ヤマトンボ科は、かつてエゾトンボ科(Family Corduliidae)に属するヤマトンボ亜科(Subfamily Macromiinae)に分類されていたが、現在では、ヤマトンボ科として分類され、国内には以下の2属6種が生息している。尚、以前は北海道のみに分布する種をエゾコヤマトンボとし、コヤマトンボの北海道亜種としていたが、DNA鑑定の結果、コヤマトンボとの違いが見受けられないとのことからコヤマトンボとなっている。
ヤマトンボ科では、オオヤマトンボとコヤマトンボの2種を撮影しており、ブログ(PartⅠ)ではエゾトンボ科として紹介しているが、本ブログ(PartⅡ)では取り上げていなかったので、今回改めてヤマトンボ科として掲載した。
- オオヤマトンボ属(Genus Epophthalmia)
- オオヤマトンボ Epophthalmia elegans elegans (Brauer, 1865)
- コヤマトンボ属(Genus Macromia)
- キイロヤマトンボ Macromia daimoji Okumura, 1949
- ヒナヤマトンボ Macromia urania Ris, 1916
- コヤマトンボ Macromia amphigena amphigena Selys, 1871
- オキナワコヤマトンボ Macromia kubokaiya Asahina, 1964
- タイワンコヤマトンボ Macromia clio Ris, 1916
掲載した2種は、どちらも頭部と胸部が金属光沢のある青緑色で、黄色の条斑をもつ美しいトンボである。よく似ているが、額面の黄色条2本がオオヤマトンボで1本がコヤマトンボである。また、生息環境も異なっている。
オオヤマトンボは北海道から南西諸島まで分布し、平地や丘陵地、低山地の比較的開けた止水域(池や湖)に生息している。都心にある公園の池などでも稀に見ることがある。一見オニヤンマと見間違えるほど大きく、池の周囲を高速で巡回するように飛んでいる様子が観察できる。一方、コヤマトンボは北海道から九州まで分布し、平地や丘陵地、低山地の河川中流域に生息している。ただし、止水域(池沼)で発生する事例もある。流れの一定の範囲を行ったり来たりパトロール飛翔する様子がよく見られる。
写真は、いずれも10年以上も前に撮影したもので、オオヤマトンボの飛翔写真はピントが甘い荒れた画像である。草木に静止した場面は偶然であり、コヤマトンボは、朝方に羽化した個体が、草に止まっていたと思われる。いずれ、どちらの種も飛翔写真はリベンジしたいと思っている。
今年は、チョウといえば5月にギフチョウのイエローバンドを撮影したのみで、他にはまったく撮っていない。7月の沖縄では、コノハチョウ、フタオチョウ、イワカワシジミ、リュウキュウウラボシシジミの撮影を計画したが、リュウキュウウラボシシジミを確認しただけで、撮ることはできなかった。季節はすでに9月。今月は、ミヤマシジミやシルビアシジミ、晩秋にはルーミスシジミが見られるが、同じ写真ばかりになりそうなので、今年は計画していない。運が良ければ、かつて宮古島で撮ったアオタテハモドキを東京都内で撮ってみたいとは思う。
チョウの撮影は、まだ1種だけだが、今年はトンボとの出会いが多かった。沖縄での成果が主であるが、こうなればトンボ類で攻めていくしかないだろう。今月下旬以降には、まだ綺麗に撮れていないマダラナニワトンボとキトンボの産卵の様子を観察し写真に収めたいと思っている。また、来年は未撮影のキイロヤマトンボを撮りたいと思っている。
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。
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