秋の星空と黄道光を新潟県魚沼市の枝折峠で撮影した。
黄道光は、昨年10月2日に長野県の乗鞍高原にて撮影し「黄道光クロス」として掲載しているが、昇ってきた月が黄道光とかさなってしまい、誤解されやすい写真であったため、場所を新潟に変えて再挑戦である。
黄道光は、太陽の通り道である「黄道」に沿って伸びる淡い光のこと。黄道付近には彗星からの放出や小惑星同士の衝突で生成された小さな塵がただよっており、それらに太陽光が散乱されて、春は日没後の西の空に、秋は日の出前の東の空に淡い光となって見えるのである。秋は、日の出の約1時間前に東の地平線の上空に光が伸びて、冬の天の川とクロスする。昔は朝日の光と間違えられることが多く“偽りの夜明け(false dawn)”と呼ばれていたこともある。
さて、乗鞍高原では駐車場に止めた車の脇での撮影であったが、今回は午前3時から越後駒ケ岳への登山道を登り、明神峠までの中間地点にカメラをセットした。かなりの急な登りで滑落しそうな場所もあり、初めての場所の夜の登山は危険だと感じた。日の出は5時33分。その1時間前には黄道光が見えるはずであるが、到着時は東方向は雲が広がっており星がまったく見えなかった。しかし、4時を過ぎた頃から雲がなくなりチャンス到来。何とか秋の星空と黄道光を収めることができた。オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結ぶ「冬の大三角形」そしてオリオン座が美しい。縦位置の写真では、冬の天の川とクロスする様子も捉えることができた。
星々がほとんど見えなくなってきた5時少し前。新月前の三日月が昇ってきた。よく見ると、月の欠けて見える部分が薄明るく見える。これは、「地球照」(ちきゅうしょう)と呼ばれ、地球からの太陽の反射光で照らされて見える現象である。半月より大きい月になると、地球照を肉眼で観察するのは難しい。月の光っている部分の面積が増えて眩しくなること、そして地球からの反射光も減るためである。こちらは、初撮影になる。
実は、枝折峠での目的は別にあり、この写真については次回に掲載したいと思う。
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels (縦写真は683*1024 Pixels)で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。
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