東京でも多摩西部に行けば普通に見られるチョウである。これまで何度となく出会い、時々撮影はしていたが、過去の写真を集めてみると、雌雄の夏型と秋型、またそれぞれの翅表と翅裏をすべて撮っていたかというとそうでもない。身近な種をキッチリと撮影していないことを反省せざるを得ない。
秋雨前線の影響で、目的地は二週連続で天候不良。そのため、8月26日以来遠征無しの週末続きである。仕方なく、写真を整理して未掲載写真を含めてまとめた。
お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。
キタテハ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/200秒 ISO 200(撮影地:東京都 2011.09.04)
キタテハ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 320(撮影地:東京都 2011.10.23)
キタテハ(夏型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1600 -1/3EV(撮影地:埼玉県 2012.06.17)
キタテハ(秋型)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 1600(撮影地:千葉県 2013.03.20)
シータテハ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.5 1/800秒 ISO 200 +2/3EV(撮影地:長野県 2011.09.10)
シータテハ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/200秒 ISO 200(撮影地:群馬県 2012.08.25)
シータテハ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/200秒 ISO 200 +1/3EV(撮影地:群馬県 2016.09.10)
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます