ミヤマモンキチョウ Colias palaeno (Linnaeus, 1761) は、浅間山系及び飛騨山脈の森林限界(1,800m)以上の高山帯にのみ生息するシロチョウ科モンキチョウ属(Colias属)の高山蝶で、 Colias palaeno aias Fruhstorfer, 1903 (浅間連山亜種)と Colias palaeno sugitanii Esaki, 1929 (北アルプス亜種)に分類されている。普通種のモンキチョウよりもひと回り小さく、オスは、地色が黄色で翅表の外縁には黒い帯模様があり、翅縁・触角・脚がピンク色なのが特徴で、高山帯の岩礫地に生育するツツジ科スノキ属のクロマメノキを食草としている。尚、クロマメノキの選抜品種である浅間葡萄は、ブルーベリーに似た甘酸っぱい味で食用になっている。
ミヤマモンキチョウは、マニアの採集とクロマメノキの盗掘による減少が著しく、2亜種とも環境省RDBでは準絶滅危惧(NT)として記載され、群馬県では絶滅危惧Ⅰ類、長野県では準絶滅危惧種、富山県・岐阜県では、絶滅危惧Ⅱ類に選定している。また、長野・群馬・富山では、県の天然記念物に指定しており、採集することはできない。
ミヤマモンキチョウ(浅間連山亜種)は、2014年7月に撮影しているが、同一個体のオス2カットのみであったため、
2年ぶりに生息地を訪れての再挑戦である。
現地のクロマメノキが群生する場所に到着すると、そこそこの数の黄色いチョウが飛んでいたが、モンキチョウ Colias erate poliographa Motschulsky, [1861] も生息しているため、より小さく、しかも翅表外縁の黒い帯模様のものを探すと、何頭も飛んでいる。ミヤマモンキチョウは、太陽が隠れると、まったく飛ばない。飛んでくれないと、見つからない。日が差すと飛ぶが、今度は良い位置に止まらない。木道からしか撮れないので苦労したが、何とかオスとメス、飛翔、産卵の場面を撮影することができた。本記事では、比較のために普通種である「モンキチョウ」の写真も併載した。
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ミヤマモンキチョウ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 250 +2/3EV (2014.7.12)
ミヤマモンキチョウ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 400(2016.7.18)
ミヤマモンキチョウ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 250(2016.7.18)
ミヤマモンキチョウ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 250(2016.7.18)
ミヤマモンキチョウ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 250(2016.7.18)
ミヤマモンキチョウ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 200(2016.7.18)
モンキチョウ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F2.8 1/1250秒 ISO 200(2010.06.26)
モンキチョウ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F2.8 1/1000秒 ISO 200(2010.06.26)
モンキチョウ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F2.8 1/1250秒 ISO 200(2010.07.17)
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コメントありがとうございます。
昆虫は飛び回って、花に止まっても
あっという間に移動してしまうので、
根気と運の良さでしょうか。
100枚撮って1枚撮れれば、ラッキーです。