ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

枝折峠の滝雲

2022-09-26 21:43:30 | 風景写真/秋

 枝折峠の滝雲は、「一生に一度は見たい絶景!雲の大瀑布」と言われている。それならば、一度は見て撮っておきたいものである。ちなみに「枝折峠の滝雲」は、新潟県魚沼市にある標高1,065mの枝折峠(しおりとうげ)から眺めることができ、奥只見湖や銀山平で発生した大量の雲が雲海となり山の谷間にたまり、谷を埋め尽くした雲が溢れて山の稜線を流れ落ちる自然現象のことである。
 滝雲は、北海道や山形、熊本の阿蘇などでも見ることができるが、枝折峠も含めて、まず雲海が発生しなければ始まらない。9月23日から世間では3連休。しかしながら4週連続で台風が接近。今回の15号は、小型ながら東海地方に大きな被害を及ぼすなどしたが、24日(土)には温帯低気圧に変わり、午後から東京も回復傾向にあった。新潟の天気予報を見れば、24日は雨だが翌25日(日)は朝から晴れ。雲海が出来るに違いない。
 24日(土)は会社に出勤だが、この日は午前中で仕事は終了。14時半に都心の勤め先から、そのまま新潟へ車を走らせた。関越道は既に道が乾いており、群馬県内では青空も見えていたが、関越トンネルを出ると何と雨。小出ICで降りたが、暗い雲が低く垂れこめていた。
 枝折峠は新潟県魚沼市と福島県檜枝岐村を結ぶ国道352号線にあり、魚沼側から国道352号線で行くことができるが、道がかなり狭い。そこで、魚沼市から奥只見湖を結ぶ「奥只見シルバーライン」(全長22.6kmのうち18.1kmがトンネル)を通り、途中の奥只見湖西部の「銀山平温泉」から国道352号線に入り向かう方が良いと聞き向かったが、最後の樹海ラインは、道が細く狭く、車のすれ違いは困難である。ただし、この時間に下ってくる車は当然いない。枝折峠には、18時半に到着。すでに駐車場は半分以上が埋まっていた。皆、考えることは一緒である。雨は、相変わらず降っているが、天気予報を信じて就寝。
 午前3時に目覚ましを掛けたが、2時に目が覚める。空を見上げると星が見えた。頭が冴えてきて眠れない。2時半から早々に準備を開始し出発。気温は12℃で寒い。厚手のシャツを羽織って登山開始である。トイレの脇から越後駒ヶ岳への登山道があり、撮影ポイントは15分ほど登ったところ。駐車場近くの道路からでも撮影できるとあったが、標高の高い所から眺めてみたかった。
 真っ暗な時間に懐中電灯を付けて登らなければならないが、登山道は、細く険しい。こんなだとは想像もしていなかった。一か所だけ危険なところがあり、踏み外せば滑落してしまう。息を切らしながら、ポイントを探すが、真っ暗でどこが良いのか分からない。すでに何カ所かでカメラマンが三脚を立てていたので、その内の一か所で見晴らしが良さそうな所に決め三脚をセットしたが、ここもかなりの急斜面。三脚をしっかりと固定しないと、カメラごと滑落してしまうような場所であった。

 午前3時から待機。一番の目的は、前項の黄道光と滝雲を組合せた写真であったが、眼下には雲海が広がっているものの東方向の空には雲がかかり星は見えない。しばらくすると、雲がなくなり星が見えるようになってきたのだが、今度は雲海が消え始めた。それでも黄道光と天の川は奇麗に見え、写真にも撮ることができた。
 さて、肝心の滝雲はどうであろうか。午前5時頃になると、再び雲海の量が増え始め、溢れた雲海が山の稜線を越え始めた。これが枝折峠の滝雲である。自然現象であるから、雲海が稜線を越える場所や量は、その時によって違う。今回は小規模のようであるが、それでも日の出直後には、まさに大瀑布とも言える光景であり、自然の驚異と神秘を感じた。
 小規模でなければ、50mmレンズで空も入れた全体を写したが、今回は望遠レンズで滝雲の部分を切り取った。また、映像はすべて2倍速で編集していることをご承知いただきたい。

 枝折峠を6時半に出発。美人林や棚田など様々な場所へ寄ることもできたが、20時から日本ホタルの会のオンライン会議があったため、トンボ池一か所だけに立ち寄り、帰路に就いた

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 3.2秒 ISO 400 -1 1/3EV(撮影地:新潟県/枝折峠 2022.9.25 5:03)
枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 0.5秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 5:26)
枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 5:31)
枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 0.4秒 ISO 50 -2/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 5:36)
枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/20秒 ISO 50 -2/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 5:52)
枝折峠の滝雲の写真
滝雲
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/80秒 ISO 50 -2/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 6:10)
枝折峠の滝雲(再生時は、設定からHDお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます)

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