ルリイトトンボ Enallagma circulatum Selys, 1883 は、イトトンボ科(Family Coenagrionidae)ルリイトトンボ属(Genus Enallagma)で体長32mm~37mm、オスは美しい瑠璃色をしており、メスは青色型と緑色型の2型がある。黒い斑紋の出方は地域により変異があり、北方のものほど黒味が強い傾向がある。
北海道、東北・上信越地方、福井県、石川県、岐阜県に分布し、北海道では平地の池沼でも生息しているが、本州では標高の高い山岳地の挺水植物の豊富な池や沼、湿原に生息している。
近年、山間の池沼や湿原の減少、水源の枯渇や水温上昇などによる生息環境の悪化、湿原周辺の樹林伐採や大雨による土砂流入で産卵するヒツジグサ等の水生植物が埋まる等々が原因で個体数が激減している。また、一部では散策者の踏み荒らしが原因とも言われている。本種は、環境省カテゴリにはないが、栃木県では絶滅、宮城県、石川県では絶滅危惧Ⅰ類、新潟県では絶滅危惧Ⅱ類、青森県、山形県、福島県、岐阜県、福井県では準絶滅危惧種に選定している。
ルリイトトンボは、2011年に長野県の池にて(写真3の連結態)撮影しているが、前記事のカラカネイトトンボを撮影した池にも多数見られた。本種は、羽化後は水域から離れて周辺の樹林で過ごし、成熟すると羽化水域に戻って繁殖行動を行うが、訪問時は将に繁殖時期であった。長野県のメスの個体は、ほとんどが緑色型であったが、当地のメスはほとんどが青色型であった。(当地での目標がカラカネイトトンボであったため、ルリイトトンボをほとんど撮影していなかったことを後悔している。)
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ルリイトトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 200(撮影地:岩手県 2018.7.14)
ルリイトトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 250 +2/3EV(撮影地:岩手県 2018.7.14)
ルリイトトンボ(雌雄の連結態)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/800秒 ISO 200 (撮影地:長野県 2011.7.16)
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素晴らしい光景をご覧になったのですね。
ルリイトトンボだと良いですね。